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ESTERNO NOTTE / 夜のロケーション
マルコ・ベロッキオ監督最新作。元々前篇・後篇として劇場公開。その後イタリア国内で全6話のミニシリーズとしてTVオンエアして大きな反響があった作品。
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アルド・モーロ(ファブリツィオ・ジフーニ)の暗殺事件を題材に1978年のローマの出来事を多視点で描く重厚な物語。今のイタリア映画界で最高の役者達を集めています。そういう座組みで描くべき壮大な政治叙事ストーリー。
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キリスト教民主党内の派閥をまとめながら共産党と連立を模索するモーロ首相に対しては好意的に描いている印象でした。
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モーロ首相が大学でも法学を教えていた場面なども入れて、この人物を立体的に描き出すのが本当に上手い。そのモーロの人となりを描いているのが第1話。
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政治家達との絡みはそれほど多くありませんが、政治家が政治家たる所以がわかる場面はちゃんと押さえてあってそのことが後々大きな効果を産んでいます。主に第2話で描かれます。
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ローマ教皇(トニ・セルヴィッロ)とキリスト教民主党との微妙な力関係が描かれるのが第3話。
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「鉛の時代」と呼ばれた70年代のイタリア社会の混乱した様子も、実際の映像も交えながら効果的に描いていました。
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そしてこの映画を映画たらしめている場面の一つとして木の十字架を担ぐモーロ首相の場面。同僚の政治家達に十字架を担がされているという図式が誘拐事件の本質であると言わんばかりの皮肉です。
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誘拐・暗殺を実行した赤い旅団側の描写もアドリアーナ・ファランダ(ダニエラ・マッラ)を中心に第4話で詳しく描かれます。ただ赤い旅団の誘拐・暗殺の目的がよくわかりませんでした。
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第5話で私たちの心を鷲掴みにするのがマルゲリータ・ブイが演じるエレオノーラ・モーロ夫人。演出にも力が入っており彼女の演技力が炸裂しています。
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最後にタイトルの意味について解説してあるイタリア語のサイトを見つけたのでそれを紹介しておきます。文字通りは映画業界用語で言うところの「屋外夜間」です。本当はもっと深い意味があることがわかります。
『Esterno Notte』は、マルコ・ベロッキオが監督したRAIのミニシリーズで、1978年のアルド・モーロの誘拐事件を扱ったものです。タイトルの意味を探ってみましょう。
ファブリツィオ・ジフーニ主演のモロ誘拐事件を扱ったマルコ・ベロッキオ監督の6部作ミニシリーズ「Esterno Notte」がRai 1に登場しました。このドラマは、実は2部作として始まり、カンヌ映画祭に出品された後、2022年5月18日と6月9日に映画館で公開されました。このミニシリーズは、いわゆる「鉛の時代」の、イタリア史上最も有名で劇的な出来事のひとつ、すなわちキリスト教民主党の大統領アルド・モーロが赤い旅団によって誘拐され、その後殺害された事件を再現しています。このタイトルは、一見謎めいていて、歴史的なエピソードへの明確な言及がないように見えますが、実は非常に重要な意味をもっています。『Esterno Notte』のタイトルで明らかに言及されているのは、マルコ・ベロッキオ監督による2003年の先行映画『Buongiorno, notte』(夜よ、こんにちは)です。その作品では、元赤軍派のテロリスト、アンナ・ラウラ・ブラゲッティが1998年に書いた「Il prigioniero(囚人)」をもとに、ベロッキオ監督がモーロ誘拐事件を、誘拐犯と将来の暗殺者の視点から描いています。
タイトルは、エミリー・ディキンソンの詩「Buongiorno, mezzanotte」から着想を得たもので、2001年に詩人ニコラ・ガルディーニの編集でイタリア語に翻訳され、「Buongiorno, notte」というタイトルで出版。『Esterno Notte』は、2003年の映画と同じストーリーを、政治的、メディア的な観点から逆転させて取り上げているので、新しいバージョンのストーリーは、基本的にモーロが投獄された赤い旅団の隠れ家の「外」が舞台であり、『夜よ、こんにちは』の場所であるという事実を利用し、同様のタイトルにすることにしたようです。さらに、「屋外夜間」という言葉は、映画業界で脚本、つまり映画のシーンやセリフが書かれた台本を書くときによく使われる言い回し。脚本家は、あるシーンが屋外で夜に行われることを示す必要があるとき、シーンの上部に「屋外夜間」と書くそうです。
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