見つからない正解
いつからか生きることを恐れるようになった。
自分が生きていることに意味が見つからなくなった。
みんなの真似をして過ごせれば、生きることが楽になると思った。
みんなが笑っていれば、一緒に笑って。
みんなが悲しんでいたら、一緒に悲しんでいるふりをした。
周りの行動を気にするようになった。
いつの間にかヒトの目が気になるようになった。
自分がどう思われているのかを気にするようになった。
そんな自分がもっと好きじゃなくなった。
周りに合わせて生きてれば、楽に生きられると思ってたのに。
次第に現実を見れなくなった。
昔は自分のことが好きだったはずなのに。
将来の夢だってあったのに。
将来の夢も手放した。
夢なんて諦めれば、生きやすいんだと思った。
諦めることが正解だって決めつけた。
夢を追いかけることが生きることだったのに。
夢を捨てて、もっと生きることから目を背けてしまった。
いつしか自分の感情を抑えるようになった。
夢だって、行動だって殻に閉じ込めた。
自分の殻に閉じこもって、ヒトには何も見えないようにした。
周りは優しく接してくれるようになった。
「こうしたらいいよ」って。
みんなが言うように生きることにした。
みんなが敷いてくれたレールを進むことを選んだ。
自分で決めることなんてなくなった。
いつからこうなったんだろう。
ずっと過去に戻ってみたら、答えは出るのかな。
今の私には見つけられない。
過去に戻ることも現実を見ることも怖いから。
自分の生き方が間違っているのか、正解なのかわからないよ。
答案用紙には何も書くことができない。
白紙のまま出すしかないのかな?
無理やり出した答えが正しいのかな?
なんでもいいから答えを書けば、誰かが丸つけしてくれる?
今は名前だけしか書けないよ。