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とある役所エリートの話

こんにちは。先に断っておきますが、タイトルは私のことではありません。

今週から年末年始休みが明けて、本格的に仕事が始まったわけですが、いきなり月曜始まりという鬼畜仕様になっておりました。世のサラリーマンは通常の日曜よりも数倍ダメージを負っていた中で本当この1週間お疲れ様でした。本日から3連休です。

さてそんな働き方とは逆行するかの如く、新年初っ端から仕事をしていた友人がいました。(おそらく今日も元気に出勤をしていることでしょう。)
彼は私と同じ普通の公務員ですが、ブルーマンデーやらサ◯エさん症候群とは無縁の人間です。
無縁というよりかは、そんなことは考えていないといったほうが正しいかもしれませんね。
今日は、そんな友人の話を書いてみようかなと思いました。「へえ〜こんな公務員もいるのかあ。」程度に、皆さんの中で思うところが少しでもあれば嬉しいです。

1.友人との出会い

私が社会人になって2年目の頃でした。彼とは、たまたま共通の友人を介して知り合い、地元が近かったこともあって、意気投合したという、良くある何の変哲も出会いをしたわけです。
私はその頃、現場向けの業務をしていたのですが、どちらかというと彼は初っ端から内部向けの激務部署に配属され、毎日忙しい日々を送っているようでした。そんな彼の職場は東京都です。
進学校出身で、ストレートで某有名大に入学し、周りがサークル活動で遊び呆けてる中、真面目に大学の勉強を続けてたそうです。(いや本来、大学は勉強をするところなんですけどね・・・)
元々、やりたいことがあって公務員になった彼は第一志望の都庁に入りました。もうこの段階で私とは意識が全く違うわけですよ。入庁してからのビジョンがしっかりとしていたんです。本来であればそういうビジョンを一つでも持っていることが理想なんですが、どちらかというと私の場合は、気付いたら「公務員になること」自体が最終目標になってしまっていたので、なんやかんやで入庁した私からみたら、彼は「意識高い系」として映っていたわけです。
ここで勘違いして欲しくないのは、彼は俗に言うゴリゴリの体育会系ではございません。学生時代にスポーツをバリバリやっていたわけでもありません。良い意味で、何処にでもいる普通の公務員です。

2.役所エリートの日常

「役所で出世するために必要な能力は“調整力”と“残業耐性”の2つに尽きる」と、私の中で持論があるのですが、入庁当初から忙しい部署に配属された彼は、その2つを兼ね備え、激務部署兼エリート街道を渡り歩くことになります。
最初は実家から通っていた彼ですが、毎日終電帰りが基本でしたので、とうとう職場近くへ引っ越しました。すると、彼の生活にも、徐々に変化が見え始めます。まず、毎日終電を気にしていた生活から解放され、時間を気にせず仕事ができるようになりました。そのおかげもあり、帰宅時間は日付をまたぐようになりました。また、家に帰れば用意されていた、ご飯がなくなります。そんな生活では、当然、自炊をする概念は存在しないので、夜は食べないかもしくはコンビニ弁当を食べる日々です。今現在でも昼休みも基本、5分ほどでコンビニおにぎりを口に詰め込んで、仕事をしているみたいですね。
このような忙しい生活をしばらく続けていた彼の身体は痩せ細っていき…ということはなく、次第に顔周りに肉が付いてきて、お腹も出てくるという真逆の結末に…。久しぶりに会った際に、「いやあ〜半年で7キロ増えたわ〜」と笑いながら話してた彼の顔は忘れられません。
私は今まで、独身のうちは「一人暮らし最強説」を唱えていた人間ですが、ここにきてようやく、特段事情がなければ、実家暮らしに勝るものはないなと感じております。さすがに片道通勤に2時間近くかかるとか、そういった問題があるならまだしも、一人暮らしって意外と自由な時間が少ないなあと。なお、ここでいう自由ってのは、自分一人で全て決められるっていう裁量的な自由のことではありません。極端なこと言えば通勤1時間から20分になったとしても、帰宅すると全てがゼロの状態から色々始めなければならないので、そういう物理的な意味で、使える自由な時間が少ないということです。勿論、年中定時であがれて、時間が余りまくってるのならまだしも、残業して疲れ切っている中、家に帰ってきて「さ〜て、これから晩御飯作るぞ!」となる人は少ないんじゃないでしょうか。特に男性陣は外食とコンビニで済ます場合が多いですね。例え、ご飯を作った後でも食器を全て洗い、風呂掃除もして、洗濯やアイロン掛けもして…これだけでも結構時間持ってかれます。勿論、一人暮らしなので、それら全てを放棄して、時間を増やすことは可能でしょう。ただ、それを実際にやるとどうなるかはご想像の通りです。都庁の彼も私の同期(男性陣)も基本、部屋がゴミ屋敷と化すか、食生活の乱れが生じて不健康体まっしぐらです(例えば、腹が出てきます…)。
忙しさの理由で職場の近くに住んだとしても、忙しい事実は変わらないので、忙しさに「不健康」がプラスアルファで付いてくるイメージですね。結局、「帰って寝るだけ」の状況の時って、実家でも一人暮らしでも一緒ですから…。ただ、通勤電車を避ける等、何を優先させるかは個人で違うとは思います。それでも、比較的健康な生活を送るための条件として、実家暮らしって結構な割合を占めてるよなあと、こないだ同期とラーメン食いながら話しておりました。それに職場から家が近いと「家近いだろ?」と、だからどうしたという難癖つけられて、ところどころでこき使われる場面(二次会以降に無理矢理つき合わされたり)もでてきて良いことばかりじゃないんですよね。
話は戻りますが、まさに友人はこれが当てはまっておりました。一時期、本当に忙しくて、しばらく疎遠になっていた時期があり、あとから聞いたら土日も当たり前のように仕事をしていたみたいです。ちなみに最高、〇〇(自主規制)連勤したそうですが、「まあでも周りの同期もこんな感じだよ(笑)」と言っていた、その顔からは覇気は感じられませんでした。

