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「あのとき、私を止めてくれる人がいればよかったなと、今になって思う」

「あのとき、私を止めてくれる人がいればよかったなと、今になって思う」
先日、目を引くニュースがありました。

東洋経済オンラインで綴られたいきなり!ステーキの一瀬社長のインタビューです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1072892f93f608c9970fbf7133744c821ba4c11e?page=3

あれだけイケイケだった「いきなり!ステーキ」の社長も「あのとき、私を止めてくれる人がいればよかったなと今になって思う」と漏らしていたのは意外でした。

「あの急拡大はやばいんじゃないか」

いけいけドンドンで店舗を増やしていましたね。

店舗の急拡大は人件費、テナント費、材料費など莫大な固定費もかかります。これだけの支出があると万が一の時に対応することができません。

そのほかにも人材の育成がおろそかになったり、店内のオペレーションの質、他社との差別化ができないなどのトラブルが発生します。

そもそもリスクも大きいので本来はコンサルタントが止めるべきなんです(コンサルをつけなくても側近が止めるべきですが)

多くのコンサルが懸念していた

いきなりステーキの快進撃をメディアは、もてはやしていましたが多くの経営コンサルタントは倒れることを懸念していました。

「あの急拡大はヤバいんじゃないか…」

いろんなコンサルタントのブログやメルマガ、ポッドキャストでつぶやいていたんです。徐々に傾き始めた時で撤退すべきだったんですね‥

撤退を考える時間はあった

いきなりステーキの低迷は一瞬ではなく、ジワジワと始まっていました。これが急激な災害による影響なら仕方のないことですが、撤退を考える時間は十分にあったと思います。

人は一度、思い切りよく発言をすると後で曲げることはできません。発言による一貫性の法則が働きます。社長もプライドがあるので言ったことを貫かないと格好がつきません。

感情的な思い、執着があるのはわかりますが退くべき時に退かなければ、大きなダメージを負ってしまいます。

「いやいやピンチはチャンスでしょ!」の間違い…

そう考える人もいますがピンチをチャンスに変えられるのは、ほんのごく一部の人たちだけです。

社長1人、従業員が総動員して力をあげても無理なものは無理です。抵抗できない大きな力が働いていることも考えないといけません。

能天気に「ピンチはチャンス」と言って歪んだレンズで現実を見ていると痛い目に遭うのは必然です。

僕は常々、勉強会でもSNSでもメルマガでも、、

「勝てるならやる、負けるなら逃げる」

と発信しています。リスクがあっても挑戦することはとても勇ましいことですし経営者としてカッコいいと思います。しかし…

僕のお仕事上、クライアント様を勝たせる仕事です。

無謀なギャンブルなら手を退くべきです。

勝ち目があるならそれは野望、ないならそれは無謀

無謀な挑戦をして成功するパターンもありますがそれは数千分の1の確率。
一か八かの賭けに挑戦するのはそれはギャンブラーのすることです。

ギャンブルは守るべきものを壊す

あなたを支えてくれる家族、あなたを慕ってくれている従業員、あなたの商品をリピートしてくれているお客さん、、、すべてかけがえのない宝物です。

それをギャンブルに棒に振るのはいかがなものでしょうか?一か八かのギャンブルで台無しにした多くの失敗事例を知らないから言えるのです。

(首をくくったりとか、夜逃げとか、妻と子どもに逃げられるとか)

ドラマのような一発逆転は起きない

皆、ドラマや漫画のような奇跡が起きると信じているんです。

逃げることが恥だと感じることもありますが、撤退するのも大切なものを守るために手を引いた男の勲章みたいなものです、僕は賞賛されるべきだと思っています。

感情的なものもあるので手を引く時に手を引けないのが人間です。自分の弱さ、無能さを受け入れることが優秀な人の象徴だと思っています。

優秀な人は無能を認めるプロ

ここで言いたいのは、「リスクをとるな!」とか「無謀な挑戦はやめて現実を見ろ!」とか言いたいわけではありません。

伝えたいことは2つです。

誰にでもこんなことが起きることを知ってもらいたいこと。
早く無能だと認めて人の手を借りたり撤退することです。

優秀な人は無能を認めるプロです。

できないものはできないと早く判断すること。
これは無理だと感じたらすぐに撤退すること。
なんでもできると思わず人に協力してもらうこと。

自分の判断が間違いだとわかったら間違いだと認めることです。

「あの時、私を止めてくれる人がいればよかったなと、今になって思う」

あの時、止めてくれる人がいれば一瀬社長はどうなっていたのか?ダメージを最小限に抑えることができたと思います。

僕は評論家になるつもりはありませんし、人の挑戦を批判する人は大嫌いです。

とはいえ、その選択をすることは危険であること、間違った判断をしてしまうなら止めるべきだと思っています。

優秀な人の思考パターン

こういった情報発信をすると2パターンの反応にわかれます。

「自分なら大丈夫!」

「自分も失敗するかもしれない…」

この2パターンです。

もちろん優秀なのは後者の
「自分も失敗するかもしれない…」
というパターンです。

こういったネガティブニュースも
自分ゴトにして捉えることができる
当事者意識が強いんです。

もう一度言いますが
優秀な人は皆、無能を認めるプロです。


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