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未来のミライの未来。

突然、うちの奥さんが「未来のミライ」を見に行くと言い出したので、付いて行きました。で、その感想です。(ネタばれなしです。ご安心を)

まず、山下達郎さんの歌がいいです。スキップしたくなるような歌です。(単に私がファンだというだけですが。)私は特に細田守監督のコアなファンというわけではありませんが、先日テレビでやってた「時をかける少女」はいいなぁと思った程度です。なので、正直な感想です。

恐らく見るターゲット層をかなり絞った映画だなぁと思いました。前半は甘えん坊のくんちゃんのわがままっぷりがとにかくひどい。(見ていてイライラしてしまうほど。笑)二人目の赤ちゃんに奮闘する若い夫婦の会話もかなりリアルで、似た30代くらいの夫婦の視聴者は思わず「あるある」を連発するんじゃないかと思いました。

私たち夫婦はもう、子供の手が離れたので懐かしいなぁ程度の感想でしたが、前半は少々退屈でした。たぶん、小さな子供と一緒ならまた、違っていたと思いますが。(完全に私たちはターゲット層から外れてました。)

でも、後半は面白かった。子供の不安な内面が見事に映像で表現されていたと思います。それとともに成長してゆく姿にも心、打たれました。

正確ではありませんが”過去の誰かが一生懸命に生きたから、それが未来の私たちに繋がっている”といったような言葉があって、個人的に、たぶん、これがこの映画のテーマだと思いました。本当にいいセリフと感動的なシーン。そうなんだよね、この世界は過去から未来に至るまで、みんなが繋がっている。誰か一人、欠けただけで、そこで終わってしまう。ひとりひとりがとても大切な存在。つくづくそう思いました。

終盤の未来的な駅のホームの映像が素晴らしかった。駅長?のロボット?がくんちゃんに問いかけるシーンもよかった。冷たいようでいて、どこかやさしい。こんな感じが個人的に、細田守監督の得意とするところじゃないかなぁと思いました。

結論として、この夏休み、若いファミリーが映画を楽しむのに最適な作品だと思います。小さなお子さんなんか、この映画を見て、少しはお片付けが出来るようになるかもしれません。旦那さんも少しは家事手伝いをするようになるかもしれません。(笑)

おすすめです。

最後に、映画の序盤、くんちゃんがはじめて赤ちゃん(妹の未来ちゃん)を見て、おかあさんが「くんちゃんの妹よ、どう?」と問いかけたとき、くんちゃんが”かわいい”とか”おサルさんみたい”といった言葉じゃなくて「不思議…」って言ったセリフがよかった。そこから不思議な世界が徐々に広がってゆくんだよね。なかなかスイッチのあるセリフだなぁと思いました。

細田守監督の次回作にも期待します。

最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一