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~作者のことば部屋~ 絵本作家です。 愛情、絆、心をコンセプトに絵本づくりをしています…

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~作者のことば部屋~ 絵本作家です。 愛情、絆、心をコンセプトに絵本づくりをしています。 思考、体験、絵本の3つのカテゴリで日記のように記事を書いていきます。

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絵本『うまれもった ひかり』のテーマ

絵本『うまれもった ひかり』は、ランタンと少年とおじいさんを巡る物語なのですが、たまに読者から「どういうメッセージがあるんですか?」と聞かれることがあります。 読んだ人の多くは「生まれたままの光でいいんだ」、「生まれ持った個性を大切にしよう」、「思いやりの心が大切だ」などのメッセージがあると解釈する人が多いようです。 作品の解釈は人それぞれでいいと思っていて、読者からの声はぼくにとっては新鮮でとても面白く、絵本を客観的に見るような感覚になります。 さて、読者の解釈は色々

    • 話すことで整理されること

      自分の頭の中で考えていても、なかなかまとまりがない考えも、人と話している中で整理されることは少なくないなと考えています。 なぜ自分だけで考えていてもまとまらない考えが人と話すことで整理されるのかの仕組みはよく分かりませんが、なんにせよ人と話す中で整理されることはあります。 特にここ数年、絵本活動を始めてからというものは人と出会うことも多ければ自分の活動の説明をすることも増えてきています。そうすると、なかなか上手く説明できないこともあるし、そもそも自分自身が自分の作品づくり

      • 表現したいもの

        ぼくは絵本を描いていますが、絵を描き始めたきっかけは絵本ではなく漫画でした。自分の好きな漫画を模写していたのが始まりです。もっと言うと、兄が先にそれをやっていて、ぼくが真似をし始めたのが最初です。 その後、ぼくは将来つくべき仕事として漫画家を選んだのですが、選んだ理由は決して立派なものとは言えず、ただただ“安定した生活をするため”というあきりたりで平凡な理由です。 当時、ぼくは不登校をしていて人ともまともに会話することもできなかったので、できるだけ人と関わらずにできる仕事

        • 分岐とその先

          自分の決断に自信がもてなかったり「あれでよかったんだろうか...」と不安になることもあると思うのですが、人の選択には正解も不正解もないということがほとんどではないか思っています(確実に間違っていることはあると思いますが)。 なので、自分の選択を振り返ったところで仕方がないことがほとんどなのではないでしょうか。どうせ考えたってろくな答えなんて出てこないからです。 もちろん、改善点を見つけることは重要だとは思いますが、あまり不安を抱き続けることにいいことはないのではと思います

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        絵本『うまれもった ひかり』のテーマ

          原点に気づかせてくれる存在

          「何のために絵本を描いているの?」と聞かれると、「こうこうこういう意図でこういうことのために描いています」とパパっと話せることもあるのですが、正直それは相手を納得させるために話している感もあるように感じています。 そうやって話すことも全て事実なので嘘ではないのですが、「ああ、こういうことのために物語を考えたり絵を描いたりしてるんだよなぁ」と実感する時、その時の感覚を言葉で説明することはできないなぁとも実感します。 どんな言葉を使っても、後付け的で説明的な言葉にしかならない

          原点に気づかせてくれる存在

          見えない見返り

          なにか努力をすると、人は見返りが欲しくなる生き物だと思っているのですが、自分が見えていない見返りに気づかないことも多いのではないかと思うようになりました。 見えていない見返り、もしくは想定できていない見返りと言えるかもしれませんが、どちらにせよ人が見返りを欲してしまう生き物ならば、気づけていない見返りに気づける方が幸せな気がします。 「見返りを求めるな」と口で言うのは簡単ですが、やはり人は心を持っているし感情もあるので、“なかなかそうはいかない”ということもあると思います

          見えない見返り

          絵を描いていて分かること

          絵を描いて、描き終えて、次に描く絵を決めて描き始め、そうしたことを繰り返し繰り返ししている日々ですが、その中で確実にわかることは“絵は描けば進む”ということです。 当たり前なことですが、ただ描き始めの時には「この絵はいつ終わるだろうか…」と中々完成しないだろう日々を思って億劫になることは少なくありません。 少しでも、少しでも、キャンバスに筆を加えていけば絵は進み、いつかは完成に到着できるということを絵を描き終える度に毎回実感します。だからこそ、少しでも筆を加えようと思えて

          絵を描いていて分かること

          遊び心

          街を歩き、お店に入り、ゆったり過ごし、そうやって何気なく日常を過ごしていると、ふと遊び心のようなものに目がいくことがあります。 正直、あってもなくてもいいようなオブジェだったりインテリアだったり模様だったり…そういった物を見るとぼくは「いいなぁ」と思ったりします。 「これは正直ない方がいいよな」と思うこともあるので、全てが全ていいなと思うわけではないですが、色んな街を歩く中で心惹かれるものは“遊び心”であり、あってもなくてもいいような物です。 遊び心は一体何から生まれて

