無料公開【Be Winning Horseplayer】おわりに Be Winning Horseplayer!
心から競馬が大好きだから
この「おわりに」を書くにあたって、自分自身で「はじめに」から「第1章」「第2章」「第3章」「第4章」「第5章」と、一通り目を通してみました。
そして、目を通して思ったのは、自分で言うのも何なんですが、
「よくぞここまで書いたな、オレ」
です。
今、イキナリこのパソコンが壊れて、ハードディスクが壊れて、このファイルが全て無くなってしまったとして、再びもう一度、「はじめに」から書き直せと言われたら、これと同じ内容を書く自信はないです。
「第1章」の最後にも書いたことですが、僕には才能なんか全くなくて、小・中学校の成績は、それこそオール「3」という、本当に普通の人間です。
そんな僕が、この「Be Winning Horseplayer」を書き上げることができたということを自分なりに考えてみると、
僕は競馬が好きだから、心から競馬が大好きだから
なんだと思います。
競馬ファンを増やすためのアイディア
昨今、競馬の売り上げが下がっているということが言われていますが、そもそも、競馬をする人(競馬ファン)自体が減ってきているということを、僕自身もすごく感じます。
ただ、競馬をする人を増やすこと、新規の競馬ファンを増やすことに関して、直接的に僕に何かできるのかと考えたら、残念ながら僕にそんな力はありません。
とは言っても、もちろん僕なりのアイディアはあります。
グリーンチャンネル関連で言えば、競馬開催日当日だけでもグリーンチャンネルは無料で放送した方がいいんじゃないかと思うし、また、グリーンチャンネルでは、競馬ファンのみならず、競馬を知らない方々にもぜひ観てもらいたい素晴らしい番組が作られて放送されていますが、そういう番組を地上波で放送してもいいんじゃないかと思います。
例えば、この「Be Winning Horseplayer」を書いている真っ只中(2013~2014年)に、グリーンチャンネルでは、「ターフからの贈り物」という素晴らしい番組が放送されています。
白熱のレースに隠された感動のドラマや驚くべき真実、心温まるエピソードをお届けする「ターフからの贈り物」
まさに、この「おわりに」を書いている今日のことですが、ビデオに録画しておいた「ターフからの贈り物」を観ました。観たのは、競走馬として、そして母として、僕も大好きだった「エアグルーヴ」です。
エアグルーヴは、2013年4月にキングカメハメハの牡馬を出産した直後に、体腔内出血(内臓出血)が原因でこの世を去ったというのは、熱心な競馬ファンの方ならご存知だと思いますが、番組の最後に、エアグルーヴの知られざる最期について、笹田調教師(元エアグルーヴ担当調教助手)のインタビューが紹介されました。
エアグルーヴは、難産の末に最後の仔を産み落とした時点で、すでに子宮は破裂していました。そんな瀕死の状態にも関わらず、子供に免疫を付けさせるために力を振り絞って立ち上がり、子供に初乳を飲ませた後、力尽きたそうです。
番組のサブタイトルにもなっていますが、隠された感動のドラマや驚くべき真実、心温まるエピソードをお届けしているこんな素晴らしい番組が、グリーンチャンネルを契約しているほんの僅かな人しか観ることができないというのは、僕は本当に勿体無いというか、残念に思います。
こういう番組は、JRAがスポンサーになっている地上波の番組、もしくは、NHKで放送して、まだ競馬を知らない人、それほど競馬に興味がない人たちに観てもらって、競馬っていうのは、ただのギャンブルじゃないということを、競馬にはもっと深い部分があるということを伝えて欲しいと思いますし、伝えるべきだと僕は思います。
また、このような番組を放送することで、一度は競馬を離れてしまった競馬ファンも戻ってきてくれるんじゃないかと思いますし。
空想ではなく、実際に僕にできること
ただ、これはあくまでアイディアであって、僕にはこれを実現することはできません。あくまでもイチ競馬ファンとしての僕の個人的なアイディアであって、これを実現させる力は、僕にはありません。
じゃあ、アイディアだけに留まらずに、実際に僕ができることは何だろうと考えたら、それは、
すでに競馬ファンの方を、熱心な競馬ファンの方を、これからも競馬ファンで居続けるようにすること
これなら、僕にもできるんじゃないかと思いました。
もちろん、僕の影響力は非常に小さなものでしかありませんが、小さくても、僕個人で実際にやれることです。
新規の競馬ファンを開拓するような大それたことは僕にはできないけど、今、すでに競馬ファンで競馬が大好きな人を、これからもずーっと競馬ファンで居続けてもらうためのお手伝いなら、僕にもできるんじゃないかと思いました。
こんな想いから、この「Be Winning Horseplayer」を書きました。
「競馬勝利者」と「馬券勝利者」
「Horseplayer」は「競馬ファン」と訳されることが多く、それに関して僕は何ら否定しません。
そして、「Winning Horseplayer」は「競馬勝利者」と訳されますが、これに関しても、何を勝利者と定義するかは人それぞれだと思いますが、「競馬勝利者」と訳すこと自体、僕は何ら否定しません。
ただ、人によっては「Winning Horseplayer」を「馬券勝利者」と訳す人もいるようですが、これに関しては、僕はちょっと違和感があります。
なぜなら、競馬ファンにとっての競馬は、馬券だけではないと思うからです。
もし、「競馬をする=馬券を買う」と思っているなら「馬券勝利者」で良いと思います。しかし、競馬ファンのほとんどは、「競馬をする=馬券を買う」だけではありません。
