#76【アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー】ep.2「徹底的にヴィラン音楽させている作品」
※この記事はPodcast番組「映画にみみったけ」内のエピソード#76にあたる内容を再編集したものです。
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【アベンジャーズ / インフィニティ・ウォーについて】
2018年公開
監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
音楽:アラン・シルヴェストリ
登場人物
スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ:
アベンジャーズのビッグ3の一人で、リーダー的存在。
ヴィヴラニウム製のシールドを扱う。
トニー・スターク / アイアンマン:
ビッグ3の一人。大企業の社長で、発明家。
自身の開発したパワードスーツを着用して戦う。
ソー:
ビッグ3の一人で、北欧神話の雷神。
魔法の槌「ムジョルニア」を持つ。
ブルース・バナー / ハルク:
アベンジャーズのメンバーの科学者。
感情が昂ぶると緑の大男に変身する。
ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ:
アベンジャーズのメンバーで、元S.H.I.E.L.D.エージェント。
ハルクをなだめることができる数少ない存在。
ジェームズ・“ローディ”・ローズ / ウォーマシン:
トニーの親友兼相棒。
パワードスーツを身にまとい「ウォーマシン」として戦う。
サム・ウィルソン / ファルコン:
スティーブの親友兼相棒。
ウィングパックを使用して「ファルコン」として戦う。
ヴィジョン:
マインド・ストーンの力を得たJ.A.R.V.I.S.の姿。
ワンダと逃亡生活を送っていた。
ワンダ・マキシモフ / スカーレット・ウィッチ:
人体実験で生み出された強化人間。他人の精神を操る力を持つ。
ピーター・パーカー / スパイダーマン / アイアン・スパイダー:
クモに噛まれた影響でクモの特殊能力を得た高校生。
スティーヴン・ストレンジ / ドクター・ストレンジ:
元天才外科医の魔術師。
ティ・チャラ / ブラックパンサー:
ワカンダ王国の王。
ピーター・ジェイソン・クイル / スター・ロード:
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのリーダー。
ブラック・オーダー:
サノスの子を名乗る4人。
サノス:
全宇宙の生命体の半分を消し去り、均衡を保つことを画策する。
インフィニティ・ストーンを狙う。
【前回の振り返り】
前回はメインテーマの演奏されていたシーンをみてきました。
このような楽曲でしたね。
(演奏)
とにかくかっこよかったですね。
様々なキャラクターの登場としての演奏が多かったですね。
さらには登場の仕方として、王道のような使われ方が今作ではみられてとてもアツかったです。
【今回のヴィラン音楽】
今回のヴィラン音楽についてみていこうと思います。
今回もネタバレの要素がありますので、お聞きになる際はご注意ください。
さらに今回も前後半に分けての配信になります。
というわけで今回のヴィランはサノスです。
前回も話にでたブラックオーダーであったりレッドスカルもヴィランですね。
というわけで今回はどのようなヴィラン音楽が演奏されていたかをみていこうと思います。
まずはこのシーンです。
4:58
映画冒頭のサノス対ハルクのシーンです。
ここでは低音の金管楽器が演奏されています。
この低音が今回のヴィラン音楽では非常によく登場しています。
ヴィラン音楽といえばスターウォーズのダースベイダーのテーマだったり、スパイダーマンのドクターオクトパスのテーマのように、決まったライトモチーフがある場合と、マッドマックスのヴィランのようにギターが演奏されるなどの、決まったフレーズやメロディではなく何かがトリガーになってヴィランを想起させるパターンがあります。
今回はその両方の要素を持っています。
その使い分けを今回みていこうと思います。
前半では使われているフレーズはどのようなシーンなのか、後半ではどのような低音なのかをみていきます。
ヴィラン音楽 ライトモチーフ1
まずはライトモチーフになりうるシーンをみていきます。
冒頭
0:00
から演奏される楽曲です。
