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嘘と現実

📖ウルフ・スタルク(菱木晃子訳、はたこうしろう絵)『うそつきの天才』(小峰書店、1996年)

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スウェーデンの児童文学作家ウルフ・スルタクの自伝的ショートストーリー。訳者あとがきに「うそつきは泥棒ならぬ作家のはじまり、といったところでしょうか」と記されているように、嘘を禁じることは虚構世界の否定に繋がり息苦しい。

その一方、この世が嘘だらけなら?

📖天野祐吉・ミハラチカ『嘘ばっかし』(福音館書店, 1998年)

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この本に書いてあることは、みーんな嘘です。…嘘はついてもいいんです。でも、ついてはいけない嘘もあります。どういうときに、どういう嘘をついたらいけないのか。それはじぶんでよーく考えてください。(あとがきより引用)

現実が嘘と欺瞞に満ちてくると、虚構の世界も侵蝕されかねないのでは、と警戒心を募らせるこの頃。