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三人三様

長男くんが2歳のとき、
そろそろ
「はんぶんこ」
を、教えようと思った、お母さん。

食パンを取り出し、
上の部分を持って半分にちぎりながら
「はい、はんぶんこ!
                 どっちがい〜い?」と聞きました。

2つに増えたパンは、
右と左で、すこし、大きさが違います。

どっちを選ぶかなぁ~。

長男くんは、
はんぶんこにさせられたパンを、
よぉ〜く、見つめて

「こっち!」と、
むかって右のパンを受け取りました。

お母さんは、
じぶんの持っているパンを指さして
「こっちのほうが大きいよ、いいの?」
と聞きました。
「うん!いいの」

長男くんは、おいしそうに
パンをほおばりました。

次の日、お母さんは、おせんべいでためしてみます。
「はんぶんこ、どっちがい〜い?」

長男くんは、よ~く見て、
また小さい方を選びます。

食パン、菓子パン、おせんべい

おもちに、やきいも、納豆巻き

なにでやっても、なんかいやっても
小さい方を選びます。

大きい方はお母さん、小さい方は長男くん

そう、決まっているみたいです。


長男くんが、食パンを
ひとりで一枚、食べられるようになった頃、
お母さんのお腹の中に、
弟の次男くんがやってきました。

次男くんはすくすく育ち、
あっという間に、はんぶんこの季節になりました。

例のごとく、
お母さんは食パンを取り出すと、
2つにちぎって、聞きました。
「はい、はんぶんこ。どっちがい〜い?」

次男くんは、2つに分かれたパンを見比べて
大きい方をサッと、とりました。

そして、もう一度見比べて、
「やっぱり、そっちのほうが大きいかなぁ」
と、迷っています。
次男くんは、
なんどやっても、なにでやっても
大きいほうがいいようです。

長男くんは、
大きい方をお母さんにくれる優しい子

次男くんは、
大きい方を食べたい食いしん坊


じゃあ、次の子は?

3人目は女の子の長女ちゃん。

お母さんは、ワクワクしながらパンを取り出して
「はんぶん…、あれ?」

長女ちゃんは、もう
袋から食パン一枚、取り出して
むしゃむしゃ、美味しそうに食べています。

その手があったか!

しっかり者の長女ちゃん
「はんぶんこ」は、おあずけですね。


                                                    ーおしまいー

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