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SUMMER OF SOUL(...OR, WHEN THE REVOLUTION COULD NOT BE TELEVISED) / サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年8月27日劇場公開)

まず、予告編を観てこれは傑作の予感がしました。

1969年の夏に行われた「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」のドキュメンタリーが縦軸で、当時のアメリカ社会における人種差別に関する様々な出来事が横軸で見事なタペストリー。

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観ていて、当時のファッション、スタイルがヴィヴィッドにわかるのもこの映画の素晴らしいところ。そういう部分にも意識的です。

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ライブシーンで特に圧巻なのがスライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーン。

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それから若いニーナ・シモンの突き刺さるような鋭いメッセージソング。

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そして、このフェスの前年に暗殺されたマーティン・ルーサー・キング牧師追悼でメイヴィス・ステイプルとマへリア・ジャクソンの絶唱には心底震えました。

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アミール・”クエストラブ”・トンプソン監督は音楽と社会の距離感をよくわかっていると思います。時にユーモラスな運び方も要人の暗殺が続いた社会情勢の描き方も実に巧み。

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もともと音楽ドキュメンタリーは大好きですが、本作にはミュージシャン達のライブシーンのただの並列ではなく、歴史による啓蒙をこれからも続けていくという確かな視座を感じます。その熱意は相当なものです。


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