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#99【コーヒー&シガレッツ】「映画紹介回!あの有名ミュージシャンも出演している作品について」

※この記事はPodcast番組「映画にみみったけ」内のエピソード#99にあたる内容を再編集したものです。

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【コーヒー&シガレッツについて】

 2003年公開(日本2005年公開)
 監督:ジム・ジャームッシュ

登場人物

 1.「変な出会い」
 ロベルト・ベニーニ
 スティーヴン・ライト
 
 2.「双子」
 ジョイ・リー
 サンキ・リー
 スティーヴ・ブシェミ
 
 3.「カリフォルニアのどこかで」
 イギー・ポップ
 トム・ウェイツ
 
 4.「それは命取り」
 ジョー・リガーノ
 ヴィニー・ヴェラ
 ヴィニー・ヴェラ・Jr
 
 5.「ルネ」
 ルネ・フレンチ
 E・J・ロドリゲス
 
 6.「問題なし」
 アレックス・デスカス
 イザック・ド・バンコレ
 
 7.「いとこ同士」
 ケイト・ブランシェット
 
 8.「ジャック、メグにテスラコイルを見せる」
 メグ・ホワイト
 ジャック・ホワイト
 
 9.「いとこ同士?」
 アルフレッド・モリーナ
 スティーヴ・クーガン
 
 10.「幻覚」
 GZA
 RZA
 ビル・マーレイ
 
 11.「シャンパン」
 ビル・ライス
 テイラー・ミード

あらすじ

 落ち着きなく煙草をふかしながらコーヒーを飲む男、ロベルト。
 彼のもとにもう一人の男スティーヴンが現れます。
 そのままとりとめのない会話をはじめる二人ですが、やがてスティーヴンは「歯医者の予約がある」と語ります。
 歯医者嫌いで通院をしぶるスティーブン。反面ロベルトは「僕は暇だ」といいます。
 それに対して「それじゃあ君が行くかい?」と返すスティーヴン。
 そしてロベルトは感謝の言葉を述べながら歯医者に向かうため去っていくのでした。
 11組の登場人物たちが、コーヒーと煙草をたしなみながらとりとめのない会話を続けます。

【はじめに】

 今回はいつもと違い映画紹介です。
 というのも次回が100回記念ということで企画を用意しているので、今回のタイトルは1回分しかできないので、逆に劇伴のない映画コーヒーアンドシガレッツをやろうということで、映画紹介をしようと思います。
 同じジム・ジャームッシュ監督作品のデッドマンか悩んだんですよ。
 ジム・ジャームッシュ監督作品は個人的に好きな作品が多いのですが、好きな作品に特殊なケースが多いというか、なかなかこのPodcastでは取り上げにくくて、今回いい機会だなということで、取り上げることにしました。
 このコーヒーアンドシガレッツという映画は少し変わった映画で、11作品のオムニバス形式で、これと言ってストーリーがあるわけではないのですが、僕は空気感がなんか好きなんですよね。
 コーヒーを飲んでタバコを吸って、話をするというなんということはないあの感じがいいですね。
 劇中BGMのようなものが遠くでなっているのが聴こえてはくるのですが、これと言って劇伴はありません。
 そんな劇伴のないコーヒーアンドシガレッツ、この映画は、俳優やミュージシャンが登場します。
 その役名は本人の名前の通りで出演しています。
 そして、ミュージシャンが意外と多いので、コーヒーアンドシガレッツに出演しているミュージシャンはどのような人か紹介していこうと思います。
 なぜこの人たちが?という考察もしていけたらいいかなと思います。

【ミュージシャンはどのような人か】

 まあとはいえやはり今回は映画紹介なので、気軽に聴いてください。
 まず、初めに登場するミュージシャンはイギー・ポップさんとトム・ウェイツさんです。
 3つめの作品「カリフォルニアのどこかで」に出演しています。
 この二人は世界的に有名なミュージシャンです。

