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2021.11.21 - 登山 : 奥高尾縦走路

今日はほぼ7ヶ月ぶりとなる登山を決行する。春先に久々の登山で膝を痛めてしまい、しばらく様子を見て快方に向かいつつあったのだが、7月に自宅を転居した際に家財の移動を頻繁に行った影響か、平地でも膝の違和感を覚えるくらいに状態が悪化。さすがにこれはまずいと思い、それからは通院治療をしながらタイミングを窺っていた。

11月に入り、まだ膝の状態は万全ではないのだが、一方で季節は紅葉シーズン真っ盛り。冬が訪れる前に一度は山に登っておきたい。そんなことをぼんやりと考えていたところ、ちょうどこの週末は日曜がぽっかりと暇で、天気も夕方までは良好。しかも週明けは悪天候が予想されており、翌週末以降は登山道が歩きづらくなることも考えられそうだ。これは今しかない。そう思い立ち、久々の登山準備を進めた次第である。

「復帰戦」の舞台を高尾にすることはずっと前から決めていた。ある程度登山道の勝手が分かっているし、何らかのトラブルが発生した際のエスケープルートも多いためだ。膝が万全な状態ならば陣馬山から高尾山まで縦走することも検討しただろうが、まだ万全ではないので、今回は小仏バス停から景信山まで登り、そこから小仏城山・高尾山を縦走して高尾山口まで下りてくるという、ベーシックなルートを選択。距離もそれほど長くなく、荷物もなるべく減らして膝に負担がかからないようにした。

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高尾駅から小仏までの路線バスは、週末日中帯は20分に1本の頻度でバスが出ており、時刻表を調べなくて良いのが気楽だ。高尾駅北口のバス停は登山客で長蛇の列となっているが、ハイシーズンなだけあって、バスも2台での運行。おかげで立ち客もほとんど出ず、快適な移動で小仏に到着。バスの転回場は一時的に賑やかになる。手洗いを済ませ、ストレッチなどの準備運動をしているうちに、バス客の中では自分が最後の出発となった。

小仏バス停から登山口までは15分ほど舗装された道路を歩く。かつての甲州街道(甲州道中)で、このまま直進すれば小仏峠に至る。中央自動車道の小仏トンネルの入口付近を脇に見ながら坂道を登っていくと、右側にひょっこりと景信山への登山道が出現。ここからが本格的な登りだ。ここからはトレッキングポールも使いながら登っていく。

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登山道の序盤は景信山の稜線に食らいつくようなコース取りで、一気に標高を稼いでいく形。ポピュラーなルートなのでコースを見失うようなことはないが、道はまあまあ険しく、さっそくの体力勝負だ。休憩の取れるような場所も少ないが、少しでもスペースに余裕のある場所で給水をしながら登っていく。気が付けば尾根に入ったようで、徐々に登りは緩やかに。道幅にも余裕が出てきて、歩きやすい登山道になった。

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途中で小下沢ルートの登山道と合流し、更に20分程度登ったところで景信山の山頂に到着。一気に東側の視界が開け、達成感を味わう。奥高尾ではこの景信山からの景色が一番好きだ。景信山頂は休憩用のベンチが多く、春先の平日に寄った時はガラガラでベンチも占有し放題だったが、さすが紅葉シーズンなだけあって大混雑。特に眺望の良い箇所のベンチは完全に埋まっていたので、密も回避しつつ、空いているベンチを選んで昼食。山頂付近はモミジの木が紅く色づいており、来て良かったと思える時間だった。

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昼食と休憩を終え、再びストレッチで身体をほぐしてから移動再開。ここからは奥高尾縦走路に入り、小仏峠を経由して小仏城山へ向かう。景信山から小仏峠への縦走路区間はやや勾配の厳しい下り箇所が多く、膝に不安を抱えている自分にとってはここがひとつの山場だ。幸いだったのは、人通りが多かったおかげで、ある程度ゆっくりとしたペースで歩けたこと。家族連れやお年寄りの団体登山客が多く、無理な追い越しを控えたため、膝に痛みも出ることなく小仏峠まで下りてくることができた。

