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アンダードッグ / UNDERDOG(2020年11月27日劇場公開)

男たちの拳が交わる時の映画的感動、ふたたび。

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ボクシング映画には、理由ある死に向かっていくカタルシスがあるから心を揺さぶるのです。森山未來が演じる末永 晃の人生が落ちぶれれば落ちぶれるほど、彼のボクシングに対するひたむきな姿に胸が熱くなります、まさにアンダードッグ効果。

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その晃が前編で拳を交える相手は、勝地涼が演じた宮木 瞬。ステレオタイプな2世芸人。その登場から既に生き様が見ていてこちらが恥ずかしくなる程のアンダードッグ効果高男。

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後編では一見幸せそうなボクシングの才能にも恵まれた大村龍太(北村匠海)が晃の相手。生まれついてのアンダードッグ。でも生き様は最もピュアです、過去のある行いを除いては。いわば隠れアンダードッグ。

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特に前編はストーリー的にも末永 晃と宮木 瞬のアンダードッグ対決に至る過程の出来事がどれも最低で最高です。

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後編は物語を畳む必要があるのである決定的な事件の後はボクシング映画の王道へまっしぐら。爽快感がマックスです。

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その男達を支えたり、突き放したりする女性達の物語も映画の感動に厚みを加えています。

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萩原みのり演じる大村加奈の母性。

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山崎愛(冨手麻妙)の自己犠牲。

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末永桂子(水川あさみ)の愛の苦悩。

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デリヘルで晃と出会う明美(瀧内公美)の屈折した愛。

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映画公開後は連続ドラマとして配信されるようです。それぞれのキャラクターの深掘りが行われるのも楽しみですが、映画前・後編に凝縮された魂の慟哭は暗がりにじっと身を潜めてる犬のように映画館でその目に焼き付けてこそ輝きます。

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