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私の原点となる児童文学作品のご紹介

1・はじめに

kokoroです。二回目の投稿です。
前回の投稿には本当に勇気が入りました!
なんせ、外に向けたSNSは何もやっておらず、このnoteへの投稿が初の外部への発信でしたので・・。しかし、すぐに何人かの方々に「スキ」やフォローをして頂き、驚くと同時に嬉しく思っております。
このnoteが伝える大切なこととして「創作を楽しみ続けること」「ずっと発表し続けること」とありますので、楽しみながら書いていきたいです。

さて、前回は簡単な自己紹介をさせて頂きました。
これから「絵本紹介士」として絵本を取り上げていく活動をしていきますが、その前に絵本に繋がる私の原点を今回はお話したいと思います。

2・幼い頃

私は幼い頃から大の本好きでした。友達と遊ぶのも楽しかったのですが、何より、本を開くと一瞬に違う世界に行けるその楽しさは何ものにも変えられず、時には友達の遊びの誘いも断って本を読んでいたことも一度や二度ではありませんでした。

幸いなことに、父に「本だったら何でも買ってあげる」と言われ、そのことも私の本好きに拍車を掛けていました。
その頃、近所に本屋さんがあり、よく通っていました。

なので、私の本のイメージは、スタートは「児童文学」でした。

3・『長くつ下のピッピ』の紹介

その中でも今でも私の中で光輝くナンバーワンの児童文学・・
それは『長くつ下のピッピ』3部作です!

①作者・リンドグレーンについて

皆さん、ご存知でしょうか?
この本はアストリッド・リンドグレーンというスウェーデンの女性の児童文学作家が書いたものです。
『長くつ下のピッピ』の含むリンドグレーンの作品は世界100か国以上の国で翻訳され、出版され、数多くの子供たちならず大人たちをも夢中にさせてきました。

このリンドグレーンの伝記的映画が2019年に日本でも公開されました。(映画『リンドグレーン』)私も見に行きましたが、この映画の中で心に残ったのは、リンドグレーンが38歳で書き、1945年に出版されたこの「ピッピ」シリーズに対して、リンドグレーンが晩年になっても、お誕生日に世界中の子供たちから「お誕生日おめでとう!ピッピを書いてくれてありがとう!」(細かい文句は違ったかもしれません)とカードが届く場面です。
なぜだか、涙が出ました。
本当に私も同じことを伝えたい気持ちです。
この映画の脚本・監督のペアネレ・フェシャー・クリステンセンもリンドグレーンの作品のファンで映画のHPのコメントの中でリンドグレーンにあててメッセージを贈っています。その中で「あなたは私を形作った人です」とまで言っています。

残念ながら、リンドグレーンは2002年、95歳で亡くなりました。

②ピッピについて

この「ピッピシリーズ」を読んだことのない人はどうしてこのように世界中の人々が熱烈に惹かれているのか不思議に思うことでしょう。

では、私がその魅力をお伝えしましょう。

『ピッピ』の物語は『長くつ下のピッピ』『ピッピ船にのる』『ピッピ南の島へ』(リンドグレーン作 大塚勇三訳 岩波書店1964 1965 出版)
この3部作です。物語の主人公はもちろんピッピ。ピッピ・ナガクツシタが名前です。

この名前の通り、ピッピは膝の上まである長くつ下を履いています。
赤い髪をおさげにしていて、顔にはそばかすがいっぱい。(ピッピはこのそばかすもとっても気に入っています。そばかすを増やす薬があったら飲みたいくらい)
大きな口をしていて、着ている服もお手製であちらこちらに、つぎはぎが当たっています。
そして長い靴下は黒と茶色の違う色。靴は足の大きさの倍あります。
一目見たら、忘れられないビジュアル!(私は子どもの頃、このピッピの人形を作ってと母に頼み、作ってもらいました。)

そんな一風変わった9才の女の子。

この子はなんと一人暮らしをしています!
お父さんは船長で、ピッピも一緒に船旅をしていましたが、遭難し、行方不明。でもピッピはお父さんはどこかの島に流れ着いて、そこの王さまになっていて、いつか自分を迎えに来ると信じています。(そして実際、その通りになるのです!)お母さんはピッピが小さい頃に亡くなりましたが、天使になっていつも自分を見守ってくれていると信じています。

お母さんは天使でお父さんは王さま、こんな素敵な親を持った子なんてそんなにいない、と考えています。(なんとポジティブシンキング!)


