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将来の夢は映画監督ですか?
池袋の新文芸坐で3年ぶりにこの映画をみた。
桐島、部活やめるってよ
監督は「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」
「騙し絵の牙」などの吉田大八監督
自分の人生に大きな影響を与えた映画はあまり多くないし、あまり多くあってもいけないと思うのだがこの映画は確実に自分の人生観を変えることになった映画だと感じる。
将来に不安を感じる人、また“人生の損得抜きで死ぬほど好きだと思うものやこと”がある人は必ず観てほしい。ほんとに
【登場人物】
・桐島(バレー部)
→学校カースト最上位、
・宏樹(元野球部)
→桐島の親友、勉強運動なんでもできる
・前田(映画部)
→映画が大好きな学校カースト最下位の漢
他にも桐島の彼女、宏樹の彼女、宏樹に片想い中の吹部女子、アホすぎる映画部の武文などなどが出てくるが今回は割愛
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(配役がかなり豪華)
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実は桐島はこの映画には一切出てこない。
部活をやめ、学校にも来なくなってしまった桐島。なぜカースト最上位である彼が突然そのピラミッドから抜け出したのか誰にもわからない
学生にとって、学校は世界そのものだ。
しかしそのピラミッドが世界の全てだと信じていた宏樹たち陽キャグループは、そのピラミッドから急に降りた桐島を知り、慌て、狼狽え、戸惑い、自分達の世界に疑念を抱いていく。。。
簡単にあらすじを書くと
金曜日
宏樹(東出昌大)たち3人は桐島のバレー部の部活が終わるまでの間、放課後体育館裏でいつもバスケで遊びながら待っているのだが、そこでバレー部の同級生から、桐島が部活を辞めることが伝えられる。
すぐに情報を受け取った桐島の彼女梨紗たち4人組も集まり、桐島の真意を親友である宏樹に問いただすが、宏樹もそのことを全く知らない様子だった。
桐島との連絡もまったくつかない。
時を同じくして、この作品の主人公で映画部の前田(神木隆之介)たちは、次のコンクールに出す映画の撮影を屋上で行なっていた。
土曜日
この日はバレー部の試合があったが、桐島が抜けた穴を埋められず県大会を逃してしまい、ヤケクソに練習を重ねる。
日曜日
映画部の前田の情けない日常が劇場内に垂れ流しになる(映画を観てる時の姿勢とかが自分とそっくりで笑えない)
月曜日
屋上で桐島をみたというクラスメイトの話を聞き、桐島の真意を聞くために走り出す宏樹たち男女7人とバレー部
しかしそこにはゾンビ映画のラストシーンと撮っていた映画部だけがおり、桐島の姿はない。
怒った彼らは、映画部のゾンビ達に襲いかかるが、、、、!!
というそれまでの話を最後で無茶苦茶にする内容になっている(説明しやすいように所々省いてるが)
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他の人のブログや映画レビューでしきりに書かれている通り、高校生のリアルさが素晴らしい“気がする”。特に映画の1番冒頭の映画部と顧問の会話は、まるで自分たちが職員室に入り込んだかのように錯覚させる。
なぜ素晴らしい“気がする”と含んだ言い方をしたかというと、自分の高校生活はほぼ男子校でこの映画の舞台の共学のヒリヒリとした空気感を実際に味わったことがないからだ。
学生時代、楽しいながらもどこか友達関係に窮屈さを少しでも感じたことがあるのならばこの映画の舞台立てのリアルさに当時を思い出してしまうかもしれない。
そしてそんな窮屈さに嫌気が差した映画部の前田は、「戦おう。ここが俺たちの世界だ。俺たちはこの世界で行きていかなければならないのだから」と映画を撮り始める。
ここからが本題
これまでに書いた学校特有の息苦しい雰囲気をラストで大爆発させるカタルシスも素晴らしいのだが、自分が1番感動したのは、映画のクライマックス[ゾンビ軍団 vs 陽キャグループ](笑)のあと、映画の最後の最後で行われる宏樹と前田の会話シーンだ。これについては後ほど書きます。
【残酷で空虚な人生】
実のところ今作の主役は東出昌大演じる“宏樹”だったように思う。
彼は映画冒頭、放課後バスケをしながらこう話す。
「結局出来るやつはなんでも出来て、出来ないやつは何にも出来ないって話でしょ」
そう言って彼はボールをゴールに綺麗に入れる
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そう彼は勉強も運動なんでも出来てしまう。
かわいい彼女も自分に惚れている女子もいる。
無意味だと決めつけて辞めた野球部も毎週キャプテンから試合に出るようお願いされている。
しかし彼は映画中、心ここに在らずな表情を貫いている。どこか諦めているような達観した表情を
彼はなんでも出来るがゆえに自分がなにをしたら良いのかわからなくっていたのだと思う。
自分はこれからどうやって、何故生きていくのか、自分は一体何になれるんだ
そして彼は気づいてしまった、
「こんな残酷で空虚な人生で、何に意味を見出して生きればいいのか」
そして映画の最後、前田と宏樹の会話に繋がる。
[ゾンビ軍団 vs 陽キャグループ](笑) の戦いで壊れてしまったカメラの部品を前田に手渡す宏樹。みんなが屋上から居なくなった後、そのままふざけた様子でカメラを前田に向けて、遊び半分のインタビューを行う。
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宏樹…「将来は女優と結婚ですか?」
前田…「ふふ、いやぁ〜〜、やめてよ〜笑」
宏樹…「将来の夢は映画監督ですか?」
前田…「、、、うーん、それはないかな」
宏樹…「え、、、じゃあなんでわざわざこんな映画を、、、、?」
前田…「それは、うーん。時々ね。俺たちが好きな映画と、今自分たちが撮ってる映画がつながってるんだなって思う時があって。ホントにたまになんだよ。たまになんだけど。いや、それがなんか・・・、ふふ交代交代笑」
今度は前田が宏樹を撮影する
宏樹…「いいよ、いいよ俺は」
宏樹は泣きながら、そのまま帰ってしまう。
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このシーンで彼は、前田の人生を
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