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司会の振り返り

初めての歌会の司会を振り返ってのあれとかこれとかを。
なんだか偉そうなことを書きそうな予感が伝わってきて他でもなく僕が嫌な気持ちになっているんだけど、なるべく記憶に眠っていることを引っ張り出しながら、寝ぼけているくらいの状態を提供できたら気楽でいいなと思っている。

アルデバラン歌会について

僕が司会をやった歌会。

アルデバラン歌会は仙台で2~3か月に一度開催されている歌会で、去年からはオンラインで開催されている。
何を隠そう僕の歌会デビューが2年前のアルデバランであり、オンラインになってからはほぼ毎回参加させてもらっている。
僕はこの歌会が僕のホームだと思っていて、そう思っている人が他にもきっといて、でもはじめましての人もためらいなく参加できる、そんな場。

司会をやろうと思ったきっかけ

ということで、初めて司会をやるなら自分のホームでやりたかった、というのが大体の答えにいやでもなってしまうな。いやではないけど。

じゃあなんでずっと一参加者ではなく司会がやりたかったの、というのが要領を得た質問になると思う。
(ここまで書いて今更「しかい」の予測変換の最初に「視界」を出すパソコンはいったいどうなっているの。)
実は多分司会には前からずっとうすーく興味があった気がする。
(だからなんで「視界」を出すの、って思ったが今度は僕の問題だわ。)
僕、話すことはかなり苦手、苦手過ぎて不得手って言いたくなるくらい苦手なんだけど、枠組みの中で進行していくのは好きだったりするんですよ。
で、前回のアルデバランだから2月くらいの歌会、その時かその前かの時に一参加者として参加した会で僕が話を何回もつっかえてしまって、僕は歌会下手だなって落ち込んだんですよ。一定量。
それで僕は司会をやった方が場に貢献できるんじゃないか、と思ったのが決定的な理由だったんだろうな。
でも裏を返せば司会ならできるだろうって高をくくっていたって側面はやっぱりあるのだろう。

当日まで

司会をすることに決まったのが2月で、それから昨日の歌会までに他の歌会にも出て司会の要領を学ぼうと思って(もちろんそれは主な理由じゃなくて、出る回数を増やそうと意識したきっかけというのが正しいかな)出たのは2,3回だけなんだけど、初めましての人が多い歌会にも場を広げていって。
やっぱり参加するならいい意見を落とせるように頑張りたかったから、事前に話したいことをしっかり準備して臨んだんですよ。
その結果、自分勝手ではあるんだけど手ごたえはあって、失敗した会の苦い印象はすっかり薄れていた感じがした。
つまり、動機だった「司会の方が貢献できる」という考えはすっかり無くなっていたから、残ったのは司会をする不安だけだったよね。

とはいえ出させてもらった会の司会の方がみんな上手で、参考にできそうなところが多かったからやっぱり出て良かったとは本心で。
で、司会ぶりとは別の所で参考になったのが、中本速さん主催の「やってみよう歌会」で配られていた、選を入れた人をメモできるように、参加者と詠草の番号が書かれた表。
これが見やすくて、表とはそういうものなのだが、とにかくこれは司会するときに役立ちそうだと思った。

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司会当日に使用した表(参加者の名前が左右に書かれているんだけど、公表していいのかわからなかったっていう建前があって、気分で隠した。)
結構良かったので見方を共有しておくと、番号は詠草に対応していて、
☆:作者
○:選を入れた人
◎:選を入れた人の中で、最初に当てて歌を読みあげてもらう人
△:選を入れなかった人で話してもらった人
”:自分から喋ってくれた人(気分でつけたけどあんまり参考にしなかった)
あとは時間管理できるようその歌に移った時間も書き込んだ感じ。
この表をベースに枠組みを作ることができたから、比較的落ち着いて進められたかなーって思っている。(中本さんに感謝!)

良かったところ

というわけで、無事に終えることができた、これが一番良かったことではあるけど、まあ僕が無事でなくても会は無事に終わっていただろうなって書きながら思った。うん、でも一番良かった。
そして、時間どおりに終われたことが本心で一番良かったところ。
予め時間の目星をつけていたのが大きかったと思っている。
3時間の中で11首、11首×15分=165分、実質収まるけど他の時間もあるし15分と思ってたら絶対伸びるから12分くらいで切ろう、みたいな。
良い見通しだったなあ。

とはいえ自分がいい司会だったかと言われるとそうとは思っていなくて、あとで書くけど駄目なところも多かった。
100点満点で60点。
自分に60点っていうのが僕の中では良い方なのか悪い方なのかはちょっと言語化に困るところ。
大学で言う赤点回避みたいな割と意味を含む点数になっちゃってうーんと思っているけど、でも62点は付けられないな、って具合です。

