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英語が話せない? ― あなたはどちらのタイプですか?

一口に「英語が話せない」といっても2タイプあります。
あなたはどちらのタイプですか?

1.学生時代から英語は苦手科目だった
2.テストの成績は悪くなかったのにいつまでたっても話せない

学生時代から英語が苦手

今回は、
1. 学校英語が苦手だった方への対処法です。

最初にお伝えしたいのは
学校英語ができなかったからといって、
断じて、頭が悪いとか、英語のセンスがないということではありません!!

「そんなの当たり前!」
とわかっていらっしゃる方もいる一方で、

学生時代に植え付けられた価値観の呪縛のせいで
コンプレックスに苦しんでいらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます(泣)

が、それはひとえに
ご自身のタイプに合う学びが提供されてこなかったからなのです。

8つの知能ーマルティプルインテリジェンス

人には8タイプあり、それぞれに、強い知能と弱い知能があり、それによって、得意な学び方が違うといわれています。
ハーバード大学のハワード・ガードナー教授によって提唱されました。
8つの知能とは以下になります。

① 対人的知能
② 論理・数学的知能
③ 博物学的知能
④ 視覚・空間的知能
⑤ 内省的知能
⑥ 言語・語学知能
⑦ 身体・運動感覚知能
⑧ 音楽・リズム知能

この「8つの知能理論」によると、
学校の勉強は
②と⑥へ偏りすぎであることが批判されています。

しかしながら、伝統的に
⑥言語・語学知能や 
②論理・数学的知能の学びが
得意で、優秀だった人が長じて先生となります。
その価値観が再生産される場が
学校だということになってしまいます。

つまり、学校英語では、先生が
②や⑥の学びが苦手な生徒の存在に気づいたとしても
自分も②⑥が得意。
そして、過去の②や⑥が得意な人が作ったカリキュラムが
代々伝えられてきているので、
それが正しい形として
すべての生徒に強いられる構図なのです。

結果、⑥以外の学び方を強味を持つ人が
苦手意識を感じることになりがちなのです。

人間に生来的に備わる「言語獲得装置」

人にはそもそも
生まれつき「言語獲得装置」が備わっているという考え方があります。
(Byチョムスキー)

例えば、ご両親が外国の方でも、日本で育てば日本語が話せますよね?
あなたも、もし、英語圏に生まれ育っていたら、
英語がペラペラな自分になって当然だと思うことでしょう。

また、子どもへの観察から、
教えられたり出会ったはずがない単語や文法を
使いこなせることがわかっています。

そんなことが可能なのは、

誰もが ”文法のひな型になるような何か” を
生まれつき持っているからだ

と言う発想です。

でも、もし、そうだとすると、疑問がわきませんか?

自然に言葉を身につける力を
誰もが生まれつき持っているのであれば、
「どうして私たちは学校で何年も学んできたのに
未だに英語が話せないのだろう?」
と。

その答えを、私は以下のように考えています。

1.英語の習得方法の研究(第二言語習得論)がなされる前の
前時代的な教育方法が未だに続いているから。
(②や⑥では不十分。大量インプットや、身体トレーニングが必要)

2.本来、英語の習得を支援するはずの
学校英語の目的が
入試で高得点をとることへと
ズレてしまったから。
(②⑥に偏りすぎ)

今は、100年に一度ともいわれる教育改革の真っ最中なので
ずいぶん変わってきています。

が、今の大人世代が学生のころは、
「精神修練の意味しかない」と揶揄される文法訳読が課されたり
細かい文法知識を知ることが点数に結びつくために、
分析して暗記する学習が幅を利かせることになってしまったのだと思っています。

言語とは、暗記やドリル練習で身につくようなものではありません。

使える英語を身につける方法

8つの知能に照らし
自分に合った学びの環境が整えられれば
誰でも話せるようになります。

具体的にはどうすればいいのでしょうか?

