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かた焼きそばよ、永遠に
無性にかた焼きそばが食べたくなった。
だいたい、中華街に2度行って目的のお店が2度休憩中には、ゲンナリである。
その時の記事はこちら。
かた焼きそばが夢に出てきそうなので、それなら久々だけどひとつ作ってみよう、という事でチャレンジすることにした。
レシピはなく、父親直伝の味を再現することにフォーカスし、あり物中心で即席レシピとした。
亡き父の話をちょこっとだけすると、職人だったけどすごく物知りで吉川英治ファン、墨絵で宮本武蔵を描いたり字も達筆な人で、料理も研究熱心、家族をいつも楽しませてくれたことだ。
お雑煮については、正月の時に書かせてもらった。
かた焼きそばについては、何でいつもこんなに美味しく作れるんだろうと思っていたが、実は隠れたエピソードがあった。
地域でひっそりと営業していた『一二三』という中華のお店があった。
幼い頃のことではあるが、下部が木製、上部が波型の擦りガラスが入った4枚の両開きのレール式の入口で、現在中華店で余り見かけなくなった白地に赤く雷紋で縁取りしてあって、一二三とだけ書いてあったと記憶している。
お店に入ったことは、1度くらいしかないが、シンプルな店構えだった。
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ここまで古びてはいない。
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こんなヘタレ文字ではない。
父が言うには、このお店でかた焼きそばを食べたら余りにも美味しかったので店主に頼んで厨房の中に入り、作り方を教わったというのだ。
「一二三のかた焼きそばをわざわざ遠くから食べに来る客がいるんだよ。つまり、それだけ美味いということだ。」
「ラードを使うのがミソなんだ。そうすると、うまく焼き上がる。」
こんな話をしていたと微かに覚えている。
現在のように情報が簡単に入手できる時代ではなかったので、わざわざ田舎町の中華屋さんに『かた焼きそば』を食べにやってくるって、とてつもなく美味しかったんだろうと思う。
ひっそりとした店構えだったけど、実は名店だったのだ。
今なら食べログ3.5以上はついたのではないだろうか?
父が作る『かた焼きそば』はいたってシンプル。
具材は、豚バラ肉、筍、たまねぎ、人参、しいたけ、なると巻、にんにくを使い、薄塩で味付けするのだ。
炒めるのは、もちろん『ラード』が決め手。
麺を焼き上げる時には、麺をかき混ぜたりしない、じっとしておかなければカリッと焼きあがらないと教えられた。
そして、食べるときにはとろっとした中濃ソースをかけていた。
はてさて、では作るとしよう。
今日のところは、ほとんどあり合わせで作ります。
🔶かた焼きそば
〔材料〕
・焼きそば麺 2玉
・たまねぎ 1玉
・しいたけ 2個
・筍スライス 1袋 (本当はざっくり切ったものを使いたい)
・豚肉(バラが良いが、本日はロース使用)120g
・なると巻 半分
・にんにく 2片
・ラード 大匙2
・片栗粉 大匙1
・水 400cc
・塩 1つまみ
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〔作り方〕
1️⃣ 麺をレンジアップし、解きほぐし易くしておく。600Wで1分。
2️⃣ たまねぎをなるべく薄目に、シイタケは5mm幅程度に、人参はいちょう切りにスライス。
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3️⃣ なると巻を3mm幅、筍スライスを袋から出しざるに開け水洗いする。にんにくをミジン切りに。
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4️⃣ 豚肉(この日はロース)を2cm幅くらいに切り分ける。
5️⃣ フライパンにラードを大匙1杯ほど入れ、加熱。
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6️⃣ レンジアップしておいた麺を投入してほぐし、ダマにならない様にしたら蓋をして中火で3分ほど放置する。注)決してかき混ぜないこと。
型崩れしないよう反対側も中火で3分焼き上げる。
両面焼き上がったら、皿に移す。
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7️⃣ 同じフライパンを使い、ラードを大匙1程度入れ、にんにくみじん切りをさっと炒め、豚肉も加えます。
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8️⃣ たまねぎ、人参、シイタケも加え、更に炒めます。
