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着物、大好き☆

…と言えるようになったのは25歳を過ぎてからですねえ。成人式も行っていないので、振袖も着なかったし、別に着たいとも思わなかった、つまり興味がなかったのですね。

末っ子の私は基本的に放任だったので、あれをやれ、これをやれと言われることなく育ちました。しかしほぼ唯一、母からやりなさいと言われたのが「着付け」。結婚することが決まった、24歳のときでした。

母の友人に着付けの先生がいらしたので、一対一の特別レッスン。短期集中でみっちり習いました。目標は「結納のときに自分で着物を着ること」。この先生は割とスパルタ(!!)で、行きは着物一式を抱えて持って行って、先生のお宅で着付けの練習をしたら、帰りは着てきた服を抱えて持って帰るというシステム。電車で数駅先のところだったので、しっかり着付けないと移動中に崩れるし、荷物を抱えて着物で(それも草履で)歩くのは結構大変。でも短期集中でやったおかげで、目標だった「自分で着付けをして着物で結納に行く」を達成できたし、着物で歩き回るのも苦痛ではなくなりました。

その後結婚して実家から遠く離れたところに住むことになりましたが、せっかく出来るようになった着付けも、このままだと忘れてしまう気がしたのです。それで、カルチャースクールの着付け教室に通い始めました。短期集中では付け焼刃でしたが、今、一年に数えるほどしか着なくても手順を忘れないのは、この時にしっかり習ったおかげです。

自分で着物が着られることの利点としては、当たり前ですが、着付け料がかからないこと。さらにヒモを結ぶときにどれくらいの力で絞めたらいいか、また結び目をどこに持ってくると痛いか痛くないかがわかるので、長く着ていても苦しくありません。

さらに言うと、着物の利点は体形変化や流行と影響がないこと。お洋服の場合、痩せていたときの服は太ったら着られませんし、流行もあるので何十年とは着られません。でも着物は数十年前の着物、下手したら母や祖母の着物を着ることもできます(あまりにもサイズが違う場合は難しいですが)。また結婚式におよばれしたときに、同じグループの友達がいたりすると、同じワンピースは次の友達の結婚式に着ていけませんが、着物の場合、例えば帯を変えるだけで雰囲気が変わるので使いまわしが可能です。

あ、そうそう、書いていて思い出しました。利点がもう一つあります。「着物が好き」と公言すると、着物が集まってくることです。これは本当。

私も、叔母のとか、義母のとか、友達の母親のものとか、結構集まってきます。着物を着ない人からすると、場所を取って邪魔だから処分したい、でも捨てるには惜しい、かといって売れるほど高級なものでもない。そういうときに、「着物が好き」という人がいると、「有効活用してもらえるし、ウチもスッキリする」という気になるみたいです(笑)。なので、私はかなりの衣装持ちなのですが、自分で選んで買った着物って、多分1枚か2枚しかないんですよ。