アップルミュージック アベンジャーズ/インフィニティーウォー オリジナルサウンドトラック デラックス 2曲目に収録されている「Travel Delays」という楽曲です。
この楽曲が演奏されるのは冒頭のシーン、アスガルドの宇宙船が襲撃されるシーンです。
この時冒頭にこのようなモチーフが演奏されます。
(演奏)
このモチーフがサノスの登場時に演奏されます。
ヴィラン音楽 ライトモチーフ2
51:22
ガーディアンズがリアリティストーンを回収しにいき、サノスと対面した際本物のサノスが登場するシーンです。
ここでも同じモチーフが演奏されています。
いわゆるヴィラン登場といったシーンでの演奏ですね。
本物のサノスが登場した時に演奏されています。
このシーンの初めに登場した時のサノスは偽物なので、登場時にはモチーフが演奏されていないということになります。
こういった細かい演出もさすがですね。
ヴィラン音楽 ライトモチーフ3
次に
1:46:00
サノスがアイアンマン達のいるタイタンに登場した時のシーンです。
やはりライトモチーフとしての使われ方ですね。
そして登場した後はネガティブなバラードが演奏されます。
このシーンではすぐに戦闘にはならず、ドクターストレンジとサノスの思想のような話を展開しています。
サノスはただ虐殺をしているわけではないという話ですね。
この内容の会話は映画内にもちょくちょく登場します。
ヴィランとしての意味のようなものですね。
ガモーラさんを犠牲にソウルストーンを手にした一件もそうですが、サノスにはどこか悲しげな要素というのが取り入れられています。
なので、サノスのシーンではネガティブなバラードの要素というのを常に持っていますね。
話の中からサノスはヒーロー達と対立構図にあって、どこかニヒリズム的な考え方を持っているようですね。
そのサノスの思想や取り巻く出来事を悲しく描いているんですね。
ガモーラさんとのソウルストーンの一件でもやはりネガティブなバラードが演奏されています。
ただ純粋な悪として登場するヴィランというわけではなく、どこか性格や取り巻く環境に影を落とすことで、とても魅力的なキャラクターになりますよね。
このネガティブなバラードがサノスというキャラクターの魅力をプラスしていることになります。
これらはサノスが登場した時のシーンです。
他にもサノスの登場するシーンはあるのですが、演奏されているシーンはすべて敵対するサノスが登場するシーンです。
ヴィラン的な行動でヴィランとしての登場が演奏の動機ですね。
先ほどもネガティブなバラードが演奏されているという話もある意味でサノスのモチーフとして使われていることになりますね。
キャラクターのバックボーンや性格などが、そのキャラクターの楽曲になるので、これは聴きどころですね。
ヴィラン音楽 低音1
ライトモチーフはここまでで、ここからはヴィランの低音です。
ヴィランの登場時に使われる低音は決まったモチーフがあるというわけではなく、低音であることがヴィランのライトモチーフの働きをしていることになります。
そもそもサノスのテーマのような使われ方がされていたあのフレーズも低音によって構成されています。
なので、
0:00
冒頭サノスに襲われたあのシーンでも低音が使われているため、ヴィランの低音と呼べます。
これは前半でやったので、次をみていきます。
ヴィラン音楽 低音2
19:22
ブラックオーダーのエボニー・マウとカル・オブシディアンが登場するシーンです。
この登場する時に低音の金管楽器が演奏されています。
これはあくまで登場の時のみの演奏ですね。
そういう意味でもライトモチーフとしての使い方がされていますね。
これはヴィランとヒーローの完全な書き分けですね。
ヴィラン音楽 低音3
次に
38:01
ヴィジョンさんとワンダさんの元にブラックオーダーのコーヴァス・グレイヴとプロキシマ・ミッドナイトが不意打ちをするシーンです。
この時はそこまで低いわけではないですが、その代わりにクラスター(不協和音)の金管楽器が演奏されています。
ここもワンダさんが反撃をした時にアクション音楽へと変わっています。
このシーンはあくまで不意打ちとしての登場で、次のシーンでしっかり登場します。
ヴィラン音楽 低音4
40:13
一度は離れたブラックオーダーですが、また登場したシーンです。
この時はティンパニーの低音と金管楽器の低音が演奏されています。
やはり低音ですね。
ということは2度目の登場という演出ではなく、このシーンが登場シーンということになりますね。