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9️⃣ 炒められたら、水を加えさらに3分程、中火で熱を加えます。
そして、片栗粉を水で溶き混ぜながら加えていきます。
ゆるめだったら、片栗粉を溶きながら少しずつ加減していき良い塩梅のタレとなるよう調整してください。
塩をひとつまみ入れます。
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🔟 たけのこ、なると巻を投入し1、2分弱火で加熱します。
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🕚 皿に盛っておいた焼きそば麺にタレをたっぷり掛けます。
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じゃじゃ~ん、
できあがり~
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じっしょ~く
う~ん、これこれ。
この味、このバリバリ感。
たまらない。
たれもにんにくの旨味が利いて麺にからみちょうどいいゆるさ加減だ。
待ちにまった『かた焼きそば』だったので、紹興酒を合わせるのをすっかり忘れていた。
中華街で買ってきた紹興酒2種類を呑み比べ、さらにレモンを絞って試すとしよう。
その前に、紹興酒について学ぼう。
紹興酒
もち米と浙江省紹興市の鑑湖の湧水を使って醸造し、3年以上の貯蔵熟成期間を経た黄酒(ホアンチュウ、すなわち醸造酒)である。
中国では鑑湖の水で仕込むので、鑑湖名酒とも言う。
アルコール度数は14 - 18度。
飲用にするほか、調味料としても用いられる。
黄酒を長期熟成させたものを老酒(ラオチュウ)と呼ぶ。
中国青島市の即墨老酒は代表的な老酒(台湾・日本で作られたものも老酒と言うこともある)。
古越龍山紹興酒(黒ラベル)と塔牌紹興酒(赤ラベル)との比較だ。
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右:塔牌 紹興酒
エアコンを利かせた部屋なので、ホットで呑ろう。
まずは、ストレートで。
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右:塔牌 紹興酒
色目は明らかに左の古越龍山の方が濃く
知らない人が見たら醤油かと見まごう。
初めに、これまでいつも呑んでいた赤ラベルの紹興酒だ。
酸味があってこれこれ、いつもの味だ。
続けて黒ラベル。
なんじゃこりゃー(松田優作風)
酸味のカドが取れて、芳醇なまろやかさだ。全く違う。
これ、気に入った。
纏めて買っておけば良かった。
紹興酒の概念を変えるくらい違う。
これなら、ザラメは必要ない。
レモンを搾ってみよう。
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レモンの爽やかさが加わって、さらにまろやかになった。
これは美味い。
一気に呑み干してしまった。
これは良い、早目に古越龍山を買って来なくては、、、。
〔お薦め〕
夏場の暑さ対策のひとつとして、食欲が落ちた時、エアコンを利かせた部屋で『かた焼きそば』をお試しください。
美味しいですよ。
また、お酒もビールやサワー、ハイボールばかり呑んでると身体と内臓を冷やしてしまいます。
紹興酒をお燗してレモン🍋を絞り、今回入れませんでしたけど、ザラメを加えて、一度お試しください。
呑み過ぎなければ、悪酔いしないし、いつもと違った風味が味わえますよ!
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無性に食べたくなった『かた焼きそば』だが、父が『一二三』から秘伝の技を教わり研究しなければ、こんなに美味しい物を口にすることが出来なかったし、なんども食べさせてくれたので、しっかり受け止めることが出来た。
この『かた焼きそば』も我が家伝承の味だ。
娘たちにもしっかり引き継いでいかねばならない。
改めて『かた焼きそば』を振舞う日を設け、舌でしっかり覚えてもらうとしよう。
「美味かったなぁ~お父さんが作るかた焼きそば。」と言われるようになりたいものである。(既に陰で言ってるかも知れないが。)
かた焼きそば。
外食したりすると、様々な具材や作り方があるが、お雑煮同様、我が家伝承の味として改めることはないと思う。
有難う、親父!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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