そういう訳で、ピッピはお父さんが買っておいてくれた家でお父さんが迎えに来るまで一人で暮らすことにしたのです。
そしてピッピはお金持ち。スーツケースにぎっしり詰まった金貨を持っています。
さらに怪力の持ち主。馬だって、ひょいと持ち上げます。
ニルソン氏というサルと一緒に暮らしています。

②ピッピの魅力

ピッピの面白いところは「ほら吹き」なこと。世界各国を旅してきて、そこの国の話をさも本当のようにウソを織り交ぜて話すのです。聞く方はまさか、と思いながらも思わず話に惹きこまれます。

また弱きを助け強きをくじくという正義感溢れる一面も持っています。
友達思いの優しさも持つ、何とも不思議な魅力を持つ女の子なのです。

話はこのピッピの家の隣に住むトミーとアンニカという二人の兄妹との出会いから始まります。

トミーとアンニカはごく普通の子ども。ピッピを見て目を白黒させ、たちまちその魅力に惹き込まれ、友達になっていくのです。

ピッピは型にはまらない女の子。自分にはクリスマス休みも夏休みもないという理由から、学校に行ってはみるのですが、自分には合わないとわかると学校に行くのをやめます。先生もなぜか今は来なくていいと言うのです。

子どもが一人で住んでいると聞いて「子どもの家」に入れようと、おまわりさんがやってきますが、ピッピと鬼ごっこをするはめになり、この子は「子どもの家」には合わないとあきらめます。

時にはサーカスを見に行って自分も綱渡りをしたり、火事から子どもを救い出したりします。家にどろぼうが入ってきても、のらりくらりとかわし、ダンスを踊ってどろぼうを疲れさせます。最後にはダンスのお礼とどろぼうに金貨を渡します。

他にも大きな五人のいじめっこにも、ひょいひょいと全員を木の枝などにつるしあげる様子など、読んでいて胸がすくような拍手喝采したくなるような場面が沢山出てきます。でも、ピッピ自身は、それを楽しいから、面白いからやっているというスタンスなのです。その自然な姿に私たちは余計にピッピを好きになるのです。

③私が惹かれたわけ

私はこのお話を初めて読んだ時、度肝を抜かれました。たちまちこの世界に夢中になりました。
大人のことを何一つ聞かずにすむ、自由な一人暮らし!お金持ち!力持ち!それだけでなく、ほら吹きで、おしゃべり。そして温かい心を持っている・・

なんと面白いんでしょう!正しいことや常識的なことには何一つ従わず、やりたいこと、楽しいこと、ワクワクすることだけやって生きている子ども、それがピッピなのです。
まさに子どものヒーロー。

そして、この物語にはどこか「切なさ」も存在しています。それがこのお話に楽しい、面白い、スカっとするだけでない、複雑な魅力を与えているのです。

このお話はリンドグレーンが幼い娘に話していく内に出来上がったお話だといいます。
こんなお話を毎晩聞いた娘さんはさぞかし、楽しかったことでしょう。

小学校低学年頃でしょうか、ピッピのお話に出会って、私の想像の世界がぐんと広がりました。お話の世界ではあるけれど、こんなに自由に生きている子どもがいる!こんなに楽しい世界がある!お話の世界って面白い、本の世界って面白い!そんな風に感じました。
この本を読んでいると自分の「ワクワクした部分」が大きくなるような気がしました。
それからもっと本の世界にのめり込んでいったような気がします。

4・まとめ


このピッピの本当の魅力は実際に本を読んで頂かないとわからないので、興味を持たれた方はぜひ一度読んでみてください!3部作の中では、お父さんのいる南の島へ行ったりしてピッピの冒険の世界がますます広がります。
現在は岩波少年文庫から出ています。
この大塚勇三さんの訳がまた素晴らしいです。この訳があることでピッピのお話の魅力がより増しているような気がします。

今日は私の大好きな児童文学、『長くつ下のピッピ』のご紹介でした。





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