絵本沼メルマガ【絵本沼ゼミ】2022年6月25日号:[絵本評]―愛する者と愛される者―「がまくんとかえるくん」
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※※※お知らせ※※※
7月10日(日)、三島の絵本専門店えほんやさんでオンライン絵本沼ゼミをひさびさに開催します。
●えほんやさんのご案内ページ
ぜひご参加ください!(アーカイブ配信あります)
今回のお題はアーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」です。
昨年立川PLAY!ミュージアムで開催され、その後兵庫県伊丹ミュージアムへ巡回、現在長崎県美術館で開催中の「「がまくんとかえるくん」誕生50周年記念 アーノルド・ローベル展」(秋にはいわき市立美術館へ)ですが、私も立川で鑑賞してきました。
原画がたくさん並ぶ中、気になる写真が一枚展示されていました。
それはどんな写真だったのか?
いつもながら長文ですがお付き合い願えれば幸いです。
【絵本沼ゼミ】[絵本評]―愛する者と愛される者―「がまくんとかえるくん」
■ポーランド系ユダヤ人女性 アニタ・ケンプラー
1934年、ポーランドのクラクフという町にアニタ・ケンプラーというユダヤ人の女の子が生まれました。
彼女が5歳の時に戦争がはじまり、彼女は両親と引き割かれて強制収容所に収監され、剃髪され、極めて厳しい環境で過ごすことになります。
10歳で戦争が終わり、赤十字社に救われて姉弟でスウェーデンへ渡り、両親を探し続け、13歳の時にようやく再会できました。
この人の人生は激動です。
後年、彼女はこの時の経験を『No Pretty Pictures a child of war』(1998年/邦題『きれいな絵なんかなかった』ポプラ社)という回顧録にまとめました。
で、アニタが16歳になった1950年、一家はアメリカのニューヨークに移住します。
以前からアーティスト志向だったアニタは美術学校へ進学し、演劇部に入り、スタープレーヤーになります。
アニタは同じくスタープレーヤーだった同級生の男子に心惹かれ、21歳の時に結婚、その後ふたりの子どもを授かります。
おめでとうアニタ。
アニタの夫の名前はアーノルド・ローベルといいました。
ふたりはその後、夫婦そろって著名な絵本作家になります。
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