「競馬をする」ということは、「馬券を買う」以外にも、例えば、
仲間と一緒に競馬場に出掛け、道中でも競馬談義に花を咲かせて盛り上がる。
パドックでサラブレットの美しさに魅了され、時に圧倒される。
レースを見て興奮し、ゴール前で叫び、時に涙する。
これらも「競馬をする」ことの一部です。
また、この他にも、例えば、
週末が来るのがとっても楽しみで、その中でも、G1レースが行われる4~6月,10~12月は特に楽しみ。小学生の頃の遠足の前夜のように、お目当てのG1前夜は興奮して眠れないことさえある。それが、G1レースが行われる日に競馬場に行くのなら尚の事。
学生の頃は何かと理由をつけて授業をサボり、また、会社に入ってからも、前日の夜に飲み過ぎて朝起きるのが辛いという理由だけで、フレックスを使ったり有給休暇を取ったりするのに、こと競馬になると、真冬の朝4時に起きて競馬場の席取りに並ぶほどの頑張り屋さんになれる。
土日でも休日出勤で仕事の時,家族サービスでお出かけする時,彼氏(彼女)とのデートの時など、競馬がしたくてもできない時は、前日の晩にシッカリ予想をして、当日の朝に事前に馬券を買ってから出掛ける。買い物に付き合わされた時は、お目当てのレースが行われる時間を見計らって、家電量販店に入ってテレビコーナーに行き、チャンネルを競馬中継にセットして、最先端の大画面テレビで競馬をライヴ観戦したりもする。もちろん、周りにも同士である競馬ファンが集まってきて、時には「行けっ!」「差せっ!」「ユタカ~!」など、まるで競馬場に居るかのような専門用語が家電量販店に響き渡る時もある。
これらも「競馬をする」ことの一部です。
このように、競馬ファンにとっては「競馬をする=馬券を買う」というだけではありません。なので、「Winning Horseplayer」を「馬券勝利者」と訳すのは、僕は正しくないと思います。
本当に、単にお金儲けをしたいから競馬をするんですか?
僕には、忘れられない馬が居ます。
その馬について、以前メールマガジンで次のように書きました。少し長いですが、その全文を転載して紹介させてください。
2013年の宝塚記念にオルフェーヴルが鼻出血で出走を回避した時、僕はメールマガジンで次のように書きました。
「Winning Horseplayer」を「馬券勝利者」と訳す人は、競馬をお金儲けとしか思っていないんじゃないかと思います。
しかし、僕は声を大にして言いたい。
競馬は、
お金儲けだけじゃない!
競馬がお金儲けだけだとしたら、競馬場でパドックやレースを見てサラブレットに魅了されて、はるばる北海道の牧場まで引退した大好きだった馬に会いに行ったりはしないでしょう。
競馬がお金儲けだけだとしたら、馬券が買えない凱旋門賞に出走する日本馬を、夜遅くに近所迷惑にも関わらず大声を出して応援することはしないでしょう。
競馬がお金儲けだけだとしたら、落馬でケガをして長らくお休みしていた騎手が復帰してきてパドックで馬に跨った時に、あれほどの歓声と拍手は起こらないでしょう。
競馬がお金儲けだけだとしたら、あの地鳴りのような「中野コール」や「オグリコール」は起こらないでしょう。
競馬がお金儲けだけだとしたら、競走中に故障をしてその場で命を落とさざるを得なくなった馬を見て、涙を流すことはないでしょう。
ただ単にお金儲けがしたいのであれば、働きに行けばいいんです。その方が、確実にお金を手にすることができます。わざわざ大きなリスクを犯してまで、競馬をする必要はありません。
競馬ファンのあるべき姿
僕らが競馬をするのは、馬券以外のところにも人それぞれ魅了されたところがあって、それで競馬が大好きになったのではないでしょうか?
しかし、大好きな競馬を継続するためには、最低限のお金は必要です。
予想をするための新聞代
ウインズや競馬場に行くための交通費や、インターネットを利用して馬券を買うための通信費
最低限の馬券資金
これらの必要最低限のお金に困っていてはいけません。友人や家族に迷惑を掛けてはいけません。家族を露頭に迷わせてはいけません。
競馬が大好きだからと言って、友人や家族に迷惑をかけてまで、競馬をすべきではありません。
そうならないために、僕ら競馬ファンは、
(1)適切な予想法
(2)適切な馬券の買い方
(3)適切なお金の賭け方
を知り、最低限必要なお金に困ることなく、決して友人や家族に迷惑を掛けることなく、大好きな競馬を長く楽しむことができなければなりません。
Be Winning Horseplayer
あなたには、あなたの人生があります。
誰かに引かれたレールの上を走るだけの操り人形みたいな人生なんてつまらないし、そもそも、そんな人生なんて楽しくないでしょう。
人生と同じく、あなたには、あなたの競馬があります。
誰かが作った何の面白みもない馬券術を忠実に真似して馬券を買うだけの競馬なんて楽しいですか?それが、あなたが理想としている競馬なんですか?あなたが望んでいる競馬なんですか?あなたが本当にしたい競馬なんですか?
僕がこの本を書くにあたってイメージした「Winning Horseplayer」は、
自分らしく
大好きな競馬を
楽しむことができる人
です。
競馬は、馬券で勝つことだけが全てではありません。
もちろん、馬券で勝てれば何よりですが、それ以前に、自分らしく大好きな競馬を楽しむことができた人こそが、真の「競馬勝利者」です。
2014年3月25日
発行者:菅田英治
ここから先は
Be Winning Horseplayer
noteで待望の復活!「競馬で勝ちたい!でも、何をどうすれば競馬で勝てるようになるのかが分からない」そんな本気で競馬勝利者を目指しているあ…
あなたから受け取った応援を力に変えてこれからも頑張ります!