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九州のおかしな歩き方

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九州の郷土菓子、ご当地スイーツ・パン、銘菓本店を巡る旅
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#本店巡り

010_香梅 本店の加勢以多【大分】

熊本、いや九州を代表する菓子メーカー香梅。 陣太鼓、武者がえし、本丸など、多くの人気銘菓を販売している。 熊本であればいたるところ、私の地元宮崎でもデパ地下なんかで購入できる。 子供の頃から熊本のお土産のなかで陣太鼓が一番好きだったので、熊本市にある本店はぜひとも行ってみたい店だった。 今回のお目当ては、加勢多。 薄いカリンジャム羹を、これまた薄いもち米のおぼろ種で挟んだもの。 江戸時代、細川家に献上されていたお菓子を復刻した珍しいお菓子。 香梅は1949年創業の比較的新し

011_鶴屋 本店の南蛮菓子【佐賀】

佐賀のお菓子を語るのに避けて通れないのが長崎街道。 別名シュガーロード。 長崎から小倉までの228km、長崎街道を通って海外から出島に入った砂糖は京や江戸へと運ばれて行く。 長崎街道沿いは、砂糖やお菓子作りのノウハウが流通しやすく、菓子文化が発達していったのだった。 日本を代表するお菓子メーカー、グリコ・森永の創業者はどちらも佐賀出身である。 また、ポルトガルから伝わったお菓子が、カステラや丸ぼうろ、金平糖などのような南蛮菓子として、日本独自の進化をしたお菓子になって根付い

012_北島 本店の丸ぼうろ【佐賀】

丸ぼうろで有名な老舗店、北島。 丸ぼうろ 86円 気になっていた「オブリガード(丸ぼうろを生姜の糖蜜でコーティング)」は残念ながら製造中止。 ここは近隣の有料駐車場にとめなければいけないので、丸ぼうろ1つ買うだけってもったいない気がして、「玄ぼうろ」なるものも買ってみた。 黒糖の糖蜜でコーティング、生姜がきいていてクセになる味、パクパクいってしまう。 北島 白山本店 佐賀市白山2-2-5 (2018.2.28)

013_浪花屋本店の銅銭糖【熊本】

銅銭糖は、熊本県大津町の郷土菓子。 今から160年以上前の安政時代、この浪速屋本店で誕生したお菓子。 もち粉と砂糖を水で練った落雁であんこを包む。 落雁&あんこなんて甘そー、と思っていたけど、意外と上品。 落雁はしっとりほろり。 出来たてはやわらかい。 このお菓子も熊本のお土産コーナーでよくみかける。 わざわざ本店を巡る一番の理由は、出来たてを食べたいから。 たいていのお菓子は出来たてのほうが美味しい。 浪花屋本店 熊本県菊池郡大津町室1037

17_エトワール・ホリエの伊万里焼饅頭【佐賀】

昭和26年に誕生した伊万里を代表する銘菓。 黄身餡をカステラ生地で包んだ洋風お饅頭。 表面のひび割れは、陶器のひび焼きをイメージ。 伊万里焼饅頭本舗エトワール・ホリエ 佐賀県伊万里市伊万里町甲585 伊万里饅頭 108円 (2018.6.2) 焼き物に興味あるなら、アリタセラはおすすめ。 陶磁器のお店や飲食店22軒が軒をつらねる。 2時間ほど足早に見て回ったけど、1日かけてじっくり見たかった。 セール品の籠の中から、波佐見焼の小皿を350円で購入。 4、5枚欲しかっ

018_ 正観寺丸宝の松風【熊本】

熊本県菊池の銘菓、松風。 南北朝時代に菊池一族が京から持ち帰ったと言われる。 日本一薄い和菓子。 中でも正観寺丸宝の松風は、厚さ1.2m。 薄くてパリパリ。 1枚で食べてみたり、2枚重ねてみたり、3枚重ねてみたり、4枚・・・ 食感が変わるのが楽しい。 あぁ、ホント、この薄さのパリパリ感、一度食べてみて欲しいよ。 松風本家 正観寺丸宝 熊本県菊池市隈府1097-2 松風 4包 280円 (2018/5/31)