イギー・ポップ&トム・ウェイツ

 まずはイギー・ポップさんから紹介していこうと思います。
 イギー・ポップさんは60年代から活動されていて、アメリカのロックバンド「ザ・ストゥージズ」のメンバーで、ソロミュージシャンとしても活動されています。
 ソロミュージシャンとしての活動の方が僕は馴染みがありますね。
 ステージでのパフォーマンスはとても過激で、パンクのゴッドファーザーとも呼ばれているほど、ステージパフォーマンスに優れています。
 僕はリードヴォーカルとして彼を認識していたのですが、意外とキャリアのスタートはドラムだったそうです。
 意外とそう言った経歴のミュージシャンは多いんですよね。
 山下達郎さんも元々はシュガーベイブというバンドでドラムのオーディションを受けていたり、フー・ファイターズというバンドのフロントマンであるデイヴ・グロールさんはニルヴァーナというバンドでドラムを担当していたり、意外とドラムからリードボーカルをやる流れって多いんですよね。
 そんなイギー・ポップさんともうひとりが、トム・ウェイツさんです。
 トムウェイツさんは、70年代から活動されているアメリカのシンガーソングライターです。
 酔いどれ詩人という異名がつくのが窺い知れる、しゃがれ声とピアノをユーモラスな歌詞にのせる音楽家です。
 50年代ブルースやジャズのリバイバルのような、そんな印象を受けるミュージシャンですね。
 私ごとですが、昔はよく聴いてたんですが、最近はめっきり聴いてなくて、久しぶりに聴き直したら、めちゃめちゃかっこよかったですね。
 とてもスモーキーで、どこか投げやりな感じなんですが、とてもポップな楽曲がとてもかっこいいです。
 さてそんなイギー・ポップさんとトム・ウェイツさんがなぜ一緒の回に出演しているか、それは謎なんですが、その謎さが魅力かもしれません。
 タイトルも「カリフォルニアのどこかで」というこれまた意味深な感じで、確かにトム・ウェイツさんはカリフォルニア出身だったと思いますが、イギー・ポップさんはカリフォルニア生まれではないですし。
 この二人に唯一共通点を見出すなら、ミュージシャンであることと、少し異端なタイプであるということです。
 そんな個性的な二人の会話を少しだけ抜粋すると、タバコはやめたって言って、お互いやめてなかったり、イギー・ポップさんがジュークボックスにお前の曲ないよってトム・ウェイツさんを煽ってみたり、その後トム・ウェイツさんがジュークボックスを確認すると、イギー・ポップさんの楽曲もなくてお前のもないじゃん、みたいなことを言います。
 なんかいい距離感の二人ですよね。
 さらに、ハワイアンミュージックが演奏されているのもいいですね。
 とても異質だけど、どこかリアリティがある「カリフォルニアのどこかで」。
 いい回ですね。

ザ・ホワイト・ストライプス

 つぎに8タイトル目の「ジャック、メグにテスラコイルを見せる」です。
 タイトルからしてすでに面白いですね。
 ジャックさんとメグさんは、ザホワイトストライプスというロックユニットで、世界的に大ヒットを収めたミュージシャンです。
 僕も大好きなバンドです。
 結成は1997年で、ガレージロックリバイバルとも呼ばれています。
 ガレージロックリバイバルというのは、60年代後半に起きた音楽ジャンルのガレージロックというジャンルのまさにリバイバルで、ザホワイトストライプスの場合は2000年代に起きたリバイバルムーブメントに属しています。
 そんなザホワイトストライプスですが、ジャックホワイトさんとメグホワイトさんからなるユニットなのですが、姉弟と言っていたのですが、実は夫婦でのちに離婚されていますが、活動はそのまま続けています。
 基本的にジャックホワイトさんはギターをメインに演奏しているんですが、シンセサイザーやらピアノやらマリンバやらも演奏できるマルチプレイヤーで、元ドラマーだったそうです。
 またドラマーからのフロントマンパターンですね。
 メグホワイトさんはドラムを担当されています。
 その演奏方法は至ってシンプルです。
 そんなザホワイトストライプスのお二人が、テスラコイルであれこれするというおもしろさですね。
 テスラコイルは僕も詳しくないので、簡単にですが、インターネッツから調べて内容をお伝えすると、高周波・高電圧を発生させる共振変圧器で、ニコラ・テスラによって考案されたものだそうです。
 ただ、これは劇中にジャックさんが言っているように楽器にも応用されています。
 ミュージックテスラコイルと呼ばれていて、テスラコイルを改造することで、スパーク出力を変調することで、なんやらかんやらで音が出るそうです。
 基本人間の可聴域を大幅に超えてしまっているようなので、それを認識可能な音程へと変換して使うみたいですね。
 ちょっと海外のサイトにしか説明がなかったし、使ったことないしで、正確な情報かわからないのでこの辺りにしておきます。
 劇中のセリフでは基本的には変圧器と言っていましたね。
 映画ではジャックさんがテスラコイルをメグさんにみせるのですが、途中で止まってしまいます。
 その後に興味なさそうにしてるメグさんの方が詳しいのがいいですね。
 ジャックさんはすごい自慢げに話をして、テスラコイルを起動してみせるんですが、なんかメグさんの方が詳しいという、関係性が面白いですね。
 ちなみにこの時に流れているBGMが先ほども登場したイギー・ポップさんが所属していたザ・ストゥージズが演奏されています。
 このあたりもセンス光るという感じなんでしょうか、これまたトータルいい感じの空気感です。
 特にザホワイトストライプスとしては、ジャックホワイトさんが評価されがちな中、メグさんがジャックさんに正しいことを言って、それに従うという構図はあまり目にしないので、そこが個人的には面白かったです。

