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『フロムアイドル』を推したい

こんにちは。
最近は、細々とした自分の内情の記事ばかりかいていましたが、今日は久しぶりに、私が推したいコンテンツの紹介記事をかいてみようと思います。


『フロムアイドル』って?

すげーざっくり言うと、アイドルたちと文通ができるコンテンツです。
それだけ。

全国から、トップアイドルを目指す生徒たちの集まる、全寮制の学校。
そこには『一切のインターネット使用禁止』という校則があり、学校にいる間はもちろん、私生活の中でも、インターネットの使用が禁止されています。

そんな彼らが唯一外部とやりとりのできる方法は、『手紙』

私はお金がないので買えませんが。
どうやら、文通キットというものを購入し、手紙を送ると、あなただけに宛てた直筆の手紙が帰ってくるそう。

とても斬新なコンテンツですよね!!


どうして知ったの?

このコンテンツの主旨は、アイドルと文通をすることにあるのだと思いますが、私が知ったきっかけは曲です。
多分、私に限らず、このコンテンツを知ってる人は大抵、曲がきっかけで知ったのではないかな?と思います。

Youtubeのコメントを見ると、どうやら広告で流ついた人が多いようなのですが、母の恩恵でYoutubePremiumを満喫している私は、確かおすすめ欄に出てきたことがきっかけだったと思います。

聴こうと思った最後の一押しは、土岐隼一さんと堀江瞬さん。
好きなんですよね〜〜〜(オタク)
初めて聴いた曲は、この後紹介する『冥王院シン』の曲になります。
土岐さんの曲です!

さて。
『ポエトリーリーディング』とは、これまたラップのスタイルの一つらしいのですが。(ヒプマイがちらつく)
音楽に合わせて、テンポよく歌詞を読み上げる、みたいな曲になります。
ヒプマイ的な、ヒップホップなイメージとはだいぶ違うので、ラップが苦手でもこれならいけるって人もいるんじゃないかなぁ。

多分聞いた方が早い。
(とは言いましたが、今はとりあえず読み進めてください。)

もう、とにかく歌詞が切なくて、繊細で、温度を感じるんですよね。
歌詞とテンポの良さが気に入ってしまって、毎日一回は聞いてます。


Prince & Princess Letter(s)!

はい。曲を紹介していきますよ。

…の前に。

このコンテンツの面白いところなのですが。
女の子アイドル3人の『Princess Letter(s)!』と、男の子アイドル3人の『Prince Letter(s)!』の、二つが存在します。

性的指向を選ばないコンテンツ。素晴らしい。
いや、私は性別関係なくどっちも好きですが。
だって歌詞がいいんだもん…。

それぞれの3人はユニットというわけではなく、それぞれ個々にアイドルをしています。

強いていえば友達?
男女間のつながりは分かりませんが。

性格も、歌詞も、アイドルをする目的も、まちまちの3人。
どうやら全員『秘密』を持っているようで、その秘密は、それぞれがアイドルに求める何かや目的にも絡んでいるようで。

『ポエトリーリーディング』に加え、『ポエトリーノベル』という短かな小説(サイトで公開されてます)を照らし合わせると、色々と見えてくるものがあるようです。


やっと曲紹介!!

お待たせしました。曲紹介。

でも、このコンテンツはまだ始まったばかりらしくて、キャラクターごとに一曲しかないんですよね。
あえてここで「これがおすすめ!」って言わずとも、ほんの少し時間がありさえすれば全部聴けちゃうと思います。

ですからここでは、PrincessとPrinceから一つずつ、『ポエトリーノベル』の内容も踏まえて、少しだけ読み解いていこうと思います。

ネタバレ注意です!
歌詞と、ポエトリーノベルの内容をフル活用して読み解きます。
もし、何も知らない状態から楽しみたい方は、このまま公式サイトへどうぞ!


『雁矢よしのの話(CV.高橋李依)』

咲かない桜の木の裏で。

よしのが通っていた中学校には、たくさんの桜の木が植っていて。
春になるとそのほとんどがピンクに染まる中、たった一本だけ、全く花をつけない木があったそう。

よしのは、その桜の木の下がなんとなく落ち着いた。
なんでかって、心の底から笑うということがよく分からなかった、『笑顔の感情』を知らなかった自分の体温と、同じ気がしたから。

ある日、咲かない桜の木の洞に、手紙が挟んであった。
差出人の名前はなかったけれど、『親愛なる、』とだけ書かれた手紙。

『この手紙を受け取っただれかへ』
そんな一文があって。ああそうか。

この手紙は。
ほかのだれでもない、

——あたしに向けられたものだったんだ。

そのある日を境に、よしのと”誰か”の、咲かない桜の木を通じた文通が始まった。

いつからか夢中になって。
他愛の無い関係をただ繰り返して。
どうしようもなく色づく季節を、
ただ追いかけていた。
書いて。書かれて。いつしか夢中になって。
書いて。書かれて。季節は。巡って。
名無しの木に向かって駆けていくあたしの。
その表情が映った水たまりには、どうしようもなく。
口角の上がった自分の顔があって。

ああ、そうか。これが、きっと。

——笑顔の感情だったんだ。

しかし、その文通の終わりは突然やってきた。
何度目かの春だった。

”名無し”のあなたはアイドルをしていたこと。
でももう、アイドルは辞めてしまうということ。

そして、これが、最後の手紙になるということ。

今まで隠しててごめんって。
貴女は繰り返し言うけれど。
手紙の中で憧れた名無しの貴女は。
あたしに笑顔の感情を教えてくれた貴女は。

ずっとずっと前から。
どうしようもなく。

——あたしの、アイドルだったんだよ?

