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ハル・ハートリー監督作品を観る。TRUST / トラスト・ミー(1993年1月23日劇場公開)

ハル・ハートリー監督作品は常日頃から観なきゃと思っていたところに本作が映画館で見られるということで「アップリンク京都」で観ました。

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小さな物語ですが、大きな功績を映画界にもたらした作品です。このナラティブはネイブじゃなくてナイーブ。映画を映画足らしめている「なにか」があります。

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疎外感を抱かざるを得ない母親と姉との生活、その契機となったある出来事から始まる冒頭から目が離せなくなるナラティブの魅力。

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日本版のポスターでは、顔の煤が取り除かれていますが、この煤だらけの彼女の顔に起こったことの重大さと2人の関係性の飛躍が表現されている見事なショット。

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巻き込み型のコメディですが、適度なペーソスが感じられ、なんというか哀しいけれど清々しいという相反する感情を同時に想起させる稀有な映画。

オリジナリティに溢れた才能というのは、ハル・ハートリーのことを指し示すのでしょうね。タランティーノも40回は観たという珠玉の作品でした。

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本作で主役のマリアを演じたエイドリアン・シェリー。最後に「エイドリアンに捧ぐ」と出るのは、40歳で亡くなっていたから(しかも殺されて)なんですね。

ロングアイランド・トリロジー(他の作品):『アンビリーバブル・トゥルース』・『シンプルメン


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