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VENECIAFRENIA / ベネシアフレニア(2023年4月21日劇場公開)

スペイン人観光客の若者グループが犠牲になるオーバーツーリズムを題材にした映画。その視点は斬新ですが、果たして映画の出来はどうでしょうか?

リゴレットの仮装をした謎の人物が、物語を引っ掻き回します。このキャラがどうも雑というか、殺人の理(ことわり)を持たないし、ベラベラ喋りながら観光客を襲うので怖くないんです。むしろ出てくる度に失笑を禁じ得ないキャラ。

スペイン人だけでなくアジア人も犠牲になります。街中で仮装舞踏会が行われているヴェネツィアでは寸劇か何かと間違われ観光客はスマホを向けるのみ。こういった場面も上手く演出すればちょうどいいチャーミングな場面になるのに、演出にキレがないので面白くもないし、怖くもない。


ジャーロ映画への目配せも結構あります。ただ肝心の本筋がボヤッとしてるからまず恐怖が立ち上がらないのが致命的でしたね。ヴェネツィアの黒歴史をおどろおどろしく解釈してみせてオーバーツーリズム批判につなげるアイデアは悪くないんですがストーリーが弱いので印象に残りませんでした。


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