ウータン・クラン

 最後に「幻覚」というタイトルに出てくる RZA(レザ)さんとGZA(ジザ)さんですね。
 一緒に出ているビル・マーレイさんは俳優さんですね。
 僕はゴーストバスターズに出演されていた記憶が一番鮮明です。
 レザさんとジザさんはウータン・クランというグループに所属していて、ウターンクランはヒップホップグループです。
 レザさんが一応リーダーという形をとっていて、楽曲のプロデュースもレザさんが行っています。
 劇伴もやられていて、キルビルやジムジャームッシュ監督作品のゴースト・ドッグでも音楽を担当されています。
 ジザさんはウータンクランの最年長で、70年代からヒップホップをされていたそうです。
 相当早いうちからやられていたんですね。
 そんな音楽家の二人とビル・マーレイさんが話をするのですが、話はレザさんが代替医学というものを学んでいるところから始まって、コーヒーは体に悪いから紅茶を飲んだり、タバコは体に毒だから吸わないとかって話をウータンクランの二人は話しています。
 そこにビル・マーレイさんが登場して、コーヒーを飲んでタバコを吸っては良くなさそうな咳をします。
 これもなんか逆のイメージですよね。
 なにがというわけではないのですが、ヒップホップにはどこかアンダーグラウンドなイメージがあって、体に悪いことをしていそうなイメージがあります。
 あくまでイメージです。
 そんな中、ビルマーレイさんとのやり取りで、ウータンクランの二人は明るく、健康的で、清潔感があります。
 その逆でビルマーレイさんは、デキャンタのままコーヒーを飲んだり、タバコを吸って咳をしたり、大きな音でうがいをしたりと、互いにいいギャップがあります。
 このギャップがとてもおもしろいですね。

【エンディング】

 ということで、3タイトルに登場していたミュージシャンの紹介をしました。
 他のタイトルもとても面白いので、休みの日の午前中に観るのがちょうどいい感じがしました。
 エンドロールではイギー・ポップさんのルイルイが演奏されていて、これがまたかっこいいですね。
 このルイルイという楽曲、ザキングスメンというガレージロックバンドの楽曲のカバーなんですよね。
 映像も全編モノクロで、ザホワイトストライプスやトム・ウェイツさんが出ていることから、全体的にリバイバルみたいな空気感があるのかもしれません。
 そういう意味では、イギー・ポップさんのルイルイがエンドロールで演奏されているのは、この楽曲しかないという感じがしますね。
 ということで、次回は100回記念放送ということで、ゲストを招いて色々と映画の話、音楽の話をしたいと思います。
 是非楽しみにしていてください。
 サブスクリプションもゲストへの質問を予定しています。
 
 そんなサブスクリプションでは過去の特別エピソードも聴き放題で初月無料、月額300円で聴くことができます。
 それと番組のフォローとXのフォローも励みになりますので、よろしくお願いいたします。
 あと映画にみみったけでは、お便りも募集しています。
 info@eiganimimittake.comにてお便りお待ちしております。
 やってほしい映画とか、この回が好きだったなど、どしどしお待ちしております。

 最後までお読みいただきありがとうございました。
 映画にみみったけ、放送時のパーソナリティはヨシダがお送りいたしました。
 podcastのエピソードは毎週日曜日に配信中ですので、そちらでもまたお会いいたしましょう。
 ではまた!

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