地元銘菓を教えて

仕事柄、二十歳前後の人たち、多くは大学生と会う機会があります。そんなときによく聞く質問が「あなたの地元の銘菓は?」というもの。当初は単なる好奇心でしたけど、この質問は案外「その人」が見える面白い質問だと思っています。

そもそも大学1年生なんて、ついこの前まで高校生なわけです。地元でどんなに有名な羊羹があったとしても、高校生は見向きもしないですよね。なので「私の地元の銘菓は○○羊羹です」という大学生はほとんどいなくて、こちらから水を向けても「存在は知っているけど食べたことはない」「存在すら知らない」方が多いです。

大阪出身の大学生は特にこの傾向がありますね。「大阪銘菓・・・?」と考え込んでしまう学生がほとんど。「おこしとか、けし餅とかあるじゃない」と言っても「え、なにそれ・・・?」と言われたりします。ま、最近は「りくろーおじさんのチーズケーキ」、「月化粧」と答える学生も増えてきましたが。

あるいは、あまりに身近すぎてローカルな存在だと思っていなかった、というケースもあります。地元であれば直営店もあるしスーパーにもあるので、全国区だと思っていた、というわけ。

愛媛出身の大学生も「愛媛なんて! そんな、大した銘菓ないですよ!!」というので、「愛媛にはたくさんあるじゃない、母恵夢とか一六タルトとか坊ちゃん団子とか山田屋まんじゅうとか」というと、「ええーっ、愛媛にしかないんですかっ!?」と逆に驚かれたりします。うーん、まあ、最近は全国の百貨店にはどれもあったりしますけどねえ。

中には、「ちょっとスマホ見ていいですか」といって、「○○(地名) 銘菓」で調べて、そのまま上位から順に羅列する学生もいます。こういうケースは割と要注意で、自分の頭で考えない・すぐに結果に飛びつく・質問にも答えにも関心を示さない、という人物像が見えてきます(実際、この学生はプロジェクトを途中で投げ出した)。

そんなわけで、質問の中身だけでなく、人物像も透けて見えてくるわけではありますが、純粋に「えっ、そんなお菓子あるの!?」という面白みもあります。私は基本、関東育ちなので、特に西日本に弱い。

へーっ、そんなお菓子あるんだ!! と思ったこれまでのものとしては。

糸切り餅 (滋賀)

でっち羊羹 (滋賀)

もみじの天ぷら (大阪)

レインボーラムネ (奈良)

ぶどう饅頭 (徳島)

桃カステラ (長崎)

ですねえ。なかなか現地に行かないと、食べられそうもないので心のメモ帳にずっと残っております。今年もまだまだ教えてもらいましょう♪