今までは登場シーンですが、次はヴィランらしい行動が演奏の動機のシーンです。
ヴィラン音楽 低音5
1:01:45
エボニー・マウによってドクター・ストレンジが拷問を受けているシーンです。
このシーンは登場時には恐ろしいホラー音楽のような演出がされているのですが、いざ拷問がスタートしたら低音のストリングス、恐らくはコントラバス(ダブルベース)ですね。
コントラバスが演奏されます。
しかしこのシーンではすぐにアイアンマン達が到着するので、この低音もほんの1フレーズの演奏で終わります。
ヴィラン音楽 低音6
次は
1:05:16
サノスとガモーラさんのいる船につくシーンです。
この船はサノスの船のためそれが演奏の動機ですね。
単純にヴィランの拠点となるため、低音のフレーズが演奏されています。
やはりここまでみてきて非常に明快に低音で書いていますね。
ヴィラン音楽やホラー音楽など、恐ろしい時の音は低音でかかれることが多いことは多いですが、もちろん多いだけで、そうじゃない楽曲もたくさんあります。
それを今作では非常に明確にヴィランであることを書き分けています。
これは登場人物が多いことと、次回作への布石ととれそうですね。
次回作ではさらに登場人物が出てくるのでという意味ですね。
ヴィラン音楽 低音7
それでは次です。
1:08:32
ネヴュラさんがサノスに捕えられているシーンです。
ネヴュラさんはガモーラさんの妹なので、これは何てことをするんだというヴィランらしい行動が演奏動機になっています。
ヴィラン音楽 低音8
次に
1:25:32
レッドスカルの登場シーンです。
レッドスカルはキャプテン・アメリカ/ファーストアベンジャーのメインヴィランとして登場したヴィランです。
キャプテン・アメリカの映画ではコズミック・キューブの力で吹き飛ばされたので、こんなところにいたんですね。
この時の演奏はほんの一瞬、顔が見えてきた時に演奏されています。
低音の金管楽器ですね。
やはり明確にヴィランに対してライトモチーフのように使われていますね。
ちょっとあまりにも多いので、次で最後です。
ヴィラン音楽 低音9
2:04:59
サノスが最後のストーンを取りに地球にくるシーンです。
ここでの登場は今まで登場していた時に演奏されていたサノスのテーマ的なあのフレーズが演奏されません。
なぜここでは演奏されないか、これは恐らく勝てる見込みがほぼないからじゃないかなと思います。
アベンジャーズ達は満身創痍ですし、インフィニティーストーンを最後のマインドストーン以外5つも所持しています。
登場時にスペースストーンが光ってるのもかっこいいですね。
スペースストーンはワープができる能力があるからでしょうね。
この時のモチーフはこのようなフレーズです。
(演奏)
ここでいつものライトモチーフが演奏されていないのが、ラスボス感というか特別な戦い感が出ていて非常にかっこいいです。
この後はみんな手も足も出ない感じで負けて最後の石も取られてしまいます。
なので、これはサノスの登場なのですが、どちらかというと絶望の方が上回っているっていうことですね。
場面として重要なのはサノスが来たことというよりかは、石が揃ってしまうことのが重要なので、サノスのテーマ的なのが演奏されてないのではないかということですね。
このようにヴィランにはライトモチーフとしてフレーズと低音が使われているということになります。
特にフレーズに関してはサノスのテーマという使われ方ですね。
低音に関してはヴィラン全体のライトモチーフとして使われていました。
【エンディング】
今回はヴィラン音楽について見ていきました。
まとめると今作のヴィランは低音。
という非常に明確な作りでしたね。
1回目ではヒーロー音楽をやって2回目ではヴィラン音楽をやりました。
次回はエンドゲームなので、この続きになりますね。
どんな音楽が聴けるのか楽しみですね。
そしてサブスクリプションでは、クリスマスシーズンということで「ポーラーエクスプレス」というクリスマス映画をやるので興味のある方はぜひ聴いてみてください。
子供の時に楽しかったクリスマスを思い出すようなそんな作品ですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
映画にみみったけ、放送時のパーソナリティはヨシダがお送りいたしました。
podcastのエピソードは毎週日曜日に配信中ですので、そちらでもまたお会いいたしましょう。
ではまた!
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