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SISU / シス 不死身の男(2023年10月27日劇場公開)

フィンランドで戦争アクション映画の最高峰が誕生。

ところでタイトルの”SISU”ってナニ?と誰もが思うはず。ファッション雑誌『リンネル』さんで詳しく説明されています。

主人公のアアタミ(ヨルマ・トンミラ)は戦火に見舞われた街からエグザイル。ラップランドを彷徨う男。彼だけが画面に映り台詞もない10分間のプロローグが美しい。

金脈を掘り当てたアアタミは、それを換金するために街に戻ろうとします。これでいわゆる”行って帰る”物語の枠組みが完成です。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のような映画と思った理由がこれです。

第2次世界大戦末期のラップランドはナチスの残党がノルウェーへの進軍を進めていた頃、ただ戦況はナチスの敗北が決定的でした。そんなナチスに運命の如くアアタミは遭遇するのです。

まず、本作が成功しているのはアアタミは肉体的には弱い人間であることをちゃんと描いている点です。それを強靭なキャラクターに変えているのが”SISU”というわけです。

脚本・監督のジャルマリ・ヘランダーは『ビッグゲーム大統領と少年ハンター』でも”非力な二人”というキャラ設定で弱い者が難局を突破していくところにカタルシスを感じているように、ナネメテーターを撮らせたら映画が躍動しますね。

本作の殺しとサバイバルのヴァリエーションはオリジナリティがあって感心すると同時にアクション映画の新しいキャラクターが爆誕するのを観ることができて感動しました。

追記:日本での劇場公開が決まりました。日本版ポスターも解禁。

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