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片付けについて

わたしは片付けが子どもの頃から苦手です。
小学生の頃から宿題を忘れたり、物を忘れたりが多かったのですが、
片付けが苦手だなあと痛感したのは、大学の寮に入ったときだったと思います。自分の部屋だけめちゃくちゃ汚かったからです。もちろん、他にも汚い部屋の人はいたのですが、寮内で一二を争う汚さでした。二位だったかな?
一位の人はとてもいい加減でふざけた奴だったのに比べて、わたしは変に真面目なくせに部屋が汚いという何とも身の置き所のない思いがしていましたが、部屋をきれいにすることは何故かできませんでした。
その後、一人暮らしをし始めると、まあ、惨憺たるものでしたし、会社に入っても自分のデスクは物があふれてしまって、整理整頓ができないのでした。それは改善されることもなく、結婚後もそうで、妻に嫌がられていました。わたしは、どうして片付けられなかったのでしょうか。それは、どこかで、片付けより大事なことがあるからと内心思っていたからかもしれません。片付けはものを考えたり、勉強したり、本を読んだり、音楽を聴いたりすることよりも下だと思っていました。今でも、片付けより大事なことはあるとは思っていますが、片付けが大事なことより下だとは思っていません。片付けと大事なことは一体だと思うようになったのですが、そのことについてこれからご説明いたします。わたしは今では何とか人並みに片付けができるようになったのです。
わたしと同じように片付けができない方のご参考になれば幸いです。

さて、わたしがいつ片付けができるようになったのかと言えば、端的に言うと、それはビジネスの本を読んだからです。片付けができない人は商売に向かないと思います。ただ、片付けは誰でもできるようになれると思います。何も難しいことではないからです。やるかやらないかがあるだけです。やる理由が見つかれば誰でもやれるのではないでしょうか。子どもの頃から片付けの習慣があり、無意識にできる人はうらやましいでのですが、意識的に片付けができるようになることは可能です。

とはいえ、まずは、何も考えずに動いてみることも効果的です。とりあえず、ゴミを捨てましょう。レジ袋をもってきて、紙ごみとプラゴミをぽいぽい入れていきます。これはたいした苦にならない作業だと思います。だいたいゴミを袋に入れると意外に片付けが進んだと思えるはずです。(傍から見たら変わっていないかもしれまんが。)すると、捨て方がわからないゴミが出てきます。金属、スプレー缶、電池、大きいもの、古い携帯、おもちゃ、人形、書類・・・。この辺で、嫌になってしまいますが、(早い?)自治体のホームページで捨て方を調べましょう。わたしの住んでいる町では、たとえば、スプレー缶は燃やすごみの日で、ビニール袋にいれて出します。キャップはプラスチック製容器包装で別の曜日です。わずらわしいのですが、いっきにやろうとしないことだと思います。曜日がわかれるので、そもそもいっきにはできないし、粗大ゴミは二週間くらい後の回収になることがあります。

大きいゴミを捨てたら、次は掃除です。ここで何故掃除をするのか考えてみましょう。掃除は何より健康のためにやります。健康はすべての基本です。汚いところで暮らしていると、風邪をひいたり、免疫力がおちて身体が不調になったりします。最近は、健康経営などといって、社員の健康を推進する会社も多くなりました。風邪をひくと本当に時間がもったいないです。掃除は体調を管理し、時間のロスを防ぐために行います。掃除機で埃を吸い取りましょう。埃を取る道具はハンディモップというようです。ハンディモップで埃を取るとすっきりします。汚れがあるところは水拭きする。掃除のやり方は異論があるかと思いますが、ここではとりあえず、掃除ができるようになることが目的です。

