今月の新刊より...おかしいけど笑ってばかりいられない絵本

新しいけど古くからの問題を真正面から扱ったお話。これなら幼いこどもたちでも理解や共感ができるはず。カッパーノ氏にもめっちゃ痺れたけど、こっちのどらやき親分にも惹かれるわぁ。ラストの衣装なんてもう最高！

いわさきさとこ作・絵『おかしのまちのおかしなはなし』（フレーベル館、2023年）

こういう絵本を自分がこどもの頃に読んでおきたかったし、こどもたちにも読ませたかった。人生も終盤を迎えつつある今の私が読むと、戦争中の陸軍と海軍の関係性や、領土や縄張りをめぐっての争い、派閥抗争などなど、昔から変わらぬ人と人とのいがみあいに思いを致してしまって、このおかしなお話をおかしいだけで終わらせらることができなくなっている。この絵本を読んで笑って、心の奥底にストンと落としておいたら、こどもたちの未来は少しは変わってくれるんじゃないかな。いやいや、だからこそ、大人も読まないといけない絵本だと思いますです、ハイ。