3.まとめ

「月曜とか別に何とも思わないよ。」、彼が述べていた言葉です。私はその画期的方法を知りたかったのですが、「というより、土日も職場いると日曜とか月曜とかあんまり曜日感覚なくなるよ!」と聞いて、これは真似できないなと…。
ただ、ある意味で仕事が私生活の一部になっているのは悪いことだけではないなと。勿論、当の本人が仕事好き、というのが大前提ですが、彼の場合「いやあ別に仕事全然面白くないし、普通に辞めたいよ(笑)」と話していたので、人並みにダルいと思う感情はあるんだなと、何故か安心した次第です。
少し前にテレビで、予備校講師の林先生が「やりたいことではなくて、できることが大切」と言っていたのをタイムリーで観ていました。その時に、これ、まさしく友人のことだなあと直感的に思ったんです。私みたいに「やりたくないことを、嫌々やる」のも一つの働き方ですし、そこに絶対的な正解はないと思います。しかし、友人みたいに「やりたくないことでも、目の前の仕事を淡々と捌くことができる」、これだけでも自分にプライドを持って良いのではないかと少し感じたわけです。
そのことを意識してるかどうかは別として、彼がこのような状況でも公務員として働き続けられる理由は、そういった部分もあるのではないかと思いました。

そんな彼も結婚をしました。
お相手は同じ都庁の方でした。何故、過去形かと言いますと、奥さんは彼との結婚を機に退職したからです。
辞める際に、奥さんが「こんな仕事はもううんざり!!!」と言い放ったエピソードは、またどこかで機会があればお話ししたいと思います(笑)。

いかがでしたでしょうか。正直、彼と私とでは仕事に対する姿勢や、働き方も真逆ですが、なんだかんだこうやって関係が続いているわけで、出会いとは本当に面白いものです。

彼の名言集にこんな言葉があります。
「いやさ、年末年始休みってマジですごいわ。普段労働してる時よりも明らかに少ない睡眠時間なのに、全然眠くならないで活動できるし、生産性が凄い。それだけ良質な睡眠が取れてるってことなんだよな!もうさ、毎月の最終週は全部休みで良いんじゃないの?」
私はさぞかし毎日睡眠時間を削って、遊んで、休みを謳歌してると思ってたのですが、元旦と2日は職場にいたそうで…。活動できるって仕事のことだったんですね…。
正直、彼と同じように働こうとか、真似しようとも思いません。しかし、物事に対する姿勢であったり確固たる自分を持っているということも含め、少なからず彼に対して、羨望や尊敬の念があるのも、また事実です。

ただひとつ、これだけ働いているのに、残業代をつけないことを除いては(笑)。



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