          遊び心

          関係性に名前がつく

          人との関係性を説明する時、「この人は友だちなの」とか「この人はお客さんでね」と何かしら関係性の名前(名称?)を言うのだと思うのですが、これはあくまで分かりやすく伝えるために使う言葉だとぼくは思っています。 つまり、本質的には関係性に名前なんてものをつける必要がないのだと思っているということです。 時に人との境界線を引かなければいけない時もあると思うので、自分の身や立場、身辺の大切な人を守るために関係性の名前をあえて使う時もあると思います。 ただ、それも自分を守るための“

          関係性に名前がつく

          観光地に来てみて

          つい先日「観光地に出かけてみよう」と思い立ち、1人でぶらぶらと有馬まで足を運んでいます。 電車を降りて少し歩くだけでも、観光に来た感覚(ワクワク感)を感じていて、すぐにお土産屋さんに入ってみたくなったり、炭酸せんべいを食べてみたくなったりしました。 観光地の雰囲気はすぐに人の気持ちを高揚させるのだからすごいなと感じています。 電車を降りてすぐのお土産屋さんには自由に持ち帰りができる有馬のMAPが置かれてあり、表記は英語と韓国語がありました。今は韓国人の旅行客の方が多いの

          観光地に来てみて

          人を動かすということ

          ここ最近、ぼくの絵本がより多くの人に届くようにといろんな方が動いて下さる機会があったのですが、これほどありがたいことはありません。自分の力だけでは人に絵本を届けるには限りがあるので、助けがあるのは非常にありがたいことだと思っています。 ただ、ぼく個人にはそうやって人を動かす力はなく、人を動かしてくれているのは間違いなく絵本です。絵本の絵なのか物語なのかメッセージなのかは分かりませんが、絵本がもつ何かしらの力が人を動かしてくれているのは確かです。 人が誰かのために自分の時間

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          想いを形に

          改めて、自分の作品づくりのスタイルを考えてみた時、“想いを形にする”という言葉が浮かびました。 言葉では言い表せない想い、沈黙という言葉の奥に目には見えないけれど確実にある“想い”というものを、絵や物語は形にすることができます。 自分自身が言葉にならない想いを絵本という手段で形にし、そこに救われてきた経験があるからこそ、実感をもって言うことができます。 ぼくが影響を受けてきた作品(音楽や文学)は、作者自身の実体験を基に描いているものの、作者以外の人にも共感を呼び、感動さ

          想いを形に

          ユーモア

          ふと、ユーモアという言葉が気になり、意味を調べてみました。 ー人間生活ににじみ出る、おかしみ。上品なしゃれ。人生の矛盾・滑稽(こっけい)等を、人間共通の弱点として寛大な態度でながめ楽しむ気持。ー ⇧これがユーモアの意味だそうです。 どうしてユーモアという言葉が気になったのかというと、ぼくがこのユーモアに救われていることは少なくないと思うようになってきたからです。 別に、ぼくがユーモアのある人間だと言いたいわけではなく、もしろ「真面目だね」と言われてきたことが多いので、

          ユーモア

          とにかく絵を描くのみ

          ぼくが人生上でよかったなと思うことは、描きたいものを見つけること(出会うこと)ができたということで、ここ数年間は描きたいものが分からないということはありません(一時期はありましたが)。 もし、描きたいと思っていても描きたいものが分からないでいると、絵を描こうと思ってもなかなか思い通りのペースで描くことができません。そういう意味でも、描きたいものと出会えたということは幸運なことだったと感じています。 描きたいものとはどうやって出会えるのか、正直自分でもよく分からないのですが

          とにかく絵を描くのみ

          手に取るとき

          本屋さんで絵本を手に取る時、絵本の中身を確認するよりも絵本の見栄えで手に取るかどうかを判断することが多いです。 人が印象を決める時に、何事も見た目が非常に重要だと聞きますが、絵本においても同じで本棚に入っている状態の見た目を見て人は絵本の印象を決めてしまうのだろうなと思います。 その時に、どれだけ中身がよかろうが、手に取る気にさせるのはあくまで“見た目”であり、見た目が生み出している“○○感”です。重厚感、清潔感、高級感、特別感etc…。 自分がそうであるのならば、ぼく

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          節目、けじめ

          あらゆる物事には節目というものがあると思うのですが、そこで取るべき行動や決断というのは非常に重要なことであると考えています。 ぼくはこの“節目”という概念が初めはよく分からず、どういうことなんだろうと思っていたのですが、今となっては目には見なくとも確かに存在しているものだなと感じています。 ない人にはないし、ある人にはあるのだろうと思われるこの“節目”、言い換えると人生の大事な“区切り”であったり“分岐点”ではないかなと考えています。

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          節目、けじめ