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それでも今を生きてゆく【人生エッセイ】

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長年の接客業の経験から、また心理学から考えた生きること、人生についてのエッセイです。
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#悲しみ

いつかイチョウの木の下で。

秋の終わりの少し前のこと。近所にあったとてもきれいなイチョウの木を、彼女はほんのひととき…

青木詠一
5年前
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涙のおまじない。

目を閉じて 最初に頭に浮かんだ人の 名前を3回唱えてみる。 涙が一粒、こぼれそうな時に よく…

青木詠一
5年前
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幸せとともに歩く。

この頃、私が思うことは”幸せになりたい”と人は口にするけれど、人はどんなに願っても、幸せ…

青木詠一
5年前
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哀しみの道。

哀しみの道をひとり歩いていた。 気付けば僕はそこにいた。 気付けば僕は残されてた。 心は…

青木詠一
5年前
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オチコムさんと星降る夜。

オチコムさんがやってきました。 彼は私の友達で、時々思い出したようにやってきては「どうも…

青木詠一
5年前
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流れた命と忘れてはいけないもの

「奥様はいらっしゃいますか?」 そのとき私は、”あぁ、しまった!”と受話器を片手に心の中…

青木詠一
5年前
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乾いた涙

私には今、とても苦手な人がいる。 出来るだけ顔を合わせないようにと 日々の努力を重ねていて そんな自分がとても滑稽に思えてきて 痛みのような乾いた涙が はがれるように落ちてゆく。 その人が、昨夜の月明かりの中 私の目の前に現れた。 一瞬、心が凍った。 ”息が止まる”とは あんなことを言うのだろう。 私はただ、いつものように そこから逃げたいだけなのに 私の足は、まるで 悪魔に呪いをかけられたみたいに 身動きひとつ取れないで ただ、立ち尽くすばかりだった。 そのまわりが

ひとり上手

昔から、ひとりが好きだった。 幼い頃、小学校の頃、中学の頃、いつも私はひとりでいた。友達…

青木詠一
5年前
4

その自殺とその生きる意味と。

「わたし、かつて、自殺しようとしたことがあるんです」 エレベーターを待っているときに、ふ…

青木詠一
5年前
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なぜ生きるのか彼女は答える。

池田晶子氏の「あたりまえなことばかり」という本がある。いわゆるこれは哲学の本なのですが、…

青木詠一
6年前
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小さな草

願わくば 私は小さな草でありたい。 何気なくそこにただいるだけの 名もなき小さな草でありた…

青木詠一
6年前
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