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#4 バラナシ。聖なるガンガーとUberトゥクトゥク、そして。

アグラーから朝イチの特急でニューデリーに戻り、空路バラナシへ。35年ぶりに見た聖地は、ガンガーの悠久なる流れと、、、娘よ、父ちゃんにお酒をください。ビール小瓶でいいから。こんにちは、ツーさんことカスガイツトムです。会社員を長く務めています。ゆで卵が大好物です。

「ハロ〜ォ」過敏症。

旅も4日目に入りました。移動の度にトゥクトゥク運転手との交渉を余儀なくされ続けたわたくしたち親子は、インド人への「ハロ〜ォ」過敏症に陥ったようです。街を一歩歩けば、「ハロ〜ォッ」、「ハロ〜、ジャパニ〜」。ああ、もうウンザリです。「ハロー」と声をかけられて、ハッと振り返れば、硬そうな髪質のインド人青年がスマホで喋ってるだけだったり。(とりあえず、羨ましいわ、その毛髪量。)

そんな環境下で、よく当日の短時間乗り換え(市バスで迷ったりの勝手に危機一髪)でバラナシに来れたものだ。ツーさんは感慨深くバラナシ空港に降り立ちました。が、空港出口に目を凝らすと、いつも通り、眼光鋭い男たちがこちらを見つめて待ち構えています。「さあ〜て、またトゥクトゥク運転手との交渉でウンザリしてみるかな、ハハハ」。自虐的な負のループ思考に陥りそうになったその刹那、わたくしは思いついたのです。

Uberトゥクトゥク

ここはひとつ、Uberでも試してみるか。ヒンズーの聖地にシリコンバレーの技術は通用しているのだろうか。軽い気持ちでUberアプリを起動してみて、驚きましたよ、ほんと。何と、Uberでトゥクトゥクも指定できるのです。支払いに「現金」選択があるのもご当地インド風。タクシーに比べて3割ほど安い。目指すホテルまでの移動距離約1時間で、「454.45ルピー」と、相場感たっぷりのリアルな運賃が表示されている。これですよ!

Uberでトゥクトゥクが使えるなんて!(こちらは参考画面になります)

やってきた運転手は、贅肉ひとつない若者。髪型もイケてる。買ったばかりなのか、ピカピカのトゥクトゥクです。当然値段交渉らしきものはなく、すんなり乗車と相成りました。いやほんと、こうありたいね〜。

え、ダメなの?

ガンジス川を望むホテルに到着しました。街中は、バイクと車と牛と犬と立ち尽くしている老人と踊る若い女子集団とかで混ざり合い、カオス、混沌、昔と変わらぬバラナシでした。いまだに部屋の鍵がデカい南京錠なのもホッとします。

街のあちこちにガネーシャの祠が置かれています(自転車の横、赤色のところ)

手塚治虫の漫画に出てきそうな小柄な使用人に案内されて、ルーフトップから、聖なる川を眺めます。雄大、穏やかな川面を見ていると、娘よ、これがーーとかいう感情はもう出てきません。さて、ビールでも飲むかな。使用人に「まずはビールください」と注文します。と、フッと一瞬、彼の顔色が曇ったのをわたくしは見逃しませんでした。なんか悪いこと言ったかな? ビールね、ビール。

「ジツハ、、、」。使用人は申し訳なさそうに、「この地はアルコールや肉類は御法度なのです(あなた方、何しに来たの、この聖なる地へ。不勉強すぎますよ)」と説明するのでした。と、今度はタンパク質ダイエット中の娘が騒ぎ始めました。「え〜、わたしはタンドリーチキン食べたいんだけど、チキン、チキン! チキンが無いってわけ、この街は。どうして? 牛はいらないからチキンが食べたい」

わたくしはビールを我慢、娘はチキンを断念するこになりました

それでも諦めが悪いこの親子は、夕暮れのガンガーの街を歩いてまわりました。酒とチキンが本当にないのかを確かめるために。雑貨屋のオヤジさんには「ノー、ノー、(あるわけねーだろ)」と呆れられ、ありそうな(何が!)レストランでメニューを見せてもらい、肩を落とす。

バラナシ初日の夜は、水とダル(豆)カレー、野菜サラダ(生人参、きゅうり、玉葱のみ)、ビリヤニで済ませることになりました。
ちなみにレストランのメニューにこんな注意書きがありました。
Alcohol product are strictly band(アルコールの提供は固く禁じられております)

娘よ、これこそ俺のインドだ。

#4 了

データ:
・Hotel Temple On Ganges

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