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THE MARVELS / マーベルズ(2023年11月10日劇場公開)

本作の主役の一人であるミズ・マーベル(イマン・ヴェラーニ)のドラマシリーズは流石に見ておいたほうがいいだろうと全6話を完走して映画館へ。

もう一人の主役、キャプテン・マーベル(ブリー・ラーソン)が活躍する過去作品は全て観ているので特に見直すことはしませんでした。

そして、本作を観終えてそれなりにまあ面白かったけど、肝心のストーリーが有機的に絡んでなくてあっさり終わったという物足りなさが残りました。

それもそのはずで、ディズニープラスで配信されている『シークレット・インベージョン』を見ないと、スクラル人とクリー人の争いの背景がわからず置いてきぼりを喰らってしまったから。

ユダヤとパレスチナの問題に重なって見えるスクラルとクリーの争い。映画は何年も前から企画・立案されているのに、いざ公開のタイミングで現実の方に引き寄せられてしまうこと実はよくあります。でもドラマを見ていないので背景を知らないと本作でごく簡単に説明されている知識だけで感情移入は無理でした。

世界の観客の多くは猫派でしょうから子猫の大量出演はそういう観客へのサービスでしょうね。しかし、脚本に工夫がなく見どころがどこだがわからないうちに終幕という印象でした。

監督のニア・ダコスタは前作の『キャンディマン』でその尖ったアーティスティックな絵作りに感心したので、期待して観たのですがいろんな制約にがんじがらめで突き抜けた面白さがありませんでした。

「一人ではたどり着けない、最強へ」というキャッチコピーも平凡どころか否定形なのでこの映画にはこれと言って特にウリがないんじゃないのと思っていましたが、残念ながらそれは的中しました。

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