怪談

おはようございます。
映画強盗です。

夏にさしかかりまして、レンタル店ではホラー系の需要が上がります。ホラーというと、有名どころでは「リング」「呪怨」といったJホラーが未だに人気があります。洋画のホラーは夏場に人気が出るというよりは年中人気があります。恐らく、ビックリシーンが多かったり、単にグロいだけとか、ゾクッと出来る怖さはあまり無い為だと思います。そんな中、夏場に急激に人気が上がるのが「本当にあった呪いのビデオ」シリーズです。テレビのビックリ映像スペシャルなどでもその一部が放送されているので、1回は見た事があると思います。「おわかりいただけただろうか?」という台詞と共に何度もReplayされるやつです。この呪いのビデオを筆頭に、投稿された心霊映像を集めた風のビデオオリジナル作品が多数リリースされており、レンタルビデオ店ならではの人気コンテンツとなっております。その他には、稲川淳二御大が築き上げたと言っても過言ではない怪談ビデオというジャンルも人気です。こちらは、心霊映像という訳ではなく、怪談師と呼ばれる人達がただただ怖い話をしているだけのものですが、ただ話を聞くだけでは無く、怪談師の人達の身ぶり手振りや表情で盛り上げる話術が見物です。

ただ、これ系の心霊映像や怪談ビデオには猛烈な当たりハズレがあるので、なかなか手を出し辛いのが本音です。しかし、最近では見放題の動画配信サービスでもリリースされているので、これなら当たりハズレを気にすることなく色々観れます。特にAmazonプライムビデオとU-NEXTでは色々観れますので、加入している方は試しにいかがでしょうか?

かくいう私も昔からホラーや怪談は好きでして、季節関係なく特にやることもなくダラダラしている時によく観ています。「本当にあった呪いのビデオ」シリーズに関しては、当初なかなかリアリティのある作りだったんですが、最近は心霊映像というよりは投稿者のインタビューからなるドタバタ劇を描いたモキュメンタリーがメインになっており、馬鹿馬鹿しくてツッコミを入れたくなるので、ホラーとしてはどうなのかという感じがあります。そんな訳で、最近はもっぱら怪談を観ています。昔は稲川淳二作品をよく観ていたのですが、本当に申し訳無い話で最近の稲川さんの話は難しくて理解できないものが多いです。そんな私のオススメは「怪奇蒐集者」シリーズです。ひとつひとつの話が短くて聞きやすく、ずっと観てられます。

という話は余談でして、そろそろエアコンをつけないとやってられない季節になりましたので、今回はそんな私が人生で唯一自分で体験した怖い話があるので、それをお話したいと思います。

私が店長として勤めていたレンタル店での出来事です。そこの店舗というのは、元々家電量販店だったテナントを改装したものだそうで、街中のレンタル店としては珍しく、店内に立派なトイレがありました。立派とはどういうものかと言いますと、コンビニやらその辺の店舗にあるような男女共用の便器がポツリとあるだけというものではなく、トイレの入口を入ると、男子トイレ、障害者用トイレ、女子トイレに別れており、男子トイレは小便器3台、個室2台。障害者用トイレはスライド扉の広々とした洋式1台。女子トイレは個室4台。という、レンタル店に来るお客さん向けには有り余るような設備でした。


私自身ただの雇われ店長でしたので、この建物のことは全く知らず、家電量販店より前にも何かの店舗として使われていたのかなど、過去に何があったかは定かではないのですが、よくある話で女子トイレに幽霊が出るという話を近所に住むアルバイトスタッフから聞きました。

といっても、映画やらなんやらでホラーや怪談を観過ぎているというのもあり、別に恐怖を感じることもなく、なんなら幽霊は信じてないので気にもしていませんでした。

そんなある日、こんなことがありました。

昼過ぎに中年の女性客から、女子トイレで扉を閉めずに座り込んでいる女性が居るので、体調不良とかかもしれないので声をかけて上げてくださいと言われました。女性スタッフに大丈夫ですか?と声をかけて来るよう頼みました。そうしたところ、そのような女性の姿は見当たらなかったようで、入れ違いで帰ったのかと特に気にしていませんでした。
それから何時間かして夕方くらいに、さっきの中年女性とは全く別の老人女性客から、女子トイレで扉を閉めずに座り込んでる怪しい女性が居る。万引きとかかもしれないので見に行ったほうがいいと言われました。さっきとは別の女性スタッフに様子を見に行くよう頼みました。そうしたところ、またもや入れ違いで帰ったようで、トイレには誰も居なかったそうです。
さらに、夜22時を過ぎた頃に、若いヤンキー風の女性連中がトイレでギャーギャー騒いでいたので注意しに行こうとしたら、ヤバいヤバい!出た出た!と言ってそそくさと帰って行きました。はあ?と思いましたが、なんとなく察しがつき、ゾッとしました。

というのも、これらは全て同じ日の違う時間帯の出来事で、対応したスタッフが違う為、特に騒ぎにはならなかったのですが、その日朝から閉店まで居た私は全て把握していたので、さすがにちょっと気味が悪かったです。そして、どうしても気になったのでトイレの入口が映っている防犯カメラを確認しました。変な人が居ると言っていた女性客がトイレを出てきてから、女性スタッフが声をかけにトイレに入るまで、誰も出てきてませんでした・・・

そして、これだけではありません

お店では常時アルバイトの採用を行っており、在任中かなりの面接をしました。そのなかで、ある女子大生の面接をした時でした。一通りの質疑応答を終えて、最後に何か質問はありますか?と尋ねたところ、「面接でこんなこと聞くのは失礼なんですが、この近所の高校に通っていた時に噂があって、この店幽霊が出るって有名らしいんですけど、今まで何かトラブルとかありましたか?」と聞かれました。コイツはバカなのかというのが正直な感想でしたが、近所で噂されるくらい有名なんだと知りました。そうなると学校の怪談のように都市伝説化して、それに釣られて幽霊を見ただのなんだの嘘やイタズラで騒いでるだけの可能性もあり、先述の体験で抱いていた気味の悪さは少し解消されました。しかし、そのあとそれを覆す出来事がありました。

新生活シーズンに面接をしたのですが、この春に専門学校に入学するので、つい先週地方から引っ越してきたばかりで右も左もわからない状況ですが、なんと先月まで地方の同系列のレンタル店でアルバイトをしていたそうで、馴染みがあって安心感もあるので是非とも働きたいとの事でした。こちらとしても一から教える必要がなく即戦力となるので、その場で採用を決めました。時間があるなら、今からオリエンテーションをして今週と来週のシフトを決め、次回からいきなり出勤して欲しいと相談したところ大丈夫ということだったのですが、衝撃の台詞を聞く事になりました。

この後時間は大丈夫なのですが、トイレに行きたいので、一旦そこのコンビニに行ってきてもいいですか?と言われました。ん??トイレなら店にあるよと言ったところ、「いや、その、初対面でこんなこと言うと頭おかしいと思われるのであれなんですけど、私ちょっとこの店のトイレは変な空気がするので入れないです」

つまり、霊感というかそんな感じですか?

「ええ、まあ」

先週越してきたばかりで、この辺の噂を知る訳もなく、店にも初めて来た人間がそんなこと言うとなれば、これはもう確定ではないか・・・

まあでも私自身は霊感などありませんし、ながらくこの店で働いてましたが幽霊なんか見たことないし、内心信じてない部分もありました。

それから間もなく、またも不可解な事件が起きました。閉店作業をする際、店内にお客さんが居ないか確認してからシャッターを閉めるのですが、当然トイレも全てチェックします。問題無かったのでその日は普通に店を閉めて帰りました。翌朝です。店にやってきて開店準備をして、トイレットペーパーの確認でトイレに行ったらば、女子トイレで変な女性が居たと言われた個室が閉まって鍵がかかっていたのです。朝番の主婦さんが入ってるんだと思ったのですが、その日の全員店内に居まして、色んな意味でゾッとしました。スタッフ全員でトイレに行きまして、閉まっているドアをノックしましたが無反応だったので、脚立で恐る恐る上から覗いたら誰も居ませんでした。それはそれであり得ないのです。鍵の開閉は当然内部からしかできません。鍵が閉まっていて誰も居ないということは、1度中に入って鍵を閉め、上から外に出ないと成立しないのです。構造上、ドア内部等に足をかける場所はなく、いくら洋式便器に足をかけて登っても、乗り越えるには高さ的にそれなりの身体能力を要するのでなかなかキツイですし、そもそも誰がわざわざそんな事をするのでしょうか。

そんなこんなで、私自身もすっかり店のトイレに行くのが嫌になりかけていた頃に、トドメの一撃を喰らいました。

その日は、大がかりな店内のレイアウト変更をする事になっていたのですが、いかんせん営業中には出来ないので閉店後にやる予定でした。シフトの都合や人件費の問題もあり、アルバイトスタッフには閉店後2時間程度残業して力作業を手伝ってもらい、残りの商品入れ替え作業は私一人徹夜でやる事にしていました。作業も一段落し、休憩で夜食を食べてから作業を再開していると、急に大便をもよおしたので急いでトイレに駆け込み用を足していたところ、ガチャン!という音が聞こえました。ん?と思いましたが、急いで入ったのでトイレ入口のドアをちゃんと閉めずにいたので、それが自然に閉まった音だなと思った瞬間、横の壁をドンドン!と向う側から誰かが叩く音がしたので、慌ててトイレを飛び出してレジの方まで逃げるように行き、店内のモニターやら有線放送やらを全部つけて気を沈めました。私が用を足していた男子トイレの個室の壁を挟んだちょうど隣が例の女子トイレの個室だったのです。

こればかりは流石の私も無理でした。

ただ、色々と問題がありました。
まず慌てて飛び出したので、お尻を拭いてない状態につきパンツは大変です。さらに、用を足したはいいが流してませんので、このままトイレに戻らず帰ろうものなら、翌朝のスタッフに申し訳ない。なにより、レイアウト変更作業がまだ終わって無かったので帰る訳にもいかず、まさに生き地獄の様相を呈していました。その後、気が気で無かったですが、朝番スタッフがやってくるまで店のテレビでドラえもんを流しながら作業をして何事もなく終わらせることが出来ました。朝番スタッフに言うと怖がると思ったので何も言わずトイレを流して早々に帰宅しました。。。

というのが私が唯一体験した心霊現象??です。
明確な姿を見た事はありませんが、偶然にしては色々出来すぎなので、そういう現象を肯定するしかないのかなと思わざるえない出来事でした。

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