#64 行政書士試験に合格するために(記述の答え方が分からない編)
今回は、行政書士試験の記述での解答方法
について書いてみようと思います。
どう答える?
令和2年の行政書士試験では、
不動産物権変動における
「背信的悪意者からの譲受人」
について問われました。
*参考となる判例は、最判平8.10.29です。
不動産の二重売買のケースで、
背信的悪意者も登場してくる問題です。
さらに、この問題では、
[設例]と[判例の解説]が書かれ、
『上記の[設例]について、
上記の[判例の解説]の説明は、
どのような理由に基づくものか』
を答える、というものでもありました。
ここ数年は、何が問われているのか、
解答方法が一読しただけでは分からない問題、
というものが増えているように感じます。
解答としては、
・信義則
・登記の欠缺を主張する正当な利益を有しない
・売買自体は無効ではない
という文言が入っていれば、
部分点がもらえる、というものでした。
視野を広く
解答の文言だけを見れば、
それほど難しいキーワードではないので、
どうにか部分点を取りたい問題です。
ここで考えたいのは、
添削する側の視点です。
どんなに回りくどい言い回しの問題で
あろうとも、受験生に書いて欲しい
キーワードというものは、
必ず設定してあるはずです。
この問題では、
[背信的悪意者の意義をふまえつつ、
Dへの譲渡人Cが無権利者でない理由を、
40字程度で記述しなさい]
とも書かれています。
記述の解答で、よく登場する「信義則」という
キーワードや、不動産売買のケースなので、
「登記」というキーワードは書いた方が良さそう、
という発想に持っていけるように
していきたいところです。
まとめ
「177条の登記を備えないと
物権変動を対抗しえない第三者」は、
単純悪意者や差押債権者では登記が必要、
不法占拠者や前主では登記は不要、のように
登記がいる、いらない、のみを覚えるだけで
択一の問題は解けるようになります。
ですが、今回の令和2年の問題のように
少しひねられると、途端に答えに窮する、
という場面も本番では想定しておくべきです。
書いて欲しいであろうキーワードから逆算して、
解答を作成するという書き方もできるように
なっておけば、本番で対応できる幅が
少し広がるかもしれません。
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