030_ひよ子本舗吉野堂のひよ子【福岡】

かわいい。 上から見ても横から見てもかわいい。 どうかと思うのですよ、お菓子として。 食べるのに躊躇するくらいかわいいって。 愛され続けるという言葉がピッタリのお菓子。 ひよ子が生まれた飯塚市は、長崎と小倉を結ぶ砂糖が通った道、シュガーロード沿いにあり、昔からお菓子づくりが盛ん。 しかも、ここは明治初期から炭坑で栄える。 現在、本社は福岡市にあるのだけど、飯塚市にある穂波工場へ行った。 もしかすると、焼きたてが食べられるかもしれない、そんな甘い期待を胸に。 結果、焼

031_千鳥屋の千鳥饅頭【福岡】

ゆるい。 このゆるさがかわいい、千鳥饅頭の刻印。 千鳥饅頭は1927年(昭和2年)誕生。 中に白餡が入ったカステラ饅頭。 かつて日本一の炭鉱地帯だった筑豊。 江戸時代、長崎街道を通じて筑豊にも南蛮菓子がもたらされる。 これが明治以降、炭鉱景気背景に数多く生まれた銘菓の誕生につながるってなんかもうこうロマンすら感じる。 重労働を担う炭鉱の人たちがエネルギー源に甘いお菓子を好んだのも、菓子作りが盛んになるのに拍車をかける。 千鳥屋本家、先祖がお菓子を作り始めたのは天正18年

036_湖月堂の栗饅頭【福岡】

本店に行ってきた。 小倉の名物、栗饅頭。 中には栗を練り込んだ白餡。 1895年(明治28年)の創業以来栗饅頭を作っている湖月堂は、長崎の田中旭栄堂と共に元祖的な店とされる。 湖月堂 本店 福岡県北九州市小倉北区魚町1-3-11 栗饅頭  108円 (2018.3.20) 小倉は長崎街道、別名シュガーロードの出発地。 それがここ、常葉橋のたもとに。 ここを砂糖が通っていったのよー。 それよりもなによりも、隣の橋のこの列をなす全裸のペンネ人間が気になる。

040_村岡総本舗の小城羊羹【佐賀】

羊羹を見て、きれいだと初めて思った。 食べるけど、特別好きなわけではないお菓子から、羊羹LOVEになった。 そのきっかけが村岡総本舗の小城羊羹。 表面が固まってしゃりっとしている。 洗練された甘さに、しっとり感とシャリシャリが混ざりあって、もうたまりません。 銀色の袋に羊羹を流し込んで作る方が楽なのに、シャリシャリを作るために木型で固めたものを一本一本切り分けている。 小城市には20軒以上もの羊羹屋がある。 長崎街道、シュガーロード沿いでもある。 1872年(明治5年)

055_村岡屋のさが錦【佐賀】

本店に行ってきた。 佐賀を代表する銘菓。 誕生から40有余年。 豆や栗を混ぜ込んだ浮き島という蒸し菓子に、チョコレートを塗り、うすくカットしたバームクーヘンで挟む。 地元の織物、佐賀錦をモチーフ。 この和洋折衷、本当に見事です。 村岡屋 本店 佐賀県佐賀市駅南本町3-18 さが錦  140円 (2018/2/28) 村岡屋は小城羊羹で有名な村岡総本舗からの分家。 モンドセレクションて胡散臭くて、そんなものにお金使う企業ってどうなの、と思っているのだけどね。 これ

059_さかえ屋のなんばん往来とすくのかめ【福岡】

本店に行ってきた。 おすすめ土産菓子、なんばん往来。 ふっくらバターたっぷりアーモンド生地の焼き菓子。 底には薄いパイ生地、中にはジャム。 定番人気はラズベリー&ブルーベリー。 美味しいし、パッケージも可愛いし、南蛮菓子をモチーフにしているところがシュガーロード沿いのお菓子らしい。 本店は福岡県飯塚市。 生まれて約13年らしいけど、福岡を代表するお菓子になりつつあるのでは。 こちらは60年以上人気の銘菓、すくのかめ。 中にちっこい求肥餅の入った手焼きの最中。 さかえ屋