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授業のヒント

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今日から授業で使えるアイデアやSmall Talkの実践例を紹介しています。
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#外国語教育

小・中#16-2: “What do you do in your free time?” 「時間があるとき、何をしますか?」(後)

前回から、「時間があるとき、何をしますか?」に関連する表現を用いたやり取りを考えています。 英語で自己紹介に取り組むとき、“What’s your hobby?” 「趣味は何ですか?」という表現を覚えて言ったりすることがあります。 自分自身で “My hobby is reading books.” と言うのとは異なり、「趣味は何ですか?」とたずねられたときに、これまで趣味と明確に意識して続けてきたものがない場合もあるのではないでしょうか。 そして、“Well, I don

小・中#16-1: “What do you do in your free time?” 「時間があるとき、何をしますか?」(前)

「暇なとき、なにしてる?」 こうたずねるのは、時間があるときに相手がどのように過ごすのだろうと知りたくなった場合や、暇なときの過ごし方のヒントが欲しい場合などでしょうか。 "What do you do in your free time?" や "What do you like to do when you have time?" それぞれの返答となる "I read books in my free time." や "I like to read books whe

小・中#15-2: “What subject do you like?” 「好きな科目は何ですか?」(後)

前回は、「科目」というトピックについて、指導者のモデル発話に続く「児童への最初の問いかけ」について考えました。 実際の授業でもよく使われる “How about you?” というフレーズでは、特に直前の指導者の発話が長い場合など、児童が何についてたずねられているのか分からないことがあります。 “How about you?” は「あなたはどうですか?」と問いかける時に便利なフレーズである一方で、状況によって具体的な問いを添えるなどの配慮が必要であることに触れました。 今

小・中#15-1: “What subject do you like?” 「好きな科目は何ですか?」(前)

時間割は学校に通う児童生徒であれば、一日に何度も目にするもの。「次は何の時間かな」と、何度もそこに書かれている科目名を見て、次第に暗記してしまったりします。好きな科目のある曜日は心がウキウキしたり、逆に苦手な科目のある曜日はドンヨリしたり・・・。科目の好き嫌いが、曜日の好き嫌いに影響することもあったり・・・。 今回は、その「科目」についてのやり取りを考えます。 いつものように指導者が、既習の表現をうまく盛り込みながら、科目について自分の思いや考えを語ります。 T: Lo

小・中#13-1: It’s “Save the Koala Day!” 「コアラの日です」(前)

小学校高学年では、今年度から教科になった「外国語」の学習を通して、児童は600~700語の英単語に触れることになっています。 まだ英語学習が始まって間もない時期に、こんなにたくさんの単語をどうやって導入するのだろう・・・と心配される方がおられるかもしれません。ですが、英語学習を始めた直後は、目の前にある「もの」を英語で表せることが楽しくてたまらない段階。そして、小学校高学年特有の興味・関心に沿って、児童には「英語で何と言うのか知りたいもの」がたくさんあるのです。 中学校英

小・中#12-2: What time is it? 「今何時ですか」(後)

前回から “What time is it?” 「時間を尋ねる」をテーマにSmall Talk の展開を考えています。 「時間を尋ねる」言い方として “What time is it?” という表現を導入する時には、「まとまりのある表現」に音声で慣れ親しみ、それを単語ごとに区切って構造を細かく気にすることなく、とにかくそのまま言ってみることを大切にします。すなわち「音のまとまり」として真似て発音しながら、いつのまにか自分で言えるようになっている。授業はじめに毎回、指導者が児

小・中#12-1: what time is it? 「今何時ですか」(前)

携帯、スマホ世代では、腕時計を持ち歩かない人々が増えてきたという話を聞きます。その中で、「今何時~?」と叫ぶことも、あまりなくなっているのかなと改めて気づく・・・今回はこの「時間を尋ねる」というテーマを扱います。 What time is it?これは毎回の授業のはじめに、ウォームアップも兼ねたやり取りの中で、指導者から児童に投げかけられることが多い「疑問文」です。例えば2時間目が午前10時35分からだとすれば、ほぼ毎回 T: What time is it? Ss:

