原色じゃない恋。
テレビCMで、中学生のかわいい女の子が、照れながらラブレターを書いているのがあったのだけど、それを見ていたうちの奥さんが、遠くを見るような瞳で、こう言ったんだよね。
「あ、いいね、原色じゃない恋って」
原色じゃない恋・・・
つまり、”淡い恋”ってこと。
いいね、こういう表現って。
うちの奥さんはよく、何かの言葉を、平気で言い間違えたりする人なんだけど(特に急いでしゃべった時とか。今日も”ユニクロ”のことを”ユニトロ”って言ってたし。どんな美味しい寿司なんだ。)
でも時々、こういう光る言葉を言う時がある。
原色じゃない恋かぁ・・・
じゃあ、”原色の恋は?”って
ことになるんだろうけど
たぶん彼女に聞いたとしても
”変色の恋?”ってな感じで
聞き返されそうなのでやめておこう。
空はもう、いつしか秋に変わってる。
淡くなった雲が静かにただよっている。
それはたぶん、生まれたての恋に似ている。
最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一