11/16

第3波。手帳の予定に線が引かれていく。白紙には戻らない。ああ、また戻ってきてしまった。対策をしていても感染する人はいるし、自分もそのひとりになりうることを忘れてはいけない。都内に出掛けてみて感じたが、やはり田舎と都会では考え方のズレがあるように思う。田舎では最初のひとりになるリスクがあまりにも大きいが、都会では大勢の中のひとりになるだけだ。そりゃ考え方も行動も違ってくるだろう。田舎の同調圧力、東京ヘイト。気が狂いそうになるが邪険にもできない。難しい狭間にいるのが嫌になると予定に線を引いていく。平和なのか自分を殺しているのか。職場でお出掛けした話を大きな声で言えないのがもどかしいし、お土産を隠すように渡さなきゃいけないなんておかしな話だ。業種が業種なだけあって気をつけなければいけないとは思っているが、別に許してよそれくらいさ。とはいえ同調圧力に負けて今後都内に行く予定の大半を削った。予定通りに行くのは既にチケットを取ったものや、楽しみすぎて消せなかったものたち。楽しみはまだ残っている。これらを全力で楽しむほかないのだ。というわけでこれからの予定をより楽しくするために、追加の予定を組み込んでいく。今週末に行く初めての場所でワークショップを予約した。何らかのワークショップに参加してみたいという憧れはあったがなかなか実現せず、一緒に行く友人が同じような考えを持っていたのでせっかくだからと参加してみることにした。新しいことへのチャレンジっていつでもわくわくで楽しい。めちゃめちゃ朝早くても頑張れる。電車やバスを調べて準備万端、あとはその日まで無事に過ごすだけだ。近くにできた美味しそうなサラダをテイクアウトできるお店にも早い所行ってみたいところだが、今週末の予定が終わってからにしよう。楽しみを少し先に設置すると生活に潤いが出るような気がしている。以前なら気付かなかったところに気付いたりする。嫌だった日常も楽しめるようになってきた。家事のひとつである料理を趣味にできたことがとても大きいと思う。つられて洗濯も何となく好きになったし、掃除も少しずつ面白くなっている。嫌々やっていたことが何かのきっかけで好きになったりする。人間とは簡単に変わっていくものだ。近所にオープンしたお店をインスタで見つけて、予約したサラダをテイクアウトするという世界線に私がいるなんて。今日もなにもない一日だった。

(1000字)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?