よしのは、名無しのあなたに向けて、最後の手紙を綴った。

書けば書くほど。滴り落ちて。
書けば書くほど。想いは零れて。

泣きながら、たくさんのありがとうを綴った。
それから、よしのもアイドルになるという決意を綴った。

〝だれか〟を笑顔にできるアイドルに。
あたしもなるって。
風が吹いて。
振り返った空は灰色とはほど遠い、澄んだ蒼天。

そのどうしようもない青色の下で。
風に揺らめく桜色が降りしきる真ん中で。

口角の上がったあたしの頬を、涙が伝った。

——そんな春だった。


『冥王院シンの話(CV.土岐隼一)』

曰くこの世のすべての事柄には答えがあるらしい。

小説家であったシンの祖父は、常々そう言っていた。

一方で、シンは幼い頃から、自らの容貌だけを見られて、『君はアイドルになるべきだ』と、言われ続けた。

『なれる』『なるべき』『なってほしい』と。
猫も杓子(しゃくし)もみな寄ってたかって、下らぬ理想を押し付ける。

しかし、そう押しつけられる理想にも、必ず意味があるはずだ。

ではその意味とは一体。

なぜ、私の人生に気安く口出しをするのだ。
人生は自分のものではないのか。
——その認識自体が、間違いだというのだろうか。

そもそも人生とはなんなのだ? 分からぬ。
人類誕生以来の難題に〝答え〟などある訳がなかろう。

シンの持ったその疑問に対し、祖父は易々と答えた。

容易く答えて曰く人生とは仕事であるということ。
『持って生まれし才の定め』
それ即ち人生たり得るらしい。

祖父が言うには、自分の好きよりも、自分に向いている仕事こそが”人生”らしい。

私にとって〝人生〟となり得る物とは。
私が好きより向いている〝仕事〟とは。

一体なんであるというのだろう?
詮なき三段活用がぐるぐると頭の中を巡る。

祖父が亡くなってから、1ヶ月。
祖父の遺書に、祖父の仕事部屋の整理はシンに一任してほしいと書かれていたため、一人整理をすることになった。

引き出しの奥から、古びたブリキの缶を見つけた。

シンは直感した。
これが、私に仕事部屋の整理を任せた”意味”だと。

古びたブリキの缶に あなたの営みをひとり垣間見る。

缶の中には、たくさんの手紙が入っていた。
年季の入ったものから、ごく最近書かれたであろう新しいものまで。

宛先は当然、祖父に向けてだ。
裏面を見る。差出人は。

差出人も——祖父になっていた。

祖父から祖父へ送られた手紙の束。
その全てには、丁寧に切手が貼られており、消印までついている。

祖父曰く、この世のすべての事柄に答えは在るらしい。
徒にも思われるこの自己完結の手紙問答に。
答えがあるというのはならば、その意図は未だ分からぬが。

祖父は、『人生は仕事だ』と言った。
また、『好きよりも向く仕事が良い』とも言った。

私にとって〝人生〟となり得る物とは。
私が好きより向いている〝仕事〟とは。

一体なんであるというのだろう?

誰もが、自分の容貌だけを見て、『君はアイドルになるべきだ』と言う。

『なれる』『なるべき』『なってほしい』

この期待とお節介の三段活用にも、きっと意味があるはずなんだ。
意味があるのならば。

絶え間なく降りかかるお節介の三段活用に。
——少しばかり乗ってやることもやぶさかでない。

祖父の仕事部屋の整理が終わった。
例のブリキの缶は、誰にも言うことなく密かに持ち帰ることにした。

自室に戻り、祖父の手紙を消印の日付順に並べていると、あることに気づいた。

一番古いものの消印は、シンの生まれた日だったのだ。

曰くこの世の全ての事柄には答えがあるということ。
徒に繰り返す行いの、そのすべてにも意味があるという。

では、この日付の示す意味は、一体なんなのだろう。

もし本当に、この世のすべての事柄には答えがあるのならば。
全ての行いに、意味があるというのならば。

それを信じ、この手紙を何度も何度も、紙が擦り切れてしまうまで、読み込んで見せましょう。

それはあなたが私に遺した、ひとつの人生なのだから。
私は私の〝人生〟に。
これからも〝答え〟を出していくことにします。

この世のすべての事柄に意味を見出し終えるまで。
どうか見守っていてください——


尊さよ、届け。

いやー…記事をかいてみて、より一層『フロムアイドル』が好きになりましたね。

この歌詞はそういう気持ちがあってこそのものだったんだ、とか。
そういう経緯があってのものだったんだ、とか。

どこまでも深くて、どこまでも繊細で。
さらにそれらが、言葉になって美しく整列している。

誰にでも届きやすい形、伝わりやすい形の一つである『言葉』になってもなお、アイドルたちの持つ繊細さが損なわれていないどころか、さらに緻密に表現されていて。
もちろん言葉だけでなく、声優さんたちの力もたくさんあった上でのことですが…というか、声優さんの語り方も本当に…やばい…(語彙の不足)

本当に、心の底から、素敵なコンテンツに出会えて嬉しいです。
だからこそ、もっとたくさんの人に知ってほしい気持ちでいっぱい。

4月から始動したコンテンツなので、展開はこれからですしね!
そういう意味でも、今、最も推したいコンテンツです。

曲だけでも是非、聴いてみてください!


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見出し画像は、Princess Letter(s)!のTwitterから。

『ポエトリーノベル』はこちらから。

公式Youtubeチャンネル
『ポエトリーリーディング』が公開されています。


引用部分は、『ポエトリーリーディング』または『ポエトリーノベル』から引用しています。




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