母の悲哀…【子どもが居なくなった編】
2023年、地元の夏まつりでした。
その日の18時、私の妹(母の長女)が娘二人を連れて10年ぶりに帰省することになっていました。私は夕方からボランティアで出かけ、21時半の帰宅予定。そこで私は母、妹、姪たちにカレーを作り、母に「みんなで食べてね」と言い、出かけたのです。
その日は花火が上がるので、姪たちが見に行きたがってると妹からの事前連絡。母も一緒に連れて行ってもいいか聞かれたため、面倒くさがって留守番するって言いそう、と答えました。
21時半に私が帰宅すると、玄関ドアが開けっ放し。家中の明かりもつけっぱなし。しかし、誰もいません。妹・姪が来たのは荷物があったことでわかりましたし、カレーも食べ終えていました。
妹に連絡すると、母は食後、やはり出かけるのは面倒、留守番してると言ったそうです。
それなのに母はいったいどこへ……
母の携帯に電話してみると、母が出ました!!
「子どもたちが急に居なくなったから探しに出た。今何とかっていうコンビニに居る。店員さんが警察に電話してくれている」と。
私は「迎えに行くから、そこで待ってて」と言いコンビニへ走って向かいました。最寄りの某コンビニには居らず、その先の他社コンビニのレジ前で母が居るのを見つけました。自宅から500m超あります。店員さんはその時も警察と電話している最中。
電話を代わり、警察と話しました。
小学生低学年の女の子二人が家に居たのだが、気が付くと二人とも居なくなった、と母は訴えていたらしい。ちなみに姪は、高校生と中学生。
私は、今日帰省してきた娘孫3人と花火を見に出かけただけで、行方不明ではない、と説明しましたが
今、最寄りの交番から警官が向かっているので説明してくれ、と言われました。
警官を待っている間には、母は帰ろうとしましたが、引き止めていました。
そこへパトカー。警官2名が駆け付けました。
電話で説明したことを再度、警官にも説明。そうしているうちにさらに地元警察署生活安全課の方も3名が来ました。
そして徘徊癖があるのかどうか聞かれ、市役所や関係機関と情報共有の可否を聞かれたりしました。
その間、母は別の警官と話していましたが、「もういい!私は帰る」と少し荒げた声が聞こえました。
状況説明(事情聴取?)が終わり、家へ歩いている途中、母は
脚が痛くなってきた…と訴える。往復1km歩くのはきついよな…
そこへ妹が前から走ってきました。妹は泣いているよう………
…無事、帰宅できました。
母にしてみると
さっき一緒にカレーを食べた孫が、気がついたら居なくなってしまった
見慣れない荷物があるから、来ていたのは気のせいではない
大変だ! 探しに行かなきゃ! という一心だったのでしょう。
確かに孫は二人とも童顔で、小学生に見えるかもしれません。
『彼女らの母(長女)と"一緒"に花火を見に出かけた』という部分が欠落してしまったのか。
見ていて、いたたまれない気持ちになった一件でした……
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