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『フォアフット』の効用

先日の五輪マラソンでラストランを飾った大迫傑選手の活躍で、数年前から取り上げられることが多くなった『フォアフット』。

ランニングにおいて、前足部で接地することを言いますが、接地と離地をほぼ同時に行い、接地時間を短くする=移動時間を短縮する=タイムを向上させることにつながり、記録短縮を目指すランナーにとっては、是非とも取り入れてみたい走法であると思います(しかし、習得するまでには、かなりのトレーニング時間を要しますが…)。

この『フォアフット』、ランニングだけのものではなく、私がフィジカルコーチを務めている少年野球においても、大切なことであると考えています。

野球においては、打球の行方や盗塁などの戦術によって、出来るだけ速く、自分の移動したい方向に動き出すことが求められます。

その際、体重がかかと寄り、つまり、後方にあると、そのスタートが遅れてしまいます。

よって、守備・走塁での移動に備えた姿勢における体重の置き方は、常につま先寄り、つまり『フォアフット』であることが重要になります。

その姿勢で、私が選手たちに、常に伝えているのは、『パワーポジション』という構え方です。

先ず、肩幅よりも左右1から2足分広くスタンスを取って立ちます。次に、いわゆる『ひざカックン』を自らするように、軽く膝を曲げます。

この時の体重の掛け方が重要で、かかと寄りに「どっこいしょ」という感じで、身体が後ろに寄りかかるのではなく、つま先寄りに体重を掛け、上体は、背筋を伸ばし、胸郭を少し張り気味にして、お尻が後方に『プリッ』と突き出るように構えます。

このパワーポジションが、人が、あらゆる方向に、自らの意思で動くための基本姿勢なのです。

また、移動時の走り方においても、『フォアフット』をキープすることが重要です。

前述の通り、移動時間を短縮させるには、接地時間を短くすることが必要で、その為には、前足部着地である『フォアフット』が必須となります。

その為に私は、ラダーやミニハードルを利用した各種ドリルを取り入れることで、フォアフットが習慣化することを目指しています。

以前、『つま先立ち健康法』が流行った時期があり、私の母も行っていましたが、つま先寄りに体重を掛けることは、姿勢の端正、大臀筋や大腿部の筋力強化につながり、日常生活における転倒防止にも効果があります。また、筋力強化に行うスクワット運動も、上記つま先寄りに体重を掛けたパワーポジションが基本姿勢になります。

ランニング時はもちろん、日々の生活の中でも、『フォアフット』を意識することによって、身体運動の質を向上させて欲しいと思います。






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