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E資格受験記

2023#2のE資格に合格したので、どういうことを行ったのかを記しておこうと思う。


E資格とはなにか

E資格は、ディープラーニングについての資格試験になります。以下のURLに詳しいことが乗っているので参照してください。
https://www.jdla.org/certificate/engineer/

E資格の本番を受けるまでの流れ


E資格の本番試験を受けるためには受験資格をもらう必要がある。それには専門講座の受講と合格が必要となる。いろいろな会社や団体が講座を提供しており、高いものから安いものまでピンキリ。
一般に、手厚いサポートがいる人であれば高いものを、ある程度自身があるとか一人で時間をかけて頑張る、あるいは背景知識は十分あるという方であれば安いものが良いと思う。

私が利用したのは、ラビットチャレンジだ。私はプログラム経験が大いにあり、AI領域の数学の知見もすでにあったので何とかなりそうであったのでこちらを選択した。
https://ai999.careers/rabbit/

ラビットチャレンジの大まかな流れであるが、初っ端、AIドルと呼ばれる女性のユニットが初級者向けに逆誤差伝搬の法則をかなり砕いて説明しており、これが非常に良かった。しかし内容は徐々に難易度を増していき、最終試験は鬼門であった。
今となっては、正直なところ本番よりもこの受験資格を得るための試験の方がきつかった。もし文系の方で受験を検討されるのであればより一層困難が想定される。この講座ではおよそ半年を目安ということがうたわれているが、前提とする知識が乏しい方、たとえば文系出身者であればそのくらいだろうと思う。だが、費用は抑えることができるメリットがある。

  • 私の対策の取り組みは次の通り。
    2022年の11月末から初めて冬休み返上で注力することで2023年の1月にラビットチャレンジの最終試験に受かり受験資格を何とか得た。が、同時期にコロナに羅漢してしまいテストの対策を十分にとるだけの時間と体調が整わなかった。これに加えて、機械学習、深層学習、強化学習のおのおのの理解、特に強化学習は表面をさらっただけなのでこんな状態で受かっても形だけになると考えた。以上より2023年#1の受験は一旦パスして2023#2以降の受験とすることとした。
    2023#2は8月の開催だったが3月~7月までを別の資格試験の勉強に費やした。そのため実質的に勉強できたのは2023年2月末までと2023年7月~8月末ということとなる。


参考になった図書

上記のラビットチャレンジでは最終段階で本番を想定した模試や練習問題が提供されている。しかし私の場合、受験資格を取ってから一度退会したので、これらが手つかずとなってしまっていた。

仕方がないので私の場合は通称黒本と呼ばれる本を中心に対策をすることとした。

2023年9月現在、この資格試験用に出版されている書籍は、この本一択である。
ぶ厚かったので、章末問題と本体を切り離して持ち歩いた。
読み進め方であるが、初回で通しで読んでみたところ、ラビットチャレンジでは詳しく触れていなかった部分があった。そういうところは解説が分かるまで調べたりしてよく読むようにした。また、正解した問題であっても誤りの選択肢に未知の語句があれば調べて復習した。調べた内容は見返すようにした。具体的にはANKIアプリにワードを登録して、回答欄に詳しいwebページのURLを張り付けて置き、都度見返すようにした。

黒本の解説を読むうえで十分な理解がないと感じたコンテンツについては、ゼロから作るディープラーニングの1,2,4巻をつかった。1巻は全般を、2巻は今話題の言語処理、3巻は買ったが読んでおらず、4巻は強化学習がメインである。
例えば黒本を読んで誤差逆伝播が不十分であったなら、1巻、2巻の該当箇所を読む。強化学習のVQ-VAEを忘れてしまったとか、Q学習はなんだっけとなったら4巻の該当箇所を読むという具合だ。

これ以外に必須と思われたことが、シラバスの項目の調査である。シラバスは一般公開されている。
シラバスの項目のうち、一応講座でも触れられてはいるものの十分な理解が得られていないと感じたものについては、インターネットで記事をあさったり原著論文の解読に挑んだりした。
シラバスの項目についてもANKIアプリに一問一答形式で蓄えた。都度見返すようにした。

このシラバスはE2024#2~更新されるとのこと。ご注意

実装についても学ばねばならなかった。特にtensorflowとPytorchの理解が問われるとのことであったが、ラビットチャレンジで受験資格を獲得した人はtensorflow一択とのこと。そこで次の本を使った。

こちらについては深くできなかった。やったのはtensorflowの環境構築と、簡単なプログラムのチュートリアルを少し試してみた程度である。私はプログラマーをやっていたことがあり、さらにCOURSERAのPython講座を一通り修了しているので、この手の言語を理解するのはあまり苦ではなかった。もしpythonに触れていない方であれば、写経して動かしてみてをなんどもやられるのが良いと思う。しかし、これも結構な厚みがあるので時間がかかると思う。

本番

実際のE資格本番はコンピュータの前で4択問題をひたすら解くというものである。最後の方は時間がなくなってしまい十分に問題文を読まずに解答した。手ごたえは、確実に解けたと思われたのが3割程度、4割はある程度は分かっているが確実に解答できたとは言えないもの。残りの3割は確実に落としたと思うもの。出題の比重は、当たり前だが機械学習と深層学習が大きかったように思う。実際の出来としては、大体6割程度だったので私の見通しはそこそこあっていたように思う。

試験を終えてみて

手ごたえはなかったので、終わったらさっそく何が出たかを記憶を頼りに自分のメモに書き出しておいた。これは次の試験の対策として活用しようと思ったからである。守秘義務があるので公開はできません。しかしながら、今の実力は、学んだとはいえ十分な理解には程遠い。そのため、実務経験が乏しく、例えばエンジニアとして戦力となるかといえば、不十分と感じる。

幸か不幸かE資格の運営は私の力を認めてくださり何とか受かりはした。が、インターネット上で同じように受かった方々のスコアを参照すると私より全然得点率の高い人が多い。私の場合は対策の仕方が自己流だったのもあり、よくなかったのかもしれない。そうではあるものの自己流の対策としてシラバスの項目とワードを別途抑えたのは、黒本が古いことでおさえきれてない箇所を補完するためのナイスな取り組みだったと自負している。もちろんこの調べた内容が本番では有効だった。

もし仮に今回落ちており、次回も受けるとなったなら上記の内容に追加して次のようにするだろう。
・黒本の解説の理解を深くする。
・シラバスのコンテンツに対して黒本のような感じの自作問題を作る。
・黒本の解説を自分で何も見ないでできるくらいに一層深く理解する。
・インターネットでE資格のコンテンツをアップロードしている人たちの記事のうち、複数人に共通しているコンテンツを重点的に抑える
・シラバスで対象となっているなんちゃらNETの原著論文に一通り目を通してできるだけ理解する。
をやるだろうと思う。

この資格を受けようと思ったきっかけはG検定にある。G検定で出題された技術領域をより一層深く知りたいと思ったからだ。自分でやってみたかったからだ。それで結局、今の自分としてはそれほど深く知れてないけれども少なくともこの技術領域の地図は手に入れたと思う。また一人で学び続け行くことで成長できるくらいにまではなったのかなと思う。
この資格体系は人を落とすというよりも講座などを通じてAI人材の数を増やしていこうとする前向きさを感じるところが気に入っている。自分としても合否はおいておいて、体験と自信が得られたのが非常に良かった。


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