考え方はとってもシンプル♪

英語ネイティブの子どもが
母語である英語を習得する過程を追体験することで実現します。

自分の中に、もう一人 
”英語年齢ゼロ歳~幼児の自分“ がいると想像してください。

その子を大切に育てるつもりで
その子が喜ぶこと、楽しいと感じることを
英語で行ってやればいいんです。

英語による理解可能な大量インプット、
これだけです。

楽しく、興味を引くことを英語で大量にがキーワード。
子どもに読み聞かせをするときに、
「はい、この単語の意味は?」
「え、知らないの?覚えなさい!」
なんて言わないですよね。

「今日から毎日1時間ドリルをやりなさい。」
「明日小テストをします。」
なんて、強制されて学ぶプロセスは不要です。

子育ての中での日本語習得と同じです。
その子が喜ぶことや、関心があることを与えて
まちがえても、間違いの指摘ではなく、
何を言いたかったのか理解しようと努め、
励ましつつ一緒に会話を楽しめば
いつか話せるようになれると周囲の大人は知っていますよね?

あなたも自分の中の英語年齢ゼロ歳の赤ちゃんの可能性を信じて
お花に毎日水やりをする感覚で
理解可能な英語をたっぷり与え続けてください。
(毎日の多聴多読)

子育て時、親は子供に
挿絵や画像で意味が分かる絵本や動画を与えたり
わからない時は、易しく言い換えてやったたり、繰り返し同じ言葉を使ったり。

そのうち、状況と言葉がつながって、
コチラが言うことは大体理解できるようになっていきますよね。
2年ほどかけてインプットが十分にたまると
コップの水があふれだすように子どもは話し始めます。

まさに、あのプロセスが
あなたの英語にも必要なんです。

貧しい国のストリートチルドレンが、
母語ではない英語を流暢にしゃべるのを見たり聞いたりしたことがありませんか?

学校に通えない彼らでも話せるのです。

私達が話せないのは、
基本のキである ”英語年齢の子ども時代” をないがしろにして、
いきなりアカデミックな学びを
「目」からおこなってきたからにすぎません。

すっぽり抜け落ちた子ども時代を、
「耳」から五感と感情をともなった学びで補ってやりましょう。

英語年齢が幼稚園生生レベルになれば、
専門用語は知らなくても
言いたいことは何でもいえるようになります。

そのレベルまで英語年齢が上がったら、
ようやくアカデミックな学びの準備が整います。

準1級がネイティブの小学生レベルだと聞いたことがある方もいると思います。

ですから、英検上位級に挑戦したり、
TOEICの学習も無理なくこなすことができるでしょう。

大人と子どもの学び方は違うなんて言う人もいますが
英語ネイティブの子どもによる母語(英語)の学びと、
外国人による英語の習得のプロセスには似たところが多いという研究結果もあります。

実際、
私の講座でもたくさんの方が、
子ども英語から英語を学びなおし
その成果を感じてくださっています。

そんな悠長なことは言ってられない!?

「TOEICでどうしても〇月〇日までに800点以上が必要なの!」と言う方もいらっしゃるでしょう。

対策のための勉強はもちろん有効ですし、必要でもあります。
が、対策で点数があがるのは、
もともとの英語年齢がその点数に見合っているからです。

「勉強しているのに、最近は伸びが鈍化し、
ここ1年くらいは足踏み状態・・・」と言う方は、
英語年齢と求められる点数との間に乖離がある証拠。

その状態で同じ学習法を続けても、
短期間でのブレイクスルーはのぞめません。

まずは、ご自身の英語年齢をあげるのが先決です。

英語年齢の成長は、
真剣に取り組めば、
実年齢の成長ほど時間はかかりません。

どれだけ大量に簡単な(理解可能な)英語をインプットできるかにかかっています。

英語年齢を十分に上げてから資格試験の勉強をするのが、
最短最速であり、もっともラクな方法です。