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『大迫傑 決戦前のランニングノート』(大迫傑著 文藝春秋刊)を読んで。

応援する大迫傑選手の最新刊『大迫傑 決戦前のランニングノート』を読みました。

大迫選手自身、これまでの競技生活において、ずっと、ランニング日誌を付けて来た訳ではないそうで、提出が必須となっていた高校時代と、この出版のきっかけとなった今年に入ってから付け始めたケニア合宿以降の日誌の紹介を中心に、東京オリンピックに向けてのトレーニングの中で、大迫選手が考えて来たことが、綴られていました。

これまでも、大迫選手の歩みは、雑誌やテレビの取材等を通して紹介されて来ましたが、この本で、彼が欲する「強くなりたい!」「負けたくない!」という思いを実現するために、彼が、如何に、ノイズを消し、トレーニングに集中するかが、改めて、語られていました。

とは言っても、ノイズを消そうと思って出向いたケニアでも、取材や打ち合わせで、かなりのストレスが、彼の周辺に存在していて、日々、気持ちが揺れ動きながらも、トレーニングに邁進していく、一人の人間としての弱さと強さが同居している様子が、とても読者に伝わって来る内容でした。

私が、大迫選手の生き方に一番共感出来る点は、目標達成のために必要なものは、とことんこだわって追求する一方、それ以外のものは、捨てていく(犠牲にしていく)考え方にあります。

人が、勇気を持って一歩踏み出す時、大切なことは、自分の心の中を如何にシンプルに、迷いの無い状況にするかが、大事であると思っています。その意味で、目標達成のために、本当に必要なもの以外は、捨てることが出来るかが、ポイントになると考えています。

また、彼の初出版本となった『走って、悩んで、見つけたこと』(大迫傑著 文藝春秋刊)でも、語られていたように、彼自身、これまで、いろいろなことを走りながら、考え、悩み、判断して来た生き方にも、自分との共通点を感じています。

日々、走ることを積み重ねていきながら、思考を深めていき、人としての成長に繋げる尊さを感じずにはいられません。

2週間後に迫った東京オリンピック・男子マラソン。私も、現地札幌に出向いて、応援する予定です。

この著書で大迫選手が語っているように、彼が、東京オリンピックに向けトレーニングに邁進した日々の過程・経験そのものが重要であり、その思いに敬意を表しながら、最大限の声援を、心の中の叫びとして、静かに、そして、熱く、送りたいと思っています。




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