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おとなの事情 スマホをのぞいたら(2021年1月8日劇場公開)

オリジナルのイタリア映画『おとなの事情』が面白かったので、果たして日本版はどのようにリメイクされるのか興味津々で観ました。

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イタリア版は2016年だったので5年の月日が経つ間に世界は大きく変容したという思いは禁じ得ません。ああやって7人で会食をすることが叶わない時代になろうとは。

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基本的に日本版もオリジナルと同じ人数とほぼ同じストーリー展開です。違うのはオープニングとラスト。イタリア版は月蝕に救われた感がありましたが、日本版は明らかに日本の観客を意識してある創作話を付け加えて、無謀にもこの物語に決着をつけようとしてます。残念ながらその試みは無惨な失敗に終わったと言わざるを得ません。日本の観客へ向けた説得力を作り手が考えた末がこの結末では、日本の観客はずいぶん舐められたものです。イタリア版を見たときには上手く逃げたなと思いました。日本版は後味の悪い着地でした。余計な親切演出があったり劇伴もセンスのかけらもない平板な使い方。役者では常盤貴子と東山紀之が抜きん出て上手かったのは否定しませんが、どうもあの展開ではすっきりしません。大人の事情によりこれくらいにしておきます。

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