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英語の発音、聞くだけでは聞こえない?

10歳以降に母語が完成してから、英語を習い始めた場合、
私なんかはもろにそうなんですが、文字からの先入観が強すぎて、英語を音でとらえることが難しいです。

だから、英語の発音を聞くだけでは聞こえないんです。

大人になると、日本語の音が邪魔して、聞こえてこないし、直そうとしても、なかなか直らない。

大人の読者の皆さん、心の中で、ちょっとだけお手上げ感覚持ってませんか?

だからって、そのままにしてて本当にいいですか?

私のスクールでもたくさんの生徒さんが、「英後の発音を良くしたいです!」って話してくれます。

では、どうやって勉強してますか?と聞いたら、

単語帳を使って単語を覚えたり、単語を調べても意味だけ調べて終わり。
そもそも意味だけ調べて、発音のことなんて調べなかったり。

調べても、音を聞いて、あ、そうなのね、で終わってる。発音記号を書き写すこともしていない。

リスニングたくさんしてます、っていう方もいます。中には、シャドーイングをしている方も。

シャドーイングは英語学習には、すごく良いトレーニング方法ですが、発音を根本的に直したいのなら、もう一工夫が必要です。

大人になって発音を直すには、日本語の音の中で英語の音を聞き分けてしまう「先入観」から脱出しないといけないです。

ふつうに学校で英語をやった人は、小3からのローマ字と、学校英語でみっちりとしっかりと刻み込んだ(苦笑)日本語英語の音の悪癖があります。

間違ったことを覚え込んでしまってるから、まずは「めり込んだマイナスの地点」からはい出さなきゃいけない(-_-;)

かなり大変ですが、大人になって今さらもう無理かっていうと、全然そんなことはないです。

「小さい頃から英語やってなかったから」って言い訳しても、仕方ない・人生は一回きり!

だから、大人になっても、いくつになっても、なりたい自分になるための挑戦をするしかないですよね。

大人になってからの発音矯正は強敵です。子供のころのように、英語をたくさん聞いて、シャドーイングしてマネするだけでは直りません。

だから戦略立てて対策しなきゃいけないです。

大人が英語を直したいときにするべきこと

敢えて「大人」が英語を直す、としているのは、私の記事の読者さんには、自分で英語を勉強している人、自分の子供の英語教育のために情報収集している人、英語講師として小さい子に英語を教えている人など、いろんな方がいらっしゃるからです。

子どもの場合は年齢に応じて効果的な方法が異なります。
大人にとって効果的で効率的なことは、子どもにとっては100%無意味だったり、それこそ、理解を損ねてしまうという害があったりします。

ここでは、第二言語習得理論で科学的に正しいとされている学び方の中でも、私の学習者×バイリンガル子育てママ×英語指導者としての経験から、お勧めですよというう方法をお話ししています。

ということで、大人が発音を直したいなら最初にするべきことは、しっかりと正しい情報を得て、きっちりと練習することです。

これは、小さい頃から英語をやっている人でも、高校生くらいになったら一度見直して欲しいです。

完全バイリンガルレベルになっていない限り、発音が自我流になっているところがあるからです。


正しい情報を得るためにやってほしいことは3つです。

  1.  発音記号というものを理解すること

  2.  発音記号で表される音の作り方を知ること

  3.  音の変化の法則を知ること


まず、1と2。

発音記号の意味がわかっても、記号で表される正しい音の作り方がわかっていないと当然ながら役に立ちません。両方とつなぎ合わせて理解しないといけないです。

時々、発音記号は読めます!って言われるんだけど、記号に従って作る英語の音を間違って覚えている方がいるので、ここのポイントも入れてみました。

記号と音がわかったら、次は仕訳けをします。

例えば、appleのaの音が完璧にできるようになったら、辞書で調べた時に、同じ音の単語を仕分けて行けば、適当に日本語の「ア」で発音することがなくなります。

音の仕分けが難しくて、日本人が苦手な母音はoで表される音じゃないかな、と私は思っています。

例えば、Torontoには、oが3つありますが、日本語では「ト・ロ・ン・ト」と同じオの音で発音しますすが、英語ではこのoは3つとも違う音で発音されます。

Toronto /təˈrɑːn.t̬oʊ/

アポストロフィ’は、すぐ後ろのシラブル(音節)がいちばん強く発音されますよ、の印です。

母音がどこで作られるのかを表したチャートをご用意しましたので、ご覧ください。


母音チャートで音の作り方を確認!ポイントは、舌の位置と、口の開き具合。

日本ではあまり発音指導に使われることがないので、「初めてみたよ!」という方も多いと思います。

これは、人の口を左側から見た断面図だと思ってください。

右軸は舌の位置。

左軸が口の開け方。

日本語の母音がどの位置になるかも書き足しているので、ア、イ、ウ、エ、オの音と比較しながら、英語の音を確認していってくださいね。

では、このチャートを見ながら、さっそく"Toronto"の母音oの3つの音を確認していきましょう!

1番目はSchwa(シュワー)と呼ばれる弱母音”ə”

弱母音は、a,e,i,o,uのどの母音でもこの音になります。
例えば、
a, anは強調するときにはappleの a の音。
強調しない時には弱母音になりシュワーの音。

on は o に強勢を置く場合と置かない場合では発音が変わります。
強勢が置かれるとTorontoの二番目の o の音になり、強勢がなくなると弱母音のシュワーになります。 

2番目は octopus の o ”ɑ”

この o は hot, dog, lock, hospital, notの o の音ですね。
日本語のアの音と同じ音よりも、もう少し口の奥の方、ノドに近いところから声を出す感じです。
舌をもっとフラットにします。
(って、この表現は表で表した方がわかりやすいんですよねー)

orangeの o とは音が違います。
こちらは ˈɔːrɪndʒ となって、日本語のオの音にかなり近いです。
ホタルのホのオの部分の音がドンピシャです。

3番目は 二重母音”ou”

この音は、oのすぐ後に小さくuの音が入る二重母音と言われる音で、old , notebook, told, only, coke, soapなど、カタカナ語だとコーク、ノートブック、ソープ、オンリーなど、オだったり、オーだったりしますが、どちらもそのまま英語にすると不正解です。

このように、わかってる!と信じ切っている単語こそ、発音がかなりあいまいです。

なので、きちんと発音記号と、表される音の作り方を確認して仕訳整理をすることで、日本語の耳で聞くだけでは聞こえてこない音が、聞こえてくるようになります。

Tも別の音??

ところで、tも2つありますが、それぞれ別の音になるって知ってましたか?

二番目のtの下のマークは、前後の音に影響を受け、日本語のタ行とは全然違った発音になるよ、という印です。

実は、Tの音は5つもあるって、知ってましたか??

ちなみに、THやJの音とかじゃないですよ。Tの音が5つあるんです!

フォニックスだけじゃぁ、こんなことには気づけないんですよねー。
だから、子どもの時から英語をやっていても、高校くらいで発音を振り返るっていうことはすごく大事なんです。

ということで、次回は「5とのTの音」についてお話しますので、お楽しみ!


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