ただ、参加者の終了後のツイートが辿れたところでほとんどが充実感を覚えていたようだったから、そういう観点ではもっと評価できるのかもしれないね。
っていうのは本心と言えるかは正直に言っちゃうと怪しいけれど(僕の司会ぶりに起因するわけでは必ずしもないわけだし)。
でもそういうところも大事にするべきだよなって思った。
あんまり頭回ってないんじゃない?<音楽聞きながら書いてるからね。

悪かったところ

初めての司会なので不甲斐ないところもあると思いますが、って挨拶は社会人的な意味で大事ではあるけれど、それを言ってしまうことで、ミスを重ねるにつれてあきれられて減点量が増えてしまうから、もっと上手にやりたかったな、とは思うわけですよ。
エクスキューズを入れてたのにそつなくこなしてた、的なかっこいいみたいな評価が欲しかった感じは否めないけど。

まず、ある参加者が画面が見え辛くなってしまったり音声が不調だったりした場面が何回かあって、そういう人への配慮ができなかったなー、っていうのが。
これは司会の経験不足と僕の人間力不足によるから仕方ないけれども。
うん、どっちも仕方ないけれど。

そして、僕の主張をどれくらい入れればいいのか分からなかったのも原因としてあるんだけど、評をした人の話を要約して繰り返そうとして、全く的外れなことを言ったことが何度もあって、恥ずかしかったし難しかったし良くなかったねー。
これは先に挙げた別の歌会の司会の方々がとても上手にやっていたのを見て、お手本にしようと思ってやってみたのだが、あんまり、というかほとんど上手くいかなかった。
自分の能力を過信しすぎないで淡々と人に意見を聞くだけでも良かったのかなって反省している。
(とはいえ基本的には意見を言ってもらった後はすぐに他の人に回していたし、僕がまとめようとした回数で言うとそんなになくて、それがことごとく失敗して打率が低いピンチヒッターみたいな最悪になっているんだけどどうお考えですか。)

僕が歌会で評を話すとき、他の人と読みが違っている場面が多い方だと感じていて、それは全体に新しい視点を提供できるという点で割と肯定的に捉えていたんですよね。
そういう機会の多さが、今日の歌会が良かったと感じるかどうかの指標に、まだある程度なってしまっているくらいにはなんですけど。
書かれていないことを広げて迎えて読む、またはそのことの是非、みたいな土俵には足を踏み入れなくなっているとは思っているけど。
何が問題かというと、この歌ではここが当然ポイントになるよね、みたいなところに気付かないことが多いんですよね。
この歌は批評的にみてどうかという部分に関して僕の問題意識の弱さが、顕著に出てしまった結果なんだろうなという気がしてやまないということ。
ちょっと痛感してしまったな。

振り返って

っていう反省も含めて、本当にいい経験ができたなと、これは何度も言っているし言うたびに強く実感しているところ。
でもとりあえずしばらくは司会はいいかな。
というのはさっきも書いた感じで読みに全然甘いところがあって、とにかくまだ僕は歌会の経験が少なすぎる。
他の人と比べてということではなくて、自分の中で何かがつかめている段階になるためにはまだまだ参加しないといけないって意味で、そこは誤解無いようにしたいんだけど伝わっているかな。
歌集評も今年から3冊書いているけど(本来は4~5本書いていてほしい時期だけど)、それを読み返しても自己満足で終始しているような気がしてしまうし(これは秘めておいた方が良かったのかも)。
そんなわけで歌会にもっと出たい。
最近は歌会に出るとそういう点で目標があって、だからどんどん歌会が楽しくなっている感覚があって、twitterでも歌会楽しかったとか歌会出たいとか発言していて、それは充実してるということだしありがたいことだって思っている。
その一方で歌会が終わるとメンタルが疲弊していて、(鬱とかそういうのではないんだけど)根源的な意味でのストレスがとてもかかっているなってのも感じるのです。
なんか微妙に話がそれているように感じられるかもだけども、この記事を書いているうちにこのことを言語化しておきたくなってしまったので。言語化にお付き合いいただきありがとうございます。
というわけでそのことにも向き合いつつ、無理のないようにたくさん歌会に出たいです!!

ちなみに、もし僕が歌会の司会をすぐにするなら、気が置けない仲間ができて、へまをしても大丈夫だという安心感を持てたときかなっていう予感がありまして。
というのも、最近参加させてもらった歌会で、自分の好きな種類の話をするためには、そういう話が多く出るような歌会を企画すればいいって気づかせてくれたんですよね。
なのでこれは僕の気持ちの問題になるのだけど、そういうことができるって自信を持てる環境を感じられたらどんどん挑戦していきたいですね。
そして、僕がこれから短歌を続けるにあたって、そういう環境を探すことに本気になれそうだなっていう心の準備ができているんですね。
一緒に楽しいことをやってみませんか。なんてね。


ともかくさしあたっては、角川短歌賞への応募作を作らないと。
まだ30首しか揃っていないんだから。
今日は1首も出来なかったしなあ。

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