小仏峠からは再び登り返すことになるが、景信山までの登りに比べればどうということはない。相変わらず登山客も多く、中には高尾山に登ったついでに足を延ばしてきたと思われるカジュアルな出で立ちの若者もいて少しばかり驚かされる。ほどなくして小仏城山の山頂に到着。景信山と同様、多くの登山客で混雑していたが、ここは紅葉は少なめだった。

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小仏城山から高尾山までの間は、一丁平の展望デッキや、もみじ台といった眺望スポットがいくつかあり、個人的にも好きな場所だが、今回はあくまでも「無事に帰る」ことが主目的であるため、まき道を使ってアップダウンを減らすルートを選択。やがて高尾山頂に至る分岐に差し掛かるが、ピークハントが主目的ではないし、なによりこの時期の高尾山頂はまともな登山装備の方が逆に浮くということは分かりきっているので(笑)、ここでも山頂を迂回する5号路を経由。更に高尾の登山ルートの中では比較的マイナーな3号路へ入って、薬王院付近の混雑も迂回。1号路からはやや標高の低い谷筋を歩く遠回りなルートではあるが、空いていて快適だった。

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薬王院に通じる山門から1号路に合流し、ここからは一般客(?)の人流に紛れながらの下山。ケーブルカーやエコーリフトはいずれも乗るだけで1時間は待たされそうなほどの混雑で、膝の痛みも特に出ていなかったため、悩むまでもなく徒歩での下山とする。ひたすら舗装路を歩くので、膝へのダメージがやや不安だったが、膝の治療やトレーニングの効果があったためか、特に問題なく下山することができた。高尾山口の駅に着いたのは16:30頃。空からはパラパラと雨粒が落ち始めていた。

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今回の最大の目的は「膝を痛めずに下山すること」だったので、それを果たすことができ、満足のいく登山だった。ここ数ヶ月の間、単なる治療だけでなく、食生活の見直しや、足腰の筋トレ・ストレッチ・マッサージを欠かさずに続け、当日はテーピングにトレッキングポールの活用など、膝を痛めないための対策を万全にして臨んだことが功を奏した。過去の経験から余分な荷物を減らして軽めの装備で臨んだのも良かったと思う。

登山・下山ルートも、多少の余力を残して戻ってこれる、ちょうど良いルート選択ができた。小仏バス停から景信山へのルートを使ったのは初めてだったが、序盤のややキツい登りをクリアしてしまえば比較的楽だったし、景信山からの縦走路も、勝手が分かっているので気楽だった。懸案の下りの歩きについても、膝にダメージが少ないよう足の裏全体で着地する歩き方を意識していたためか、「痛くなりそうで痛くならない」ギリギリのところで耐えられた気がする。

見ごろを迎えつつあった紅葉については、景信山の山頂付近や、小仏城山からの高尾山への登山道付近では綺麗だったが、それ以外は見頃まであと少しという感じ。膝の具合に気を遣いながらの登山だったため、100%景色を満喫する余裕はあまり無かったが、この季節の高尾に登るのは本当に久しぶりだったため、混雑ぶりも込みで楽しむことができた。

反省点を挙げるならば、体温調節しづらい服装で来てしまったことか。時期的にも寒くなることが予想されたため、多めに着込んで来たのだが、序盤の登りでかなり汗をかいてしまった。そこでインナーを1枚脱ぐなどの工夫ができれば良かったが、脱ぎにくいインナーばかり着ていたため、景信山登頂時は汗だくになってしまった。服装はもちろん、登りのペースをもう少し落とすなどの工夫が必要かもしれないと感じた。

帰宅後は湯船につかってマッサージをするなど、アフターケアを充分に行って回復に努めた。あまり頻繁に山へ行くと身体の負担も増えてしまうため、次回の登山機会は様子を見たいが、引き続き足腰のメンテナンスを欠かさずに続けてコンディションを維持したい。

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