小・中#11-2: It's hot today.「今日は暑いですね」(後)

前回から、“It’s hot today!” (今日は暑いですね)と指導者が発したことばから、Small Talk の展開を考えています。継続的に行う言語活動だからこそ、「今日はここがポイントだな」という、考えをまとめる視点を工夫することを大切にします。 キーワードが “hot” であれば、“Do you like hot weather?” と好き嫌いを児童に尋ねていくと、「暑さが得意or苦手」の二者択一で話が進んでしまいがちです。そこで前回は、指導者のモデルを次のように

小・中#11-1: It's hot today.「今日は暑いですね」(前)

7月になりました。学校現場でも「新しい生活様式」の中で、様々に工夫を凝らした「学び」が継続されています。Small Talk も「ペアやグループワーク」の一部と認識されて実施しづらい活動と伺っています。 そのような中でも、本記事をお読み下さっている先生方に、ふと授業の中で「児童生徒に問いかけるヒント」、「児童とのやり取りのヒント」となることがあれば・・・と願いつつ、今回も Small Talk の展開例について考えます。 【言語活動の始め方について・・・】 日々の授業に、「

小・中#9-2: How many national holidays in June? 「6月には休日がいくつありますか?」(後)

前回は、ゴールデンウィークの連休明けから7月中旬にかけて「祝日がない」ことに児童の関心をひきつけながら、月の日数や "red-letter" day の数の観点から、特定の月を比べながら「やり取り」を発展させました。3月と11月では日数だけでなく、祝日の数も異なることに気づかせ、それぞれの祝日を英語で聞いたり、言ってみたりしました。 今回はその続きから始めます。もちろん最初の指導者の問いかけを "Look. This is the calendar for Novembe

小・中#9-1: How many national holidays in June? 「6月には休日がいくつありますか?」(前)

例年ゴールデンウィークの連休が終わると、カレンダーを見たくなくなること、ありませんか? 連休明けから7月の「海の日」(7月第3月曜日ですが、2020年は7月23日に移されましたね)まで、祝日がありません。10週間以上、カレンダーの月曜日から金曜日の間に赤い数字が見つからない・・・。 今回は「祝日」の数や月ごとの日数をトピックに、数を尋ねる表現などを使って Small Talk を展開してみたいと思います。 【展開例1】 《基本的な語句を確認》 T: Look! T

小・中#8-2: Guess what? 「当ててみて」(後)

前回は、学校再開後の英語の授業で「児童生徒同士で向き合ってやり取りする」活動を行いづらいという状況がある中で、  ● 指導者と児童生徒のやり取りを大切にすること  ● そのやり取りを他の児童生徒にしっかりと聞かせること  ● 横向きに並んで座っていても扱いやすそうな活動を行うこと などの条件を考慮しながら「Guess what?(当ててみて)」というテーマでお話をしました。 特に前回考えてみた「やり取り」は、  ● What do you have in your pen

小・中#8-1: Guess what? 「当ててみて」(前)

It never rains but it pours. / When it rains, it pours. 全国的に梅雨入りし、ことわざとしての意味合い(良いことでも、悪いことでも、何かが起これば続けて起こる)ではなく、文字通りの「降れば土砂降り」のような天気が続いていますね。 6月も半ばとなり、臨時休校明けの多くの小・中学校で英語の授業が始まったと伺っています。ただ、「児童生徒が向き合わないようにしている」、「英語の歌はやめている」、「教室を動き回って対話することはし

小・中#6-2:【今回はちょっと理論編】Small Talk における指導者のフィードバック (後)

児童生徒が、「既習の語句や表現を最大限に活用しながら、英語で対話を続けられるようになる」ために行われる言語活動としての Small Talk。前回から、この活動において指導者が果たすべき役割について考えています。 「対話の参加者としてのモデル」である指導者は、「対話を始め」たり、相手が話した語や文を繰り返して自身の「理解を確認」したり、相手に「感想を述べ」て自身が理解していることを伝えたり、聞き取れなかった場合は「確認」したり、対話の内容を詳細にするために「質問を続け」たり