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エストニア視察体験記 〜取り残された日本への警鐘〜

5月11日から5月12日までエストニアの首都であるタリンを中心に視察をした。その模様をFacebookに随時上げていたが、noteではまとめサイトのような形で掲載していきたい。

1 タリン市役所

人口40万人のタリン市の市役所。申請窓口のある階には3人ほどしか職員がいない。離婚などを除きほとんどの行政手続がオンライン化。日本も未来はこうなるか?

午前10時に訪れていた市民は老夫婦一組のみ。インターネットを駆使できる若者は滅多に市役所に行くことはないそう。

1階で行政手続きを受け付けている

2 調剤薬局

薬局内にオンライン通話ブースがある。
ビデオ通話では、薬剤師に下記を質問できる。

・特定の薬を使用する
・医薬品やその他の医薬品の有効成分
・さまざまな薬の副作用の可能性
・薬局で販売されている製品の情報を入手する
期限切れの処方箋を更新できる

薬剤師だけでなく、医師のオンライン診療を薬局内で受けられる。

おそらく薬局内でオンライン診療を受け、デジタル処方箋を受け取り、すぐに同部屋内にある薬局で薬を受け取れる。

薬局の中にあるオンライン通話ブース


3 ピザ宅配ロボット

タリン市内でたまに見かけるピザ宅配ロボット。エストニアの出生率は1.58人(2020年)であり、少子化問題は日本と同じ。人口減少問題と向き合う。

実際、エストニアの人口は、1993年の150万人と比較して2023年は133万人と減少している。

信号が赤だと止まる


4 救急搬送

タリン市内は配車サービスが充実している。救急車を呼ばなくても、アプリで簡単に呼べる。

アプリで行き先を入力すれば、乗車してから運転手と会話することなく、下車できる。決済はクレジットカード決済だ。体調が悪く話す気になれなくても問題はない。

これは推測だが、よほど重症でない限りは救急車を呼ぶことなく、自家用車か配車サービスを使って医療機関にかかっているものと思われる。

基本はかかりつけのファミリードクターに診てもらうが、緊急時は直接救急病院へ。

肩を痛めた現地の日本人。病院にウォークイン受診したが、これは病院ではなく、ファミリードクターで診てもらえないかと突き返されることも。

西タリン中央病院(579床)


5 電子投票

インターネットによる電子投票により投票率が上がったとのこと。投票権を持っていても他の国に住んでいる人にとっては電子投票は貴重な機会に。

インターネット投票ができるのは、国政選挙、地方選挙、欧州議会選挙、国民投票の4つ(2019年現在、今は追加されているかも?)。

2019年の欧州議会選挙。インターネット投票は「期日前投票」の一つという位置づけで、​投票日10日前からの7日間、24時間対応で投票することができた。投票日に紙の投票があった場合は、インターネット投票は無効となり、紙の投票が優先される。

2019年5月の欧州議会選挙では、投票者の46.7%がインターネット投票を利用。2019年3月の国政選挙では、期日前投票の71.4%がインターネット投票で、海外143か国在住のエストニア市民がインターネット投票を利用した。

参考記事 

元大関の把瑠都さんと(今はエストニアの国会議員)


6 日本ではどうする?

把瑠都さん曰く「エストニアの国会議員には若い人がたくさんいるから、デジタル化もどんどん試しにやってみようとなる」と。

40歳以下の国会議員の割合(2023年2月現在)
日本 6.02%
エストニア 19.80%
コロンビア 41.47%(参考)

電子投票も薬局内のオンライン診療も日本で導入するには結局政治の力が必要ではないか?

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