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ジム・ジャームッシュ監督作品を観る。STRANGER THAN PARADISE / ストレンジャー・ザン・パラダイス(1986年4月19日劇場公開)

2021年の夏はジム・ジャームッシュレトロスペクティブの夏です。

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12作品というのは回顧上映にはちょうどいい本数なのでしょうね。まず観たのは監督2作目の『ストレンジャー・ザン・パラダイス』。

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元々は短編だったエピソードを3つ上手く繋げた映画。「新世界」がニューヨーク、「一年後」がクリーブランド、「パラダイス」がフロリダ。製作費10百万円のこの作品が映画の世界にオフビートをもたらしました。

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特に映像技術的に革命的な進化があるわけでもなく、特筆べきストーリーもありませんが、全編67カットのミニマリズムな編集による独特の雰囲気がこの作品を唯一無二の映画にしています。

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エヴァ(エスター・バリントン)がブタペストからニューヨークそしてクリーブランドからフロリダまで移動します。その彼女の心に湧き上がった気持ちが”stranger"=「より奇妙」だったんだと思います。人はパラダイスに行くと現実を離れてどこか奇妙な感覚を抱きます、そんなパラダイス=フロリダに来たはずなのにどこか違うという感覚がこの映画のタイトルの意味だと思います。そういうことを漠然と感じさせる間がこの映画を後世に残る名作にしているのです。

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