DOUBLE FANTASY JOHN&YOKO / 展覧会ーダブル・ファンタジージョンアンドヨーコ(ソニーミュージック六本木ミュージアム)
2020年12月8日、あの日からちょうど40年後の東京で開催されていたので訪れました。
会場の入り口には献花台が設けられています(12月10日まで)。
ジョンが子供の頃に書いていたノート”DAILY HOWL"の実物を見てこの展覧会の展示物の充実ぶりがのっけから伝わりました。
最初の見所は、ジョンとヨーコを結びつけるきっかけとなったアート作品の数々。
後期ビートルズ時代のジョンがヨーコのアート作品からインスピレーションを受けていたことがよくわかります。
その事を示す展示です。
ジョンとヨーコのそれぞれの創作物に対する双方向の影響を解析するキュレーションの方向性が、よく見知っているアルバム価値の理解に深みを与えています。
2人の眼鏡が向き合う展示スタイルにもそれが表れています。
「イマジン」に影響を与えたヨーコの詩集「グレープフルーツ」のページ。
そして展覧会のハイライト、ジョンによる「イマジン」の直筆の歌詞。ヒルトンニューヨークのメモ用紙の小さいスペースに後世に多大な影響を与える事になる思想が表現されいます。
「ラブ」の直筆歌詞。ジョンの書く文字もアーティスティック。
展覧会序盤のもう一つのハイライトは、「ベッド・イン」。
手作りイベントの様子がその小道具たちから生々しく伝わります。
あの"NEW YORK CITY"Tシャツの実物とミリタリーシックジャケットに今も宿るジョンの存在感。
意外にも”LOST WEEKEND"のセクションが大きく扱われていました。
ジョンへの米政府からの国外退去命令などの資料の中でも特に苦労の末に勝ち取ったグリーンカードの実物は貴重。
感心したのはジョンが日本語をどのように勉強したのかを示す、イラストというか落書きの展示。
洗面道具の発音を「洗面ドッグ」と聞くジョンのミュージシャンとしての耳の良さ。
「日本語を話せば話すほど上手になります」の「ほど」にアンダーラインを引く言語センスも素晴らしい。
会場のインスタレーションは白壁に黒文字。シンプルでとても見やすい作り。
「ダブル・ファンタジー」セクション。レコーディングに使われたギターの展示などレアピース展示も多数あります。
このアニー・リーボヴィッツの写真が撮影されたのはあの日だったのです。
この新聞広告には言葉を失いますね。ヨーコもご自身のTwitterで12月8日にこの画像を投稿しています。
そして、セントラルパークのあの場所が再現され、展覧会は終わります。
観覧者にとって実にインスピレーショナルな展覧会でした。ジョンとヨーコの響きあう魂の軌跡がそこにはありました。
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