完全テレワーク会計事務所の取り組み(後編)
前編では主にチャットワークなど連絡や会議ツールについて述べてきた。職員がテレワークをする上ではどれも欠かせなかった。
今回の後編では主にバックオフィスの事務職員が在宅勤務をする上で必要なサービスを紹介していく。
1 クラウド給与(給与計算)
(1)給与明細
クラウド給与にはいろいろな機能があり、まずは簡単な給与明細から。かつては紙の給与明細をコピー機で印刷し、各職員に渡していた。職員に届くまでには様々なリスクがある。コピー機が詰まる、給与明細を間違って渡してしまう、どこかに紛失してしまう等々。
これをWeb給与明細とすることにより、すべてのリスクを回避することができた。給与支給日となると明細が各職員にメールで通知が来る。
(2)給与振込
これは意外なサービスかもしれない。各職員の給与振込額が決まると、インターネットバンキングにアクセスし、それぞれ入力していた。20名程度の事務所でも1円でもミスは許されない。合計が合わなければその原因を分析する。かつては銀行への送信完了まで3時間ほどかかっていた(ダブルチェックもしていた)。
今は、クラウド給与と三井住友銀行のインターネットバンキングが自動連携しており、給与入力自体が不要となった。外部社労士が計算した給与振込額をそのまま三井住友銀行に「ワンクリック+FAX」することで終了する。
令和の時代になってもFAXを使っているのがイマイチであるが、インターネット上のFAX活用により出社することを回避している。
2 SmartHR(入退社管理)
入社時には新入社員には紙で雇用契約書、誓約書等を記入していただいていた。入社時の書類には個人情報が含まれており、他の職員にもれないようその管理に苦慮していた。SmartHR導入前はまず職員に紙で記入してもらい、それを社労士事務所や労務担当が給与計算ソフトなどに転記するという無駄が生じていた。
SmartHR(雇用契約書はクラウドサイン)により入社時の紙書類を完全ペーパレスにすることできた。
3 クライドサイン(電子契約)
1、2と異なりまだこれからなのが契約書の電子化。正直なところ、まだ大部分のクライアントは紙の契約書による契約を望んでおり、一部のクライアントと委託先と電子契約している。
電子契約にすると郵送の手間が軽減されるだけでなく、収入印紙を貼らなくても済むためお互いコスト削減になる。
電子契約には、タイムスタンプ機能があり、契約の法的有効性が担保されている。
4 fondesk(電話代行)
事務職員が出社しなければならない最大の理由は電話である。お客様から電話があった時に事務所に誰もいないのでは、お客様の不満につながる。
電話転送なども検討したが、最終的に電話代行を使うことにした。fondeskの最大の特徴は着信履歴がチャットワークにその都度チャットがくることである。電話メモが文字ベースで残るので、用件をふまえた上で折り返しの電話が可能である。
助かったのは一日に何件かくる営業電話の対応である。電話メモを確認することにより折り返しする必要かどうか判断することができる。これは所長である私自身の負担軽減につながっている。
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