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第2回 田中雄人さん

絵本・応援プロジェクトのWebマガジンへようこそ。
今回は、福島県郡山市で活躍されている第5期絵本専門士の田中雄人(たなかゆうと)さんにご登場いただきます。
田中さんは、小児科にご勤務とのこと。絵本専門士の資格がどのように活かされているのか気になりますよね~。早速、お話を聞いてみましょう!

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田中雄人さん(通称 ゆうくん)
医療法人仁寿会菊池医院所属。
小児科の保育士を担当。
絵本専門士第5期生/認定病児保育士
院内での乳幼児向けおはなし会を中心に活動。
図書館、幼稚園教諭向けの絵本講座やおはなし会なども実施している。
また、運動遊びを先導するプレイリーダーとしても活動中。

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絵本専門士を目指そうと思ったのはなぜですか?

絵本専門士を初めて知ったのは、保育園に勤務していた頃でした。幼少期から絵本が好きで、絵本に関係する専門的な知識や歴史なども学びたいと思っていた矢先に、県立図書館で絵本専門士養成講座のポスターを見つけたんです。
その後、小児科の保育士になったと同時に第5期の絵本専門士養成講座に応募しました。

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絵本専門士を取得して、絵本の活動に変化はありましたか?

活動はガラッと変わりましたね。
院内では定期的にお話し会を開催し、講演会でお話する内容には学んだことを活かすようにもなりました。
また、市内の広報紙やテレビ局でご紹介いただき、読書支援ボランティアさん向けや子育て支援センターさんなど、いろいろな所からお話し会や講演会のお誘いをいただくことも増えましたね。福島県には、まだ絵本専門士が数名しかいないこともあり、県内外からお声掛けをいただいています。

職場の70年続く小児科医院では、病児保育を担当しています。絵本に理解が深い医院で、待合室にはテレビが無く、本棚があるんですよ。そこには絵本がずらりと並んでいて、私にとっては最高の環境です。
ところが、新型コロナウイルス感染症の広がりは、私の業務環境を大きく変えました。在宅勤務が普及して、病児の利用者さんが激減してしまったんです。
ほぼ時を同じくして職場の建て替えがあり、イベントができるフリースペースが新設されました。今は、看護の補助が中心となっていますが、待合室やフリースペースでおはなし会も開催しています。
このスペースを活用することで、子どもたちの健康促進を啓蒙する活動や、地域の活性化にも貢献できると感じているので、プランに夢が膨らみます。

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『おもちのきもち』(講談社 2005)
かがくいひろし

実は、プレイリーダー(運動遊びの指導者)としても活動しており、絵本と運動を組み合わせたプログラムの開発にもチャレンジしているんです。絵本を読んでから運動遊びへの流れを作ると、子どもたちは自然に運動に入れると実感しています。例えば、『おもちのきもち』を読んだ後に、「お餅の気持ちになってみようよ」って声を掛けるんです。ぺったんぺったんとお餅をつくように、みんなで体をしゃがんだり立ったりして。絵本があることで、子どもたちは身体の動きをイメージしやすくなるようです。子どもたちの想像が広がるよう、オノマトペや音にも意識を向けた選書にも工夫しています。

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『まいにちたのしい』(ブロンズ新社 2019)
 文:KAKATO 絵:オオクボリュウ

音といえば、ラップにのせて絵本を読むことにも挑戦しています。例えば『まいにちたのしい』は、ラップのビートにのせて読んでみるとピッタリあうんですよね。8小節で2ページづつ読めるのが面白くて、気づいたら100回以上練習していました(笑)。

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今後、絵本専門士の活動でやってみたいことはありますか?

もちろん地域の内外でお話し会や講演会に積極的に取り組んでいきたいですし、絵本と運動遊びをリンクしたプログラム開発も進めていきたいです。
絵本専門士も毎年新しい修了生が次々と誕生しています。個性あふれる方ばかりなので、私も唯一無二の存在となれるよう一層努力をしていこうと思っています。

実は絵本専門士を修了した後、認定病児保育士も取得したんです。今は活かせる場面が限られていますが、新型コロナウイルス感染症が終息して病児保育の業務が復活した時には、絵本専門士と認定病児保育士の知識、そしてプレイリーダーの経験をリンクしたプログラム開発にも挑戦したいですね。

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絵本にかかわる皆さんへの応援メッセージをお願いします。

私は、お話し会や講演会に参加する時は、自身のトレードマークとも言える「つなぎ」を着ています。これには理由があって、『絵本が繋げてくれる4つの「つながり」』を大切にしているからなんです。4つのつながりとは、

①人と人のつながり ~ 絵本に関わることでの出会い
②親と子のつながり ~ 絵本を囲む時の会話や、一緒に味わう感覚
③時と場所のつながり ~ イベントの導入や結びに絵本を活用
④過去と未来のつながり ~ 同じ作品を世代を超えて楽しむ

絵本に関わる一人として、皆さんと一緒に「つながり」のある活動をしていければと思っています。

いかがでしたか?

飽くなき探求心で業務や絵本の活動に取り組んでいる田中さん。
ご自身が大切にされている『4つの「つながり」』が、とても素敵です。
それだけでなく子育てプログラムの開発や趣味の音楽など、田中さんは隅々まで絵本との「つながり」を感じさせてくれる方でした。
いつか開発したプログラムをまとめて発表して欲しいな、と事務局は勝手に楽しみにしております。
さて、次回は田中さんにご紹介いただきました大河原悠哉さんです。お楽しみに。

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絵本・応援プロジェクト~YELL2021~は、絵本と絵本に関わる全ての人を応援します。
この絵本専門士さん応援企画や公開中の児童書・絵本専門店さん、絵本カフェさん応援企画、そして今後は、出版社さん応援企画、絵本を使った活動応援の企画、作家さん・画家さん応援企画などなどを計画中です!
お楽しみに‼

https://www.ehon-ouenproject.com/

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