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立花隆

最近、立花隆の『21世紀 知の挑戦』を読んだ。
文春文庫。2002/08/10、第一刷。

この文庫本は2002年に発行されたものだが、新刊本は2000年7月に刊行されている。
その、オリジナル記事は文藝春秋に掲載されたもので、初出掲載は1999年の二月号だった。以後、2000年6月号まで続く。
いずれにせよ、『サピエンス全史』よりも早かった。
『サピエンス全史』上下巻初版発行は2016/09/30。
そうして、私が『サピエンス全史』を読んだのが、2018年。

私が読んだ時期は、『知の挑戦』のが後だった。
だから、「『サピエンス全史』にも同じことが書かれてあった」と思ったことがあった。

『サピエンス全史』について書いた私の文章をみていただきたい。

つまり。
「自分が何を望んでいるのかもわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものがあるだろうか?」←これは『サピエンス全史』での記述。

『知の挑戦』ではこう書かれてあった。
フレンチアンダーソン博士(遺伝子治療のパイオニア)の言葉として、「問題なのは、みんながまだ自分が何を望むのかが自分でもわかっていないということです」、と。

立花隆の文藝春秋での記事が、1999年から2000年に注目せねばならない。。
元々は、20世紀から21世紀にかけて、
「20世紀とは?」を考察し、「21世紀は?」を展望する、という、テレビ番組のプロジェクトだった。そう。
TBSで、1995/05/05放送の『ヒトの旅、ヒトへの旅―世紀末・人類最先端スペシャル』と、
2000/01/03放送の『ヒトの旅、ヒトへの旅②―人類最先端・2000年スペシャル』
の、二つの番組。
この番組は、前編が3時間50分、後編が2時間50分、だったが、それでも足りず、語り残しますことが山のようにあった、そこで、文藝春秋の誌面で六回に渡って書いたもの、だそうだ。

で。前記の、『サピエンス全史』にあったものと同じものと、私が思ったところは、というと。
立花隆は、この本で、先ず「20世紀 知の爆発」と題して20世紀を考察し、
その後に「21世紀 知の挑戦」との章で、21世紀はどうなっていくか?との展望をかいて、
最後の方で、取材当時米国国立衛生研究所、現在南カリフォルニア大学のフレンチアンダーソン博士に取材した時の言葉として、先の記述を紹介したのであった。

つまりは。
21世紀、今後ますます人類は進歩していくだろう、けれども、そういう急速な進歩での問題点を指摘している点で、
それは、何もユヴァルノアハラリ(『サピエンス全史』の著者)が先鞭ではなかった、ということ。

ユヴァルノアハラリは、イスラエル人で、著作は英語で書かれた。はず。
それで、英語圏で有名になるのが早かった、と思う。
立花隆の著作が英語翻訳されているのかどうか?されているにしても、どれ程なのか?判っていないけれど。
当然?英語翻訳出版されていていいはずと思うが。例えば『宇宙からの帰還』。
これは面白かった!

ともかく。
人類の進歩。
18世紀半ばから19世紀にかけて興った産業革命以後、20世紀になって科学はより進歩して、世界はいっそう狭くなった。
宇宙分野では、人間の可視光以外(赤外線エックス線など)での観察、原子爆弾に象徴される量子力学(素粒子の世界)の研究、医療分野での遺伝子治療など、
何よりもインターネットの普及、等々。
爆発的進歩だった。
しかるに、21世紀は・・?

より詳しくは、『サピエンス全史』と『ホモデウス』、そして『知の挑戦』を読んでいただくしかない、と思う。

知的探求はとどまるところを知らない。
私達一般大衆の方が付いて行けなくなっている。

本当に、これから先、私達はどこへ向かおうとしているのだろうか?


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