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春待つ絵本

初版1949年の古典絵本 The Happy Day は、1967年に邦訳『はなをくんくん』として日本の読者にも届けられ、もう半世紀以上も読み継がれている。

Text by Ruth Krauss & Pictures by Marc Simont, The Happy Day
(HarperCollins Publishers, 1989)

冒頭、雪が降る中、動物たちは眠っている。ところが、雪はまだやまないのに、動物たちが次々と目を覚ます。

Now, they open their eyes.  They sniff.
The field mice sniff,
the bears sniff,
……………………….

Cited from The Happy Day

つづいて動物たちは走り出す。いったい何が起きたのか。

英語は平易な文体なので読み聞かせにも適しているのだが、木島始氏による邦訳があまりにも優れているので、いつも日本語で読んでいた。「はなをくんくん」の高揚感に加えて、タイトルもこちらの方がネタバレなしで断然いいと思う。

ルース・クラウス文。マーク・シーモント絵『はなをくんくん』きじまはじめ訳(福音館書店、1967年)

や、みんな めを さます。 みんな はなを くんくん。
のねずみが はなを くんくん、
くまが はなを くんくん、
……………………….

はなをくんくん』より

つづきは絵本を読んでのお楽しみ♬

雪景色に動物たちの姿がモノクロで描かれたこの絵本は
春を待ち焦がれる気持ちを表現した傑作中の傑作。

絵本の小部屋の「春待つ絵本棚展示」で毎年活用してきた1冊です。
ぜひ手にとってご覧ください。