ゴミを捨てて、掃除が出来たら、次に整理に入ります。最初に、契約書や卒業証書、資格証明書、カード、銀行通帳、印鑑、などの無くしてはならないものを確認して、入れる場所を決めます。ファイルなどに納めます。今までこれが出来ていなかった場合、この作業をすることで、とてもほっとすると思います。給与明細、伝票、レシートなども時系列でファイリングしましょう。レシート等の保存が必要なければ捨てましょう。財布の中にレシートをため込まないと決めることも大切です。(これはわたしはまだ出来ていません。)忘れてはならないID、パスワードも手帳に書いて大切に保存。自分の卒業年度、資格取得年、入退社年なども履歴書のような形で保存するとまたほっとします。こういった情報の記録、保存、管理は経営では根幹をなすことだと思います。

しかしながら、まだ、部屋はごちゃごちゃしています。物が多くなってしまって、無造作に置かれているからです。ゴミではないのですが、捨てられるものは捨てます。本やCD、おもちゃ、古着、カメラ、楽器、古い携帯は売れるものもあるかもしれません。ヤフオクやメルカリなどで売ることが苦にならない人はネットで売るのもいいでしょう。思い出深いものもあるかと思います。わたしは思い出は無理に捨てることはないと思います。本棚や箱にそっとしまっておきましょう。ただ、現在も、中古だとしても多く売っているもので、何年も使用しないものは手放してもいいと思います。希少価値がないからです。持ち物は資産です。しかし、使用しなければ価値が生まれません。お金と交換できなくても、手放して他の人に役立ててもらったほうがいいのではないでしょうか。その価値がないものは、捨てるしかありませんが、捨てることで新しい何かが入ってくる空間を手に入れることができます。空間もまた価値だと思います。会社でいうと、資産を売却し、不良在庫を処分するということです。そうすることで会社の価値を高めていくことができます。

何とか見れる部屋になってきました。ここで、きれいに見えるということを考えてみましょう。掃除をする理由は健康でした。物を処分する理由は価値を高めることでした。次に、きれいに見える、見せるということで、気分が良くなり、文化的な暮らしになります。これはデザインの力に負うところが大きいです。デザインといっても、素敵なセンスなどは特に必要ありません。デザインは設計と訳すことができますが、まずは、揃えるということが基本にあります。ラフな感じが素敵なこともありますが、基本はやはり揃えることだと思います。本やCDを揃えるのは簡単です。収納する本棚やラックは用意して揃えましょう。ファイルも棚に揃えます。カード類はカードケースに、名刺は名刺ファイルに、筆記用具は鉛筆立てや、ケースに。工具などは工具箱に。ケーブルなども束ねたり、留めたりして床の淵にそって這わせる。服はクローゼットに。こう考えていくと、棚やケースやボックスやブックエンドや入れ物、留め具などが必要だとわかります。こうしたものはやはり買ったほうがいいと思います。これは必要なコストでしょう。せっかくここまできれいにしたのですから、少しコストをかけてグレードアップしていきましょう。会社でもデザインにコストをかける会社は多くはありません。中小企業ではロゴも決まっていないし、決まっていても場面ごとにばらばらなデザインだったりします。社内の美観もあまり気にしていない会社は多いです。デザインに力を入れることで、会社のブランド力をアップさせて、社員は機能的な環境で働くことができ、人材も集まりやすくなります。

ここまで来て、ようやく、部屋をきれいに整理整頓することができました。
センスのある方は、家具の色を揃えて、壁紙の色と調和させたり、カーテンの素材や色、照明なども考え、インテリアコーディネートまでできるかもしれません。しかし、ここではそこまでは求めていません。ひどく汚い状態から、きれいな部屋になっただけで、大変な進歩だと思います。
健康で、暮らしや仕事の価値を高め、文化的な生活をする第一歩です。
片付けは幸せをつくる第一歩ではないでしょうか。
最初に、わたしは、片付けられなかった理由を、「どこかで、片付けより大事なことがあるからと内心思っていたからかもしれません。」と述べましたが、もし、片付けが幸福になるための第一歩なのだとしたら、それ以上大事なことはないと思います。どんなに大事なことでも、幸福にならなければ意味がないからです。最大の目標である、幸福になることへの第一歩である片付けをしてから、大事なことに思う